2022年8月末、栃木の湯を一人で巡ったお話の続き。
二日目の朝、塩原温泉エリアをうろついております。
これまでの行程を並べたのがこちら↓。
塩原温泉の塩釜エリアから古町エリアへ。
古町温泉からは箒川を挟んで対岸にあるのが「赤沢温泉旅館」。
温泉街から外れるため、ゆったりとした佇まいのお宿。
目の前には箒川があり、その向こうが温泉街。
こちらはしばらく休業していた宿を現オーナーさんが買い取り2015年に「赤沢温泉旅館」として開業。
赤沢というのはオーナーさんの名前ではなく、元々ある自家源泉の名前からとのこと。
事前に電話で立寄り可能を確認し、12時半前に到着。
中塩原温泉 赤沢温泉旅館
立寄り可能時間は9時~21時(最終受付20時)なのだけれども、不定休なので事前に電話確認が必要。
立寄り入浴料は700円。
こちらはおもて那須手形の無料入浴施設ではないが、手形があると通常100円の珈琲が無料になるとのことで、帰りにいただいた。
泊まりは基本一泊二食付きだけど、軽め食事や朝食サービスの素泊まり(5000円~)など、リーズナブルに宿泊で楽しむこともできるお宿。
対応してくれたのはアジア系の若い男性で、日本語は流ちょう、とても丁寧な応対だった。
こちらのオーナーさんは前の仕事で海外滞在も長かったようで何か国語かに通じており、また奥さんも中国人とのことで、塩原の中でも外国人の利用が多い宿らしい。
日本語のほか英語・中国語・スペイン語で対応可能。
そういえば館内はいろんな国の要素を感じるインテリアがセンスよく並べられている。
居心地はとてもよい。
珈琲はこの写真↑の左端にマシンが写っている。
またこちらはペット泊も可能な宿とのこと。
宿には犬や猫がいるという話だったが、残念ながら出会えなかった。
では浴場へ。
廊下のエジプトモチーフのタペストリーも不思議と調和しており、なかなかよい雰囲気なのだ。
浴場は男女別に内湯と露天風呂がある。
他に有料の貸切露天風呂もあり。
立寄りで入れるかは未確認。
広々とした脱衣所。
コイン式の洗濯機と乾燥機もあるのが、宿に滞在するような旅行客にも対応できるってことなのだろう。
では浴室内へ。
先客も後客もなく、終始独り占めで楽しむことができた。
内湯エリアはやや暗めだったが、広い窓が何とも開放的。
檜材の浴槽は3~4人用ぐらいの規模。
檜の香りは落ち着いており、源泉の香りの邪魔をしない状況
洗い場エリアもゆったりとられている。
カラン&シャワーから源泉は出なかったと思う…写真を撮ってないのでそう判断。
それではこちらの自家源泉のお話。
無色透明な湯は源泉名が「赤沢源泉」。先述した宿の名前になった源泉で、湧いているところの地名が赤沢。
源泉温度43.9度、pH6.6のナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。
成分総計は1.884g/kg。
掘削自噴で85.6リットル/分の湧出量。
この湯を完全かけ流しにて使用している。
浴槽の温度を測ってみると。。。
37.7度と不感温度に近いぬる湯状況。
これはいつまでも入っていられる湯だ
成分の内訳を簡単に。
陽イオンではナトリウムが402.1mgで63.40ミリバル%、カルシウムが180.8mgで32.70ミリバル%。
以下はマグネシウム5.0mg、マンガン1.1mgなど。
陰イオンは塩化物が781.8mgで80.30ミリバル%、硫酸が175.4mgで13.30ミリバル%、炭酸水素が104.1mgで6.21ミリバル%で、これらでほとんどを占める。
非解離成分ではメタケイ酸が101.1mg、メタホウ酸が62.1mg。
遊離二酸化炭素は43.9mgあるが、泡付きまではない。
淡いタマゴ臭が心地よい
淡いタマゴ味と僅かな塩味、淡い甘味を感じた。
湯口の中には白い綿状の湯の花が勢いよく舞っている。
もちろん浴槽の中にも白~灰色の綿状の湯の花を確認できた。
湯口の温度を測ってみると。。。
38.7度と湧出地の温度からちょっと下がってしまっている。
引湯時に下がったのかわからないが、もう少し源泉温度がキープできればよいと思った。
しっかりとしたツルスベ感が心地よかった
ではガラス戸を開けて露天風呂へ。
露天風呂エリアと池エリアが近く、パッと見で全体図がよくわからなかった(^^;
基本的に入浴できるところは写真↑右側の部分。
石を隔てた左は池の扱いになるのかな。
こちら↓の湯口っぽいところは温泉藻が見えるけど、この投入の方法だと湯だまりに着く状況で30度以下になるでしょう。
いずれにせよ、露天風呂は内湯よりもまたさらにぬるかった。
床が少しぬるぬるしているので注意。
夏なのでこのかなりのぬるさは心地よさだったけど、冬場はどうしているのか…加温しているのかな。
投入時の源泉の印象は内湯と変わらない。
風味の感想も同じ。
かなりぬるい露天とぬるい内湯の交互入浴。
やはり不感温度に近い内湯にいる時間が長かったかな。
魅力ある源泉と、やや温度は低いながらこだわった湯使い。
アウトドア的に楽しめるオプションもあるようで、ペットと一緒に泊まったりしたらかなり楽しい時間になりそうだ。
手形で無料になった珈琲を飲みながら、ペットを飼ってないぼくも機会があれば泊まって一度こちらのご主人とお話をしてみたいとも思った。
中塩原温泉 赤沢温泉旅館
栃木県那須塩原市塩原1149
0287-46-5700
立寄り入浴料 700円
※おもて那須手形で珈琲100円が無料
9時~21時(最終受付20時) 不定休
事前に要電話
<源泉名:赤沢源泉>
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(低張性・中性・高温泉)
43.9度
pH6.6
成分総計 1.884g/kg
無色透明
淡タマゴ臭あり
淡タマゴ味、淡甘味、微塩味あり
しっかりとしたツルスベ感あり
白~灰色の綿状の湯の花あり
完全かけ流し
2022年8月入湯
※数値はR3の分析書より