B/Lを見ても、船社がわからない・・・?
引き続き、今日は②スケジュール確認です。
<輸入の流れ>
①船積み書類の入手
②スケジュール確認
③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り
②スケジュール確認
B/Lがどこの船社のものかが分かれば、貨物のトラッキングで
おおよそのスケジュールを調べることができます。
●どこの船会社の船に載ってくるのか?
B/Lから、どこの船会社か判別できる場合をお話ししました。
続いて、「判別できない」場合について、ご説明します。
判別が難しいのは、B/LのSHPER・CNEEが混載業者の場合です。
今日はこの、「混載業者」についてです。
混載業者って?
船を運航する船会社、飛行機を運航する飛行機会社があります。
これに加えて、船も飛行機も持っていない輸送業者というものが存在します。
フォワーダー(FWD)、NVOCC(エヌブイオシーシー)、混載業者、などと呼ばれます。
また、NVOCCを略してNVとだけ呼ばれたりもします。
ここでは、NVOCCに統一します。
覚えなくても良いですが、Non-Vessel Operating Common Carrierの略です。
外航を利用するので、日本語では「非船舶運航業」となります。
NVOCCは輸送手段を持っていませんが、船会社や航空会社の輸送を「利用して」
実際の荷送人の貨物を引き受けて、輸送責任を請け負います。
これは、日本の外航利用運送事業というものに該当し、自身では輸送手段がなく、
輸送手段を持っている運送人を「利用する」というものです。
では、具体的にもう少しわかりやすく説明します。
あなたがお店を経営していて、海外から仕入れをするとします。
ある程度の貿易に慣れているのであれば、自身で仕入れ会社との交渉から、
船積み、輸入手続きから配送までの手配が可能です。
でも、あなたが「買うための交渉しかできない」場合はどうでしょうか?
船や飛行機のどちらがいいのか、最速で届く方法はどれなのか、
運送中の貨物に何かあったら、契約したもののちゃんと届くのか、など。
たくさんのわからないことや不安要素があるはずです。
そこで、登場するのがNVOCCなのです。
彼らは、あなたの希望に従って代わりに運送手配を請け負ってくれます。
「とにかく安く仕上げたい」、「何より納期を優先して最速で受け取りたい」、
「積み地からの輸送に関わる費用を全部、日本で払いたい」など、
様々な要望を、あなたに代わってNVOCCが引き受けてくれます。
なんとなく、イメージできたでしょうか?
分かりやすく例えるなら、「旅行会社」のような存在です。
このNVOCCは、船社のサービスを利用してあなたの荷物を船に載せます。
あなたの代わりに、船社へブッキングを入れます。
つまり、船社から見ると「あなたの貨物」ではなく「NVOCC」の貨物となるわけです。
船社はブッキングを受けてる「NVOCC」宛にBOOKING NOを採番し、
B/Lを発行します。
この一連の流れを「SHIPPER=NVOCC」が行います↓↓
そして、そのNVOCCの貨物の中に「あなたの貨物」があるのです。
あなたは、NVOCCと輸送契約を結んだことになりますので、B/LはNVOCCから発行されます。
そこで、NVOCCの有無を識別するために、B/Lの種類はMASTER B/L(M/BL)とHOUSE B/L(H/BL)、STRAIGHT B/Lの3つに区別されています。
◆STRAIGHT B/L
船社が直接実荷主=ACTUAL SHPER/CNEEの名前で発行するB/L
◇MASTER(OCEAN) B/L
船社がNVOCCの名前で発行するB/L
◇HOUSE B/L
NVOCCが実荷主へ発行するB/L
「◆STRAIGHT B/L」の場合は、船会社の名前やロゴが入ったB/Lを直接、荷主がもらいます。
そのため、容易に船会社を判別することができます。
「◇HOUSE B/L」の場合、荷主は「混載業者」のB/Lをもらうので、B/Lの会社名やロゴは
「混載業者」のものとなります。
つまり、船会社の名前やロゴが入ったB/Lは混載業者が持っているのです。(M/BL)
では、混載業者が入っているとなぜ、船会社が判別できないのか?
明日は、それについてご説明します。
困ったときは「こびと」を思い出してください🧙♀️