貨物が到着をお知らせする書類
今日は④A/N入手、配送手配についてです。
①船積み書類の入手
②スケジュール確認
③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り
④A/N入手、配送手配
本船の入港が近くなると、B/Lを発行した会社(船会社、NVOCC)から
Arrival Notice(A/N)=貨物到着案内が送られてきます。
船の動静(スケジュール)は直前まで確定しないことが多いため、A/Nは入港日前日に届くことがほとんどです。
これは、「この貨物が到着しますよ」と知らせするもので、通関にも必ず必要になる大事な書類です。
下記のように、B/Lの内容+ETA(Estimated Time of Arrival=入港日)が記載されています。
ETAは通常<ETA TOYKYO : 19th,Dec>のように、到着地の港名まで表記されます。
併せて、船が到着して貨物がどこに置いてあるか=CY(搬入先)もこれに記載があります。
A/Nには、
●入港日
●搬入先のCY情報(連絡先も含む)
の他に、この貨物に掛かる費用も記載されています。
費用の中身は揚げ地で発生する船会社の費用などです。
船会社からの請求書はD/NとA/N
●積み地の費用→輸出時のDEBIT NOTE(D/N)
●揚げ地の費用→輸入時のARRIVAL NOTICE(A/N)
このように、船会社は貨物に掛かる費用を両側の港で回収しています。
A/Nに記載されている金額を、輸出時のD/Nと同様に記載の口座まで入金しなければなりません。
これは、貨物を引き取るために必要な手続きです。
また、A/N書面上にB/Lタイプの記載がしてありますので、「SURRENDER or ORIGINAL」かを確認することができます。
SEA WAYBILLはB/Lが届いた時点で確認できるものなので、ここでは<SURRENDER>か
<ORIGINAL>かの確認のみです。
A/Nの発行は、B/Lを発行した会社もしくは代理店が行いますので、
M/BLは船社(船社代理店)、H/BLはNVOCC(現地代理店)がそれぞれA/Nを発行することになります。
NVOCCはM/BLの請求項目にプラスして、自身に必要な請求項目を追加してH/BLのA/Nを発行します。
つまり、NVOCCは船社からのM/BLを受けて、それに対するA/Nを発行しているのです。
A/N発行の流れ
船社A/N→(NVOCC→NVOCC A/N)→CNEE
NVOCCの入っていない、STRAIGHT B/Lの場合は()が省かれ、直接船社から荷主へ届きます。
A/Nに記載されているETAもあくまでも「Estimated=予定」ですので、日付が変更になることもあります。
これに対して、既に船が入港したものを「ATA=Actual Time of Arrival」と言います。
ただ、よほどの特別な事情を除き、A/N記載の入港日からかけ離れて遅れることはありません。
記載のETAを基に、納品日を決めます。
この際に、輸入申告に要する日数を考慮した上でおおよその予定を立てます。
輸入コンテナには「Free Time(F/T)」と言う、無料でCYに置いておける期間が
設定されています。
これは、船会社が決めるものでコンテナのタイプ(DR,R/F等)によっても違います。
通常のドライコンテナの場合は、大体、入港日から1週間が目安です。
そのため、納品を決める際にはこのF/T内にピックすることが前提です。
この期間を過ぎてしまうと、Demurrage(デマレージ)=経過保管料を支払わなければ
ピックできなくなってしまいます。
業務の中では略して「デマ」と言うことが多いです。
納品日を決める際には、このF/Tも必ず確認しましょう☝
貨物を配送先まで納品する場合は、ふたつの方法があります。
- コンテナのままドレー、納品先でデバン
- コンテナを近場の倉庫にドレー後、中の貨物をトラックに積み替えて配送
お客さんの希望や納品先の荷降ろし場所のスペースの問題などでどちらかの方法になります。
もちろん、費用はコンテナのままドレーするのが一番安くてすみます。
1.コンテナのままドレー、納品先でデバン
コンテナのままドレーする場合、CYに直接ドレー会社が引取りに行きます。
この引取りのことをPICK UP(P/U)、もしくはPICKと言います。
コンテナPICKの基本は、納品日の「前日」です。
例)
・11/24納品→ピックは11/22(納品日前日が祝日の場合は、その前日の営業日)
・12/21納品→ピックは12/20
ドレーは、納品先へコンテナをつけるだけで荷下ろしの作業は貨物の受け側でやらなければなりません。
また、荷下ろし時間はコンテナが到着してから2時間が目安とされています。
ヘッドとシャーシを切り離すことが可能ですので、業者によってはコンテナ(シャーシ)だけ切り離して、デバンが終わった頃に再度、空になったコンテナをピックすることもあります。
貨物の荷降ろしをぼんやり待っているより、ヘッドは別で働けば「時間の有効活用」になるからなんですね☺
2.コンテナを近場の倉庫
コンテナのままの納品が難しい場合や、受取側の作業員が確保できない場合などは
コンテナから一旦、貨物を出して、トラックに積み替えて納品します。
このような納品方法をデバンオントラック(略してオントラ)と言います。
この場合も、距離によりますが基本的にはコンテナと同様に引取りは納品日の前日です。
コンテナを近場のどこかへ持っていくことを「横持ち」もしくは「ショートドレー」と言います。
港のできるだけ近くでデバンし、横持料が最小で済むようにします。
デバンオントラに掛かる費用は「横持ち料+物量X単価」となります。
基準となる物量は容積(M3)、G/WもしくはN/Wなど取り決めによります。
そのため、貨物が多ければ多いほど、その分、デバンオントラした場合は、費用も比例して高くなります。
トラックの場合は、ドライバーが荷降ろしを手伝ってくれます。
これも、コンテナ納品と違う点です。
納品に必要な日数の目安
■コンテナのまま納品→納品日+1日
□デバンオントラックでの納品→横持ち+倉庫でのデバン+納品日+1日(計2日もしくは3日)
配送方法と予定が決まったら、ドレー業者に依頼します。
コンテナPICKの際、どこの港でも大体「予約番号」、「作業番号」もしくは「ピックオーダー」が必要なのでドレー業者と確認しておかなければなりません。
⑤につづく
困った時は「こびと」を思い出してください🧙♀️