豪洪水でグレートバリアリーフも被害、サンゴ「窒息死」の恐れ | Just One of Those Things

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豪最大サンゴ礁 死滅が深刻化」(2016-06-04 00:00:00)、「豪の貝礁 事実上すべて消滅」(2018-02-15 22:19:31)より。

 

ついでにネイチャーのものからも「Cover Story: 危機に瀕するサンゴ礁:20年間にわたる調査で明らかになった、サンゴの白化の壊滅的な広がり」、「気候変動生態学: 白化したグレートバリアリーフのその後」、「気候変動生態学: サンゴの白化事象の群集規模の帰結」。

 

 

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豪洪水でグレートバリアリーフも被害、サンゴ「窒息死」の恐れ
2019年2月15日(金) 21:35配信 時事通信

【AFP=時事】半月近くにわたって前例のない豪雨に見舞われたオーストラリア北部で、沈殿物を含んだ水が川から海へと大量に流れ出し、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)に到達していることが明らかになった。研究者らは15日、これによりサンゴに十分な太陽光が当たらなくなっている上、天敵であるオニヒトデの餌が増えていると警鐘を鳴らしている。

 この豪雨で、北東部クイーンズランド(Queensland)州の一部では道路が川と化し、数百軒の家屋が浸水。今なお混乱が続いている。
 
 ジェームズクック大学(JCU)の研究者らは、洪水を起こした川の水が大量に海に流れ込んで沈殿物がサンゴ礁を覆い、水質の悪化に加え、サンゴが必要とする太陽光の不足を招いていると指摘。
 
 JCUのジェーン・ウォーターハウス(Jane Waterhouse)氏はAFPに対し、「サンゴ礁と海草の成長と健康を維持するには、光が必要だ」と話している。
 
 クイーンズランド州北部のバーデキン(Burdekin)川河口では、茶色く濁った水が約100キロ沖まで広がっている。同域をはじめ、被害の最も大きい場所では、サンゴが「窒息死」する恐れがあるという。
 
 ウォーターハウス氏は、濁水がとどまれば「生態系の一部が死ぬのにそう時間はかからない」と警告している。
 
 2300キロにわたって広がるグレートバリアリーフでは、2016~17年に白化現象が発生。気候変動による海水温の上昇が原因でサンゴが死滅するなど、既に被害を受けている。【翻訳編集】 AFPBB News

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グレートバリアリーフとは、豪北東部沿岸沖に2300キロにわたって広がり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも登録されている世界最大のサンゴ礁です。
 

グレートバリアリーフ|オーストラリア 自然遺産|世界遺産

 

グレートバリアリーフの現状は、2016年と2017年、立て続けの「海洋熱波」に襲われ海水温が上昇し、サンゴ礁の全サンゴのうち3分の1近くが死滅する結果となりました。

 

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世界最大のサンゴ礁グレート・バリア・リーフの危機、「移植」で救えるか
2018/12/4(火) 11:42配信  ナショナル ジオグラフィック日本版

 オーストラリア、クイーンズランド州の海岸から50キロほど沖合の海で、2018年の夏、歴史の小さな1ページが作られた。危機に瀕する世界最大のサンゴ礁「グレート・バリア・リーフ」に、養殖で育った数百のサンゴ片が移植されたのだ。

 プロセス自体は目新しくはない。サンゴの移植は、損傷したサンゴ礁の復元を助けるために何十年も前から行われている。新しいのは、それが世界最大のサンゴ礁で行われていることだ。
 
 グレート・バリア・リーフの管理当局は、サンゴ礁の生態への介入に長く抵抗し、自然に回復させる方針を守ってきた。しかし、過酷な気候変動を受け、より直接的なアプローチをとらざるを得なくなっている。
 
 11月28日に米国の学術機関「全米アカデミーズ」が発表した報告書も、同じ結論を出している。「『人類の幸福、国家の経済、未来に残す驚異』の点で計り知れない価値がある世界のサンゴ礁が確実に存続するためには、人間の介入が必要である」というものだ。
 
「この報告は、サンゴ礁が気候変動を生き延びるのを助ける方法の実践的なリストです」と話すのは、米スタンフォード大学の生物学者で今回の報告書のチェアを務めたスティーブン・パルンビ氏だ。同氏はナショナル ジオグラフィック協会執行委員の1人でもある。「パニックが落ち着いて、本腰を入れて解決に取り組まねばならなくなったときに、決まって起こる展開のようなものです」
 
 グレート・バリア・リーフで、そのプロセスが始まった。
 
■3分の1近くが死滅
 
 2016年と2017年、グレート・バリア・リーフは立て続けの「海洋熱波」に襲われた。海水温が上昇し、サンゴ礁の全サンゴのうち3分の1近くが死滅する結果となった。
 
 サンゴの体内には藻類が共生しており、光合成をしてサンゴに栄養を与えている。完全には解明されていないものの、サンゴの個体であるポリプは、高温に反応してこの藻類を放出する。色とりどりの藻類を失うとサンゴは「白化」し、ついには死に至ることもある。グレート・バリア・リーフは全長2300キロにも及ぶが、その北部を覆うサンゴ礁は、今や観測史上最悪の状態にある。
 
 旅行者に人気のダイビングスポット、オパール・リーフは、グレート・バリア・リーフを構成する2900以上のサンゴ礁の1つ。最近、この数カ所で起こった白化による死滅は壊滅的だった。2018年8月下旬にサンゴ移植が行われたのがこの場所だ。
 
 シドニー工科大学の「フューチャー・リーフス・プログラム」(Future Reefs Program)を率いる海洋生物学者デビッド・サジェット氏は、研究者のチームや地元のサンゴ礁ツアー会社と協力し、白化に耐えたサンゴの断片を採取。偏りがないよう12種を選び、サンゴ礁に近い砂地の潟湖で、網目状の台を使って育てた。
 
 育てられたサンゴの断片は、数カ月後に移植された。「この研究が挑んでいるのは」とサジェット氏は言う。「自然の緩慢なプロセスだけに頼るのではなく、ストレスに耐えられるサンゴを繁殖させ、移植することで、サンゴ礁の回復を加速できるかどうかです」
 
「再び海洋熱波に見舞われるまでに、このプロジェクトが成功するかどうかはわかりません」とサジェット氏は言う。それは遠い将来ではなく、近いうちに起こる可能性が高い。
 
■ハンマーのような打撃、じわじわ締め付ける圧力
 
 オーストラリアで気候問題に取り組む組織、クライメート・カウンシル(Climate Council)がサンゴ礁に関して2018年7月に出した報告書によると、大規模なサンゴ白化現象は、かつては27年ごとに発生していた。それが今では6年に1回の割合になっているという。気候変動に歯止めがかからなければ、2030年代にはグレート・バリア・リーフで2年ごとに大規模なサンゴ白化が起こる恐れがあると報告書は指摘している。
 
 全米アカデミーズの報告書も、2050年までに、世界のサンゴ礁の大部分で毎年白化が起こるようになるだろうと述べている。
 
 サンゴが白化から自然回復することは可能だが、これほどの頻度で白化が起これば追いつけない。そこで、サンゴを豊かによみがえらせるための研究が進められている。サジェット氏が試している移植技術もその1つだ。別のオーストラリアのチームは現在、違ったアプローチを試みている。グレート・バリア・リーフの損傷した箇所に、研究室で生まれたサンゴの幼生を100万以上も種のようにまいているのだ。
 
「将来もサンゴ礁が存在するためには、修復が鍵です」とサジェット氏。
 
 サンゴ自体の復元力も同じくらい重要だ。近年、サンゴ礁を苦しめているのは壊滅的な白化というハンマーのような打撃だけではない。
ゆっくりと締め付けられるような危機にもさらされている。人間による炭素排出で、サンゴが生息する水温と酸性度は、ほとんどのサンゴがこれまで経験したことのない水準まで上がっている。
 
 今、求められているのは、こうした条件をすでに経験してきたサンゴだ。今後の100年間にほとんどのサンゴ礁に降りかかるであろう極端な高温と酸性度にすでに順応している、復元力のホットスポットというわけだ。そうしたサンゴ(あるいはそれを可能にしている遺伝子や、サンゴに栄養を与えている共生藻)は、より脆弱なサンゴ礁に移植でき、生存の可能性を上げられるかもしれないと考えられている。
 
 例えば、二酸化炭素が海底から自然に泡立つような熱水噴出孔には、他のサンゴなら死んでしまうような酸性度の水中でも生育するサンゴがいる。米領サモアとパラオでは、高温に耐える浅瀬サンゴが特定されており、その要因である遺伝子もいくつか見つかっている。
 
 極端な高温が続くという点では、ペルシャ湾に匹敵する海洋環境はほとんどない。ここでは夏の海面温度のピークが35℃を超える。それでも、55種を超えるサンゴが生息し、白化し始める水温はほとんどのサンゴよりも数℃高い。中には、高温に耐えられる共生藻を体内にすまわせている種もあり、他のサンゴにもそれを導入できれば、白化への耐性が高くなる可能性がある。
 
 しかし、無視できないトレードオフが存在する。研究では、高温耐性のある共生藻の1つは白化による死滅を30%減らす一方、サンゴの生育速度も50%以上低下させることがわかっている。脆弱なサンゴ礁のサンゴにこうした藻類が移植されれば、白化現象に耐えられる可能性は高まるかもしれないが、サンゴ礁の回復やその多様性への寄与は小さくなるだろう。
 
■マングローブにあった手掛かり
 
 サジェット氏らのチームは、復元力のあるサンゴを別の特異な環境で探した。マングローブ林の周辺だ。オパール・リーフよりも30キロ余りオーストラリア本土に近いポート・ダグラス沖に、ロー・アイルズというサンゴの小島がある。2つの島から成り、1つは砂浜が広がるシュノーケリングの人気スポット、もう1つはマングローブが生い茂る湿地だ。
 
 マングローブが生い茂る浅瀬の海は、外洋のサンゴ礁を流れる海水より温かい。また、木々が海水の酸性度を上げる。それなのに沖合と同様にサンゴが繁栄している。どのように適応しているのか突き止めようと、サジェット氏のチームはマングローブ林のサンゴを研究してきた。
 
 サンゴの個体であるポリプはたいてい、組織の中にすむ共生藻の光合成によって主な栄養を得ている。普通、昼間はポリプは骨格の中に引っ込んでいて、夜だけ現れる。触手を使って水中のプランクトンや有機物の粒子を捕まえ、餌を補充するのだ。
 
「夜間は水中のプランクトンが多く、視覚に頼る天敵の危険も小さいので、ポリプが食事をとるには合理的な時間帯です」とサジェット氏は話す。「そしてもちろん、日没後に光合成は起こりません」
 
 ところが、マングローブ林のサンゴではポリプが日中にも活動しているのを、サジェット氏ら科学者はたびたび目にしている。過酷な環境に生きていると、積極的な摂食活動が促されるのかもしれない。「エネルギー摂取量を増やすメリットが、天敵に見つかるリスクを上回るのでしょう」とサジェット氏は見ている。外洋のサンゴ礁でも、環境がより厳しくなれば、積極的に餌を取ることが必要な選択肢になるかもしれない。
 
■迫りくる気候変動の猛威
 
 気候変動の緊急性は高まっており、時間の余裕は乏しい。サンゴ礁が直面する危機は水温と酸性度の上昇だけでなく、酸素レベルの低下、年々激しさを増す暴風雨、そしてグレート・バリア・リーフでも依然として脅威となっている悪名高いオニヒトデなどの天敵にも悩まされている。
 
 にもかかわらず、サジェット氏は自らを「実践的な楽観主義者」と語る。「不確定な要素は、起こりつつある変化にサンゴ自身が適応できる度合いです」と彼は指摘した。
 
「世界のどこへ行っても、サンゴが生き残っているのを目にします。そんなことは期待できないような場所でです」とサジェット氏。「人間が与えるストレスに負けないサンゴ群落があることに、希望を感じます。おそらくサンゴは、ストレスに耐え、適応する能力をもちながら、正当に評価されていなかったのでしょう」
 
 ロー・アイルズで意外だったことの1つは、研究チームが外洋のサンゴ礁で採ったサンゴを、マングローブの潟湖に移植した時の出来事だとサジェット氏は話した。つまり、比較的過ごしやすい環境から、高温かつ酸性の環境に移したときのことだ。「移植したサンゴは死ぬと予想していました」とサジェット氏。「しかし、マングローブ林に移って4カ月後には、全てとても順調に生育していたのです」
 
 これはパルンビ氏のチームの観察と一致する。同氏らは、米領サモアのサンゴで特定した高熱耐性遺伝子が、約1300キロ南東のクック諸島を囲む、比較的水温の低い海域のサンゴにも存在することを突き止めた。米カリフォルニア大学デービス校に所属する研究者レイチェル・ベイ氏は、現在のクック諸島ではこれらの遺伝子は珍しいものの、水温の上昇に伴って広がる可能性があることを明らかにしている。
 
 同氏らの計算によれば、人類が炭素を排出する今のペースでは、こうした遺伝子はサンゴ礁が確実に存続できるほど速く広がりはしないという。排出ペースが今より緩やかになればサンゴの助けになるだろう。一方、高温耐性のあるサンゴ数種を暑い地域から移植することも、生き残れるサンゴの増加に貢献するかもしれない。
 
「この作業で試みているのは、サンゴ礁が育ち続けるために人間の介入に頼らざるを得ない状況で何が起こるかを理解することです」とサジェット氏は言う。「もちろん、私たちはそんな状況を望んでいません。『プランA』は温暖化ガスの排出を減らし、気候変動を解決して、サンゴ礁への脅威を取り除くことです。しかし我々は、『プランF』の可能性に備えざるを得ないのです。つまり、世界規模のサンゴ礁崩壊への対処です」
 
「介入には誰もが慎重です。無理もありません。サンゴ礁修復の規模が大きければ大きいほど、生態学的な波及効果が大きくなりますから。そこまでする必要がないよう願いつつ、そうなった場合の科学的な考え方は理解しておいた方がいいでしょう」
 
文=KENNEDY WARNE/訳=高野夏美
 
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豪北東部は、連日の豪雨により「100年に一度」の洪水に見舞われました。
 
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豪北東部の豪雨、ダム放流で「前例のない大洪水」 被災地の映像
2019年2月5日(火) 10:52配信
 
【2月5日 AFP】連日の豪雨により「100年に一度」の洪水に見舞われているオーストラリア北東部クイーンズランド(Queensland)州で3日夜、当局が「前例のない大洪水」に警戒を呼び掛ける中、ダムの緊急放流が行われた。被災地には4日、軍が出動し、建物の屋根の上に取り残された住民の救助に当たっている。
 
 豪北部の熱帯地域では例年、雨期のこの時期にまとまった雨が降ることが多いが、今年は平年の降水量をはるかに上回る激しい雨が続いている。沿岸の町タウンズビル(Townsville)では、道路が川と化し、数千人の住民が避難を余儀なくされている。
 
 オーストラリア気象局は4日、豪雨被害の最も大きな地域で土砂崩れの報告が複数あり、さらなる土砂災害の危険性も高まっていると発表。東部沿岸地域では今後も「集中豪雨」が予想されるとして「大規模な鉄砲水」に警戒するよう呼び掛けた。
 
 これに先立ち同気象局は3日夜、タウンズビルを流れるロス川(Ross River)上流のダムで、水位の急激な上昇に備えて計画最大放流量での放流措置を取ったことを明らかにした。4日にかけてロス川に大量の水が流れ込み、「タウンズビルで前例のない広域が洪水に見舞われる可能性がある」として、「人命・財産への危険」があると警告した。
 
 タウンズビルでは4日、道路が腰の高さまで水没し、市街は広い地域で停電している。住宅街で複数のイリエワニが泳いでいたとの目撃情報もある。救急当局やアナスタシア・パラシェイ(Annastacia Palaszczuk)州首相によると、前夜から朝にかけて救助を求める通報が1100件以上あったという。
 
 気象局のブルース・ガン(Bruce Gunn)氏は記者会見で、この先数日中に竜巻や強風が発生する危険があるほか、今後も雨が降り続けば最大2万戸が浸水する恐れがあると指摘した。
 
 映像前半は、消防による救出活動。タウンズビルで1日撮影。後半は、冠水した被災地の上空からの映像と、ダムの緊急放流。4日撮影。(c)AFPBB News

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190205-00010000-afpbbnewsv-int

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というのもあります・・・。
 
※ブログ活動が大変遅れております。申し訳ございません。
 
 

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