川越style「KONOHA」はながすきすぎる | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

その人は、笑顔だった。

花の状態を見、まるで花と会話するように、一つ一つ花を手にしていった。

「この色も入れるといいかも」

「あれ、あの子はどこだったかな。あ、いたいた、ここにいたんだね」

大事そうに一本一本の花を手にしていく。

手に重ねていく花々を、全体のバランスを見ながら細かく調整していく。

お客さんは仏様に飾るため、KONOHAらしいテイストの花を要望していました。





落ち着いた和であり、凛となるような洗練もあって、

今までにないものを求めていたお客さんも

イメージ通り!と声を上げて出来上がりに満足していたようでした。

この時は年末で、お店の中には菊や水仙、松など正月用の花がたくさん。

時節のものに、それにKONOHAらしい世界観は変わらずにここにありました。

 

 




 

 

 

 



 

さらにこの時、炬燵の上に飾れるようなものというオーダーも入って、

 

イメージを膨らませて鵜飼さんは手早くアレンジしていきました。

 

 

主張し過ぎず、でも身近に自然があることが感じられるような、

そのバランスの上に、オーダーのアレンジを完成させました。

花を大事そうに手にしながら、笑顔でお店を後にしていった。

オーダーの制作を済ませると、また鵜飼さんは作業机の上で手を動かし始めていく。

時節柄、正月飾りのオーダーが多く、

相手のことを考え手作りし、次々と完成させていきました。

 

川越に、また一つ素敵なお店が誕生しました。

 

それも近年見られなかった花屋さんの新店。

2015年12月にオープンしたのが、「KONOHA」さんです。

ギフト、wedding、リースなどのオーダーに、

フラワーアレンジ教室、リース教室、出張教室も積極的に行っています。

 

KONOHAがあるのは、まさにうらかわエリア。

 

クレアモールに並行する八幡通りは、「うらかわ」エリアど真ん中といえる場所で、

この通り沿い、あるいは通りからさらに脇道に入った先に、

飲食店や雑貨店など個人店が点在しています。

今の川越を代表するエリア。

この道を入っていったらどこに繋がるんだろう、何か素敵なお店が発見できかもしれない、

そんな期待をさせる道が多く、事実、八幡通りからあえて細道に入っていって散策を楽しむ人も多い。

KONOHAを目的として来る人だけでなく、偶然にも見つけたという人もいたりして、

例えばソコノワさんから歩いて、

この道には何があるんだろうと探検気分で入ってきてKONOHAを発見するというような道のり。

期待させ、期待通りの場所に、期待以上のお店があること。

 

そんな一つの道に入っていくと・・・あの物語の入口が、扉を開けて待っていてくれる。

 

川越八幡宮へ続く八幡通りから、

URRER EAST SIDEさんやCheers for hair aura店さんなどがある建物の角を脇道に入っていく。

すぐに左手に見えるのがKONOHA。店先には看板や植物が置かれていて目印になっています。


 

 

八幡通りから小さな看板が見えるので、

目についてふらっと細道に足を踏み入れてKONOHAにやって来る人もいるそう。

一軒普通の住宅ですが、落ち着きと控え目な佇まいでうらかわに溶け込んでいます。


扉の奥に見えるアージェンタムにリューカデンドロン、ナンキンハゼが

ここに辿り着いた人のまるで案内役のように、迎えていました。

中に入ると、花屋というイメージとは違う、雑貨屋のような

今までどこにもなかったような花屋がそこにありました。

冒頭の年末から、年明けにKONOHAにやって来ると、花の顔触れがまた変わって色味が増えていた。






ここはお店であり、KONOHAの鵜飼さんのアトリエでもあり、いろんな顔を持つ空間。

落ち着いた色合いの花が多く、

そこにある佇まいは、切り花なんだけれどKONOHA自体に植えられているような、

いや、ここでもうずっと前から在ったような自然感がありました。

だから肌が教えてくれるのは、お店の中に入って来たというより、

自然の中、林の中に入ってきたような感覚だということ。

年明けには春の気配が少しずつKONOHAにやって来ていました。

ゼンマイ、スイートピー、ラナンキュラス、シルバーブロニア、アナスタシア、薔薇、麦、

花き市場で彼ら彼女らと目が合い、もちろん鮮度やサイズ感、値段を考えながら、

ピンと感じるものがあった子に、あるいはKONOHAに来たがっている子たちを手に取り連れて帰ってくる。

そこには、単に売れる売れないという計算以上の意思疎通があり、

一つ一つの花を大事にしようとする鵜飼さんの愛情があった。

そうして連れて来た子を、KONOHAを介して、お客さんに連れて行ってもらう、

温もりある生き物のやり取りがそこにはあります。

 

これから暖かくなっていけば、さらにKONOHAには春が入ってきて、

 

ラナンキュラス、スイートピーなどはいろんな色が揃い、さらにヒアシンスにビオラ、

夏になれば葉物が多くなり、秋には実もの、紅葉した葉が多くなり、またこの冬の花に戻ってくる。

そうしてKONOHAは季節で満たされていきます。

 

生花だけでなくドライもあり、さらに、

 

シダーローズ、ハスノミ、モミジバフウ、松ぼっくり、どんぐり、胡桃、ユーカリ、杉、椿といった

実もの葉ものに実の殻もあって、一つから販売しています。








家に飾ったりリースにしたり、ブローチにしたり、いろんな使い方ができるもの。

そしてスターアニスなどを使ったピアス・イヤリングも自身で制作販売している。

KONOHAさんは花屋であり、作家でもあるんです。

だから人によっては、KONOHAを雑貨屋さんとして見る人もいるかもしれない。


お店であり、アトリエでもあると書いたのは、

この場所では鵜飼さんの手によってさまざまな作品が生まれ、

まず、作業場が欲しかった思いから始まったという経緯がありました。


 

 

そして季節は暖かい時季、夏へ。








 

 

KONOHAの鵜飼さんは、小さい頃から自然が好きで、

 

専門学校卒業後、花の仕事として結婚式場専属花屋として働いていました。
新郎新婦と話しをしながら、

入口でゲストを迎える花からメインテーブルに飾る花、ゲストが座るテーブルの花に、

ウェディングブーケ、贈呈の花、式にかかわる花全般を担当していました。

のみならず、

ドレスや髪型、器、テーブルクロスの色まで相手の好みを考慮しコーディネートしていて、

フラワーコーディネーターという枠組みを超えた活躍でした。

そこで8年間働いている間にも、各地のワークショップに講師として呼ばれるようになり、

「花の魅力を感じてもらいたい。花を身近に触れるきっかけになれば」

と各地を飛び回るようになっていった。個別のオーダーも多くなり、

そして、いつしか、自分の作業場が欲しいと願って探しているうちに、

まるで引き寄せられるようにうらかわに辿り着いた。

このお店を構える前からKONOHAとして活動し、イベントに出店することもあり、

2015年10月には、毛呂山町で行われた「いっぷくマルシェ」、

11月には所沢航空記念公園の「暮らすトコロマーケット」に川越のUtakataさんと出店していました。

(いっぷくマルシェ)


 

 

(暮らすトコロマーケット)

Utakataさんとは公私ともに親交があり、

Utakataからの紹介でKONOHAにやって来るお客さんも多いそう。

KONOHA内で使用している什器、木の箱や花瓶などはUtakataのものも見られ、

店内のあちこちに、これはUtakataの!ここにもあった!とあちこちに見つけることができます。

KONOHAに一歩入って時に、一瞬雑貨屋さんのような、

もっと言うとUtakataのようなを空気感を感じたのは、そんなところにも影響があるのかもしれない。

Utakataといえば、古道具・古雑貨のお店としてディープなファンが多いお店、

命短い運命の花たちが、Utakataのアンティークのものに囲まれ、木の箱などに入れられると、

急ぐことなく、ここなら安心できる、と

まるで永い命を手に入れたかのような佇まいで、落ち着いて居るよう。

さらに言うと、安らか表情をしている、とも感じます。

 

だから例えば、スターチスといった昔ながらの花屋で扱っているような、

 

今どきではないある意味レトロな花でも、むしろKONOHAでは輝き出す。

アンティーク雑貨にアンティークのような花が合って、

永く生きているもの愛おしむような感覚がどこまでもありました。

そうだ、Utakataの話しを伺って、ようやくあの感覚が実感に結び付いた。

KONOHAに居ると、自然の中にいるような感じになるのは、

自然にあるもの、林を構成しているものが揃っていたんだ。

Utakataの古い箱は、そのまま長生きしている木であり、

切り花に鉢花もあり、木の実に葉に殻に、全部があるんだ。






また、フラワーアレンジメントのワークショップの講師は川越各地で開催していて、

今川越で最も積極的に動いているのは鵜飼さんかもしれない。

川越のあちこちに呼ばれて講師を務めるようになったのは、
きっかけはお客さんとして通っていた縁から話しが拡がってというパターン。

シボネボルケから始まって、RAG CAFEさんでの教室を開催したのが2013年のことでした。

2013年7月にオープンしたRAG CAFEさんのことは当時記事にしましたが、

あの後しばらくして、RAG CAFE企画の教室が開催する話しは目にしていました。

まさかあの時の講師が鵜飼さんだったとは。。。今になって知って不思議な感慨を覚えます。

ただ、遅かれ早かれいずれどこかで繋がっただろうことは、

そう、うらかわの裏道が、いずれどこかで出会うべくして出会うお店に辿り着くのと同じかもしれない。
他には、定期的な教室としてアトレ川越4Fにある「Circus」さんで月に一度開催し、

CircusさんではKONOHAさんのアクセサリーも販売しています。

Circusさんとの繋がりも、

もともとRAG CAFEに置いていたリースをCircusさんが気に入ってくれて、

お店で教室を開いて欲しいと声をかけられて、とまさに川越らしい数珠つなぎで繋がっていく感じ。

そこからさらに、アトレ川越自体が企画する教室もKONOHAさんが依頼されることが多くなっていった。

他には、昨年は幸町にあるHamano-yaさんでも教室を開催していました。

(「Hamano-ya」ギャラリーと手しごといろいろ

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12054035319.html

また、KONOHA店内で、川越福祉センター オアシスで、三澤屋建設さんにて、

クリスマスリースの教室も開催していました。

川越のいろんなお店とここまで繋がっていっているのは、

鵜飼さんの、はながすきすぎると同時に、ひとがすきすぎるからいろんな人と繋がっているのだと思う。

川越のお店で、店内に飾ってある花がKONOHAさんのものだったという光景はよく見かけ、

特にうらかわテイストのお店の人たちはKONOHAのテイストが大好き。

KIKONOさんにもKONOHAのものが置いてあり、

KONOHAにはKIKONOさんで手に入れたバブーシュがあったりする。

そういう繋がりをふと見つけたりすると、妙に嬉しくなる。

二人はKIKONOのチャレンジショップ時代から繋がっているのだといいます。

(「KIKONO」カゴと帽子、ときどき雑貨。KIKONOの世界は広がっていく

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12011070379.html

仕事で繋がるというより心で繋がっているお店同士で、

tobibakoさんもKONOHAに来ていて、花にアクセサリーにこのテイストを気に入っている。

KONOHAの入り口にある物語の案内役アージェンタムが、

ドライになったら今度はtibibakoに飾られていく予定だそう。

(「tobibako」日々変わる。想像力を楽しむ

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11935719225.html

 

そして、下松原にあるシボネボルケでも花のワークショップを定期的に開催していて、

 

いや、シボネボルケ的な表現で言うと、花部の講師も鵜飼さんは努めています。



(2015年9月シボネボルケ花部より)

シボネボルケでもKONOHAさんのアクセサリーは常時展示販売されています。





 

 

(「かいとりぼん」渚出版第一弾作品集 シボネボルケ左桂もも

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12100929034.html


こんなに花の教室で飛び回る人は川越に他にいないと思います。

KONOHAにとっては人と時間をかけて交流する教室も大事にしていることで、

だからお店の営業は今の所3日間だけとなっているんです。

花がすきすぎる鵜飼さんは、教室では花は見て、触って、匂いを嗅いで、音を聴いて、

一つの花を楽しみ尽くして欲しいと願っています。

 

また、シボネボルケでは月に一度ほど、中庭で、

 

KONOHAさんがたくさんの花を持ってくる出張花屋、「花市」も開かれています。












おや、また別の人が物語の入口から誘い込まれて来たようです。

今度のオーダーは、おばあちゃんの誕生日に花のプレゼントをしたい、と。

KONOHAさんは花に向き合うと、

柔和な表情でリューカデンドロンにゼンマイ、ラナンキュラス、アセボなどを手にしていった。

 

 

 

 





花のギフトを貰った時の相手の笑顔が目に浮かぶよう。

優しく、そして花って素敵だなと思わせるようなアレンジを魅せてくれるKONOHAさんです。

 

今後、KONOHAさんとは川越のイベントでコラボすることもあると思うので、

 

ぜひ楽しみにしていてください。

名残惜しい気持ちが残しながらお店の外に出た、

中から外に出たはずなのに、地続きになっているようで

外と中が境界線がなく繋がっているような感覚になりました。

そうか、それだけ店内が自然だったんだ、

外に出てみて、改めてKONOHAの価値が実感できるようでした。

 

この道には何があるんだろう・・・??

 

胸の底にわくわくが起こって、もうすでに物語は始まっている。

道の角から入っていくと、入口が開いて案内役の花が迎え入れてくれる。

いよいよ、物語に足を踏み入れる。

今日もそこには、はながすきすぎる人がいて、

今日も花に、微笑みかけていた。

 

「KONOHA」
川越市南通町17-15 1階
土~水 10:00~19:00
080-5423-2153
http://floristkonoha.wix.com/konoha

 

 

 

 

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