杉並区の郷土博物館
ロビーに雛飾りがあって
京の御所をモチーフとした「御殿」のなかに天皇皇后を模した内裏雛(男雛と女雛)を配置し、官女や仕丁、随身(右大臣と左大臣)といったお人形を添えて飾った白木の御殿飾りの雛人形が飾られています。
前の方には、雛道具の箪笥・長持・火鉢・重箱・御膳が並んでいて
御駕籠と牛車もあります。
古民家では保存状態を保つために扉を閉じた部屋にある雛飾りは、結婚式の様子を表しているといいます。
昭和11年に台東区で購入され、戦時中は防空壕に入れて守ったという戦前の雛飾り
一段目の向かって右に男雛・左に女雛
二段目には三人官女・三段目には五人囃子
男雛と女雛
その下には随身として向かって右に老人の左大臣、左に若者の右大臣
そして徳利・御所車(牛車)が並んでいます。
昭和52年の段飾り
「戦前の雛飾り」(上)に対して「昭和52年の段飾り」(下)では男雛と女雛の並び方が逆(左に男雛・右に女雛)になっていますが、古くから日本では、左(向かって右)を大切にしており向かって右に男雛・向かって左に女雛を飾ることが多くありましたが、今では一般的な雛人形は男雛が右(向かって左)、女雛が左(向かって右)と並べられているからですが、京都などでは現在も昔のスタイルで雛人形を飾っているため、に「京雛」は男雛が向かって右・女雛が向かって左となっているようです。
三人官女の真ん中に座っている官女は結婚しているといわれており、よく見ると眉毛を剃っているようです。
五人囃子は室町時代に誕生した「能楽」という音楽を演奏しており、歌を歌ったり笛を吹いたり太鼓を叩いたりしています。