貨物の搬入確認 | それが知りたかった!貿易の小さな疑問のいろいろ

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なかなか載っていない、貿易の小さな疑問を解決します。

 

 

船からコンテナを降ろしたあとは?

 


①船積み書類の入手
②スケジュール確認
③輸入通関準備
④A/N入手、配送手配
⑤輸入申告、納税、輸入許可
⑥D/Oリリース
⑦貨物引取り

 


⑤輸入申告、納税、輸入許可
 

A/N入手後、最終的な船のスケジュールを確認します。


各船社のHPのトラッキングでも可能ですが、各港にはそれぞれターミナル(CY)のサイトがあります。
本船情報や着岸場所、スケジュールなども載っていますので、入港日直前はそちらの情報の方が間違いないと思います。


もし、そのようなサイトがなければ、A/Nに記載してあるCY(搬入先)に問い合わせて、

入港日の確定情報を確認します。

 

参考までにいくつかの運営サイトをご紹介します。

 

 

  ターミナルサイト


<大阪港>:https://www.port.city.osaka.jp/sinkowan/apl/common/SubMenuPre.do
 

<横浜港>:https://www.port.city.yokohama.lg.jp/APP/Pves0040InPlanC?hid_sessionid=&hid_gamenid=Jyoho04&hid_userid=&cbo_cberth=&txt_cetay=&txt_cetam=&txt_cetad=&cbo_status=&txt_callsign=
 

<博多港>:http://www.hits-h.com/arvdepinfo.asp



各港で、表示方法や内容も異なりますのでどの程度の「正確性」があるか、知っておいた方が良いです。
港によっては、サイトがあるものの、あまり情報を更新していなかったり、情報に信憑性が欠けている場合もあります。
頻繁に扱う港は限られてくると思うので、情報の精度は実務をやりながら掴んでいくのがいいでしょう。

ちなみに、私の実務経験の中では「博多港」の情報は確実です。

本船スケジュールは1時間毎に更新されていて、随時状況確認が可能です。

このようにA/Nが届いた後も引き続き、入港日が「予定通り」「遅れてる」か、

もしくは「早まっている」か、本船の到着を見守らなくてはなりません。


早くなることより、遅くなることの方が可能性としては高いですが、
稀に、船が寄港する順番を入れ替えたりすることで、後続の予定だった港に先に入港するということがあります。


これは、船会社の決定によるものです。
 

入港が遅くなる場合は、予定に余裕が出てきますが、早まる場合は全ての作業を前倒ししなければなりません。
そういう意味でも、本船のスケジュールを注視しておく必要があります。



船の入出港は24時間行われていますが、各港により揚げ積みの作業時間は制約があります。
 

●コンテナを船から降ろす→荷降ろし、荷揚げ、揚げ

●船にコンテナを積む→荷積み、積み
 

この作業のことを一括りで「荷役」と言います。

 


東京や大阪などの大きな港は、細かい制約はありますが、基本的には夜間の荷役も行っています。
その他の地方港は、夜間の荷役不可や、夜間の終了時間の縛り、などがあります。


船の入港日が確定したら、次はコンテナが船から「いつ」揚げられるかを確認します。
通常、港の大きさにもよりますが船からコンテナを降ろすのは数十本~数百本単位です。


また、ひとつの船にはいくつもの向け地のコンテナが載っています。
降ろし間違いや、降ろし漏れがないようにそのコンテナ1本ずつを荷役時に「コンテナ番号」で照合します。
もちろん、現物のコンテナは1本ずつCYへ搬入されます。


荷降ろしと照合が完了したら、その船から揚げたコンテナをまとめて税関に「搬入」の報告がされます。
この報告は、本船オペレータと言われる荷役会社が行います。
これを、「一括搬入」、「搬入確認」などと言います。



輸入申告するためには、まず、この「搬入確認」がされていることが条件です。
「一括搬入」のタイミングですが、これもやはり各港によって違います。
 

主要港は貨物の取り扱いも多く、夜中作業もあることから基本的には「入港日の翌日」

一括搬入日となります。
それに対して、地方港は「午前中に入港した船」については「入港日当日」に一括搬入することも多いです。

一括搬入は、その言葉どおりに「まとめてコンテナの搬入確認を行うこと」ですが、
上記のように1日タイムラグがあったりします。


中には、どうしても急いで輸入申告をして、コンテナを引き取りたいということも出てきます。
その場合は、船社もしくは船社オペレーターへ確認の上、「個別搬入」という対応が可能です。
個別搬入は、指定したコンテナ番号のみを一括搬入を待たずに、CYへ蔵置された時点で搬入するものです。


個別搬入は、指定のコンテナが船のどこに積まれてるか、などによって「不可」の場合もあります。また、「個別搬入料」と言って、別途お金を取られることもあります。
この対応は、船社によって様々ですので都度、問い合わせが必要です。

輸入申告の際には「一括搬入」と「個別搬入」があることだけ、覚えておいてください。

さて、ここからは少し税関との情報やり取りのことに触れておきます。
前に少しお話しましたが、船から貨物を降ろす前に税関へ入港前報告をする必要があります。

 

 

 

 


これは、NACCSを使用して船会社(船社代理店)がB/L情報を登録します。
 

まず、最初の情報は船会社がB/L情報に基づいて提出することになります。
このB/L情報の提出を「マニフェスト=積荷目録」と言います。


本船の入港後の入港日確定処理、その後、コンテナを船から降ろしてCYへ蔵置してからの搬入確認となります。
つまり、船社が登録した最初のB/L情報をCYからコンテナが搬出されるまで使用します。

もし、B/L情報の登録が間違っていた場合は船社から税関へ訂正をしなければならず、
それが終わらなければ輸入申告自体ができません。
そういうわけで、最初のB/L情報というのはとても大事で、一旦、税関に提出した情報を訂正するのには時間を要するのです。

最後に簡単に流れのまとめです。

<NACCSで処理される業務の流れ>
船会社→マニフェスト登録→出港前報告→出港日時確定→入港前報告→入港日確定→一括搬入→輸入申告→輸入許可→コンテナ搬出

 

搬入確認はNACCS上の「貨物照会」でB/L番号から確認することができます。

明日は、引き続き⑤輸入申告についてです。
 

 

困った時は「こびと」を思い出してください🧙‍♀️