貨物のトラッキング | それが知りたかった!貿易の小さな疑問のいろいろ

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輸入の具体的な手続き

 

 

さて、今日からは輸入の話に入ります。
輸出と逆の流れなのですが、最初は輸出と輸入の切り替えが難しいかもしれません。
やることや流れは同じですので、輸出の話を交えながらお話していきます。

混同しないように読んでみてください☺


輸入は、日本から海外の会社などに発注をして、飛行機もしくは船で日本に貨物が到着します。

(輸出の時の輸出者と輸入者が、そのまま逆になります)
 

日本は輸入過多なので、世界各国からたくさんの物を輸入していますね。
我が国を代表する自動車産業でさえ、その部品は海外から仕入れています。
海外の会社から物を買うのはもちろんですが、同じ会社の海外支店から「物流の一貫」として
貨物を動かすことも、輸入
になります。


今回も船の場合で、輸入の流れを見ていきます。
 

<輸入の流れ>

①船積み書類の入手
②スケジュール確認

③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り


①船積み書類の入手
現地での貨物の船積みが完了すると、下記の書類が先方から届きます。
どれも税関に必要な書類なので、不足していれば現地から取り寄せなければなりません。
(輸出時に、B/Lと関係書類を先方に送りましたよね?それと同じことです。)
 

・B/L
・INOVICE
・PACKING LIST



②スケジュール確認
輸入で必要な3種類の書類は輸出で登場したものと同じです。
B/Lが届いたら、まずは船がいつ到着するのか、スケジュールを確認します。


●どこの船会社の船に載ってくるのか?
これは、B/Lを見てすぐにわかる場合と、まったくわからない場合があります。
見てすぐに分かる場合は、B/Lに船会社の名前が入っています。
船会社が分かれば、B/L番号かコンテナ番号でCARGO TRACKING(貨物追跡)をします。
各船会社の貨物は、自社のHPで検索できるようになっています。

→別途、一覧にしたものもありますのでご希望の方はご連絡ください!

 

HPを開いてTOPページから検索できるものや、「E-SERVICE」というカテゴリーの中から

トラッキングに入っていくものなど各船会社によって仕様はそれぞれです。

トラッキングをしてみても航路が長いものだと、先のスケジュールまでは出てこない場合もあります。
船の航海は長いもので1ヵ月から2ヵ月を要することもあります。

B/Lには積載本船が記載されていますが、必ずしもB/Lに記載されている本船で到着地に入ってくるわけではありません。

遠洋からの航海の場合はどこかの港を経由地として本船を積み替える場合があります。
 

厄介ですよね😓


トラッキング照会で、積み替える港や積替え後の本船名、その後のスケジュールなども

見ることができます。
この積み替えのことをトランシップ(T/S)と言います。

そのT/Sが行われる港のことを、積替え地ハブ港と言います。
飛行機で海外に行く場合もトランジットがありますね。それと同じようなイメージです。

積み地にもよりますが、T/S地はHONG KONG(HKG)KAOHSIUNG(KHH)BUSAN(BUS/PUS)SHANGHAI(SHA)などがあります。
各地の港は3コード(スリーコード)と言って、3桁の英字+国コード2桁で表記が

統一されています。(例:JPTYO、JPOSA、KRPUS、CNSHAなど)

経由地でT/Sされる船は必ずしも、同じ船会社の船とは限りません。
飛行機にもアライアンスという共同運航が存在するように、船にもアライアンスがあります。
そのアライアンス以外にも、スペース借りやフィーダー船が利用されます。


フィーダー船とは、主なT/S地から地方へ向けて運航している船のことです。
大きな船は、日本の小さな地方の港にはキャパシティの問題で寄港できません。
その度に、自社で小さな船を運航していては、コストが莫大にかかってしまいます。

だからと言って、地方港向けの貨物を断ってしまうと、船会社は航路がかなり限定されてしまうのです。
そこで、既に地方港へ寄港している船会社のスペースにお金を払って自分の貨物を運んでもらいます。
このような形態のことを「フィーダー船利用」と言います。


また、積替え地は外国の港に限らず、日本国内の港でも積替えられます
その多くは神戸港での積み替えです。

 

余談ですが、日本は「神戸港」をハブ港にする計画があったんです・・・。

そういうわけで、日本の中では神戸で積み替えされることが多いのですね。

世界的に大きなハブ港に成長したひとつに、韓国の釜山港があります。

 


外国から入ってくる船のことを「外航船」、日本国内を回っている船のことを「内航船」と言い、それぞれの船の役割を区別します。
例えば、外航船で神戸に揚がった貨物を、神戸で内航船に積み替えて西日本の地方港へ揚げるようなこともあります。

どこで、どの船に積み替えるかなどは、全て貨物を引き受けた船会社が決定します。


ちょっと複雑でわかりにくかもしれませんが🥲
パターンは4つです。
1.自社の本船で直行で到着する
2.アライアンスの船で経由地でT/Sされた船で到着する
3.フィーダー船で経由地でT/Sされた船で到着する
4.日本の港で陸揚げされ、内航船で到着する



アライアンスやフィーダー船の場合、船を運航する会社は別の船会社ですが
貨物の管理は、船積み地から最終の引き渡しまでB/Lを発行した船会社が行います。
T/Sで別の運航船社の本船に積載したからと言って、途中で貨物の管理者(船会社)が変わることはありません。

なお、トラッキングした内容は、船が到着するまでは確定ではありません
一旦、トラッキングで表示された内容でも、経由地やT/S本船およびスケジュールは、その時の船会社の事情などにより変更されることも多々あります。
本船の遅れなどで直近にならなければ、到着予定が分からないことがほとんどですので、
船の到着までこまめにスケジュール確認をすることが必要です。

明日は、トラッキング時の「船会社が分からない場合」についての説明します。

 

 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️