巻物いっぱいに書き込まれたそれぞれの夢、欲望、野望。
この日一日の楽しさが、目に見える形として最も表されているようでした。
またまた、あの面々がやってくれました。川越で巻き起こした旋風。
その模様をじっくりと振り返ります。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
朝の9時。まだ静けさに覆われた蔵里の広場に、既に何人かのスタッフが集まり始め、
「おはようございます!今日はよろしくです!」と挨拶を交わしている。
今日はこの広場に、一体何人の方が来場してくれるでしょうか。
今年は昨年ほど寒くなく、この気候ならたくさんの方がやって来てくれるはず、と
準備の手に力が入る一堂。
続々とスタッフが集結し、テントを移動、持ち込んだ臼や杵などをセッティングしていきます。
今年もこの表情が蔵里に帰ってきました♪
集まった面々は、細かく分担を決めていなくても、薪をカット、テーブルセッティングなど各人が自分のできることをやり、
有機的に動いていた。
広場に臼が設置されると、レンガの上に竈を乗せ、すぐに火を焚く準備に取り掛かる。
二回目の開催だけあって、みんなの作業はスムーズで流れるように進んでいきます。
昨年からの改善点として、竈は最初から薪の火力でガンガン湯を沸かしていきました。
山のように用意された薪や小枝は、計5回の餅つきにも十分過ぎるくらいの量だった。
今回大量の薪を無償提供してくれたのは、
旧富士見櫓跡がある御嶽神社さんからです。
そして小枝は、ちょっとディープな川越散策「小江戸川越のらり蔵り」スタッフからの提供。
いろんな方々がこのイベントを応援、という域を超えた応援をしてくれていました。
いよいよ薪に火がつき、轟々と竃の炎が燃えさかる。
せいろを乗せ、もち米を蒸かしていきます。
せいろの木の蓋が反ってしまっていたのを、新しい板に変えてくれたのはゆたか建設さんでした。
パチパチと木が爆ぜる音、暖をとりつつ炎の様子が気になって集まるメンバーたち。
11時スタートまであと少し。この調子なら時間通りに始められそうだ、
みんなの表情にやる気がみなぎっていました。
「去年は3回ついて200人が来てくれたよね」
「今年はどうだろう。もっと来てくれるかな」
談笑する声は不安よりも楽しみな気持ちが上回っているようだった。
昨年は初めての開催ということもあり、手探り状態で、
どれだけの人が来てくれるか全く分からない不安があった。
それと比べると今年は二回目、
ある程度は蔵里のもちつき大会のことは認知されているだろうと期待していた。
2015年1月25日に開催したのが、
第2回「小江戸蔵里もちつき大会」です。
2014年1月からこれが2回目の開催。
イベントの告知は川越市の広報のほか、フリーペーパーの「ぱど」にも掲載され、
目にされた方も多かったのではないでしょうか。
主催しているのは、有志で集まった市民ボランティア総勢45人に上がる実行委員会。
去年に引き続き蔵里からオファーを頂き、リーダーが提案に乗って陣頭指揮を執り、
「今年もやるんだね。手伝うよ!」
「楽しそう~♪行く!行く!」
と今年も多くの市民が集まっていきました。
ちなみに前述しましたが、
2014年8月の「川越水かけまつり」の実行委員会ともメンバーは重なっています。
川越にイベントは数多くあれど、手を挙げてくれるボランティアが45人にもなるイベントはそうそうない。
それが、個人主催のイベントならなおさらです。
市民が集まって、営利を目的とせず(もちつき大会も水かけまつりも参加費無料)、
街の真ん中で楽しい事をやりつつ楽しんでもらう。
こういう企画が実現してしまうこと、ボランティアでこれだけ名乗りを上げてくれること、
冷静に考えたら、こんなことができてしまう街は他にないのではないでしょうか。
特に川越水かけまつりは、そのイベントタイトルにはじまり、斬新な内容、細かいディテールは、
他のどの街も真似出来ないようなイベントで、2014年の川越の新たな旋風でした。
なによりリーダーの発想力がずば抜けている。
「次はどんなことを言い出すんだろう??」と周りの人たちは期待して待ち構え、
「そうきたか!」と期待以上のアイディアに沸き立ち、
「じゃあ、それを実現しよう!」といろんな人が形にしようと動き出す。
内輪の遊びで終わらせず、人を巻き込み、街をも巻き込んでいく行動力もまた凄い。
参加することに意義がある、というのはまさにこのイベントのことで、
運営に参加してこそ楽しい、
そのワクワク感がこの実行委員会にはいつもあり、
そしていつも、スタッフが一番楽しんでいる。
お手伝いも一日ずっといなくてはという縛りもなく、
途中参加途中退出自由で、それぞれの都合で参加できるところも気軽さに繋がっていた。
当日スタッフとして行けなくてもなんとか参加したい、
少しでも手伝いたいと突き動かすものがあって、川越のお店の方々から、
「蔵里には行けないけど、これを使って!」とさまざまなものを提供して頂きました。
醤油は松本醤油さんから一升瓶での提供。
もち米15キロはライスセンター金子さんのもの、
大学いも・川越いわたさんからは大学芋の差し入れのみならず、
なんと秘伝の蜜までも提供を受け、これを餅に絡めてメープル味として来場者にお出ししました。
からみ餅に使用する大根は、相沢ファームから。
福原地区で育てられた大根をたくさん提供して頂きました。
昨年も川越のお店にはいろんな協力を頂きましたが、今年は輪がますます広がっていたのを感じた。
楽しそう、それも未だかつてない楽しさ、その唯一無二が街に伝染し巻き込んでいくようだった。
準備がひと段落し、もち米が蒸かされるのをじっと待つ間、
スタッフたちにつかの間の余裕ができ小休止。
衆議院議員小宮山泰子先生は、瓶いっぱいの揚げ餅を作って差し入れてくれました。
昨年夏の水かけまつりでは、女性の部で合戦に参加し、
この餅つきにはスタッフとして駆けつけてくれました。
また、「あったまってください♪今日は一日頑張ってください」と
スタッフのための賄いを作って持参してくれたスタッフもいて、
始まる前の腹ごしらえとしてみんなで温まりました。
前夜から仕込んでミネストローネを作ってきてくれたのは、ビストロ・トキさん。
川越まつりでの限定出店、あるいは、覚えているでしょうか、
かつて旧鶴川座で毎月開催されていたイベント「楽市楽座」に出店し、
ミネストローネを提供していたことを。
あのトキさんの幻のミネストローネが、一日限りの復活を果たしスタッフに振る舞ってくれました。
「美味しい~!」と歓声が上がるスタッフ席。
そのまま味わい、さらに揚げ餅を上に乗せるパターンなどで盛り上がり、
こういう和気あいあい感も、運営に携わるからこそ体験できます。
それぞれが自分のできることを最大限にやる、
市民主導の看板を掲げるイベントは多いですが、この大人数がみんな
ここまでの積極さ献身さで動くイベントはこの会以外には知りません。
昨年の水かけまつりもそうでしたが、この餅つきでもディテールの面白さが他の追随を許さない。
リーダーの今回の飛び抜けた発想力をご覧ください。。。
水かけまつりの時に来場者の方が記念写真に殺到して大好評だったのが・・・
あの顔出しパネルだった・・・
これが・・・もちつき大会では・・・
うん?全く同じじゃないか、と・・・??水かけのを使い回しているだけじゃないか、と??
い、いえ、同じように見えますが全くもって違うものなんです。
「餅」になってます!しかも、紙を餅の形にしている凝りよう。
この川越水かけ餅餅まつりのパネルも好評で、一日を通して記念写真をする人が多かった。
さらに、斬新な福笑いも用意し、列で餅を待っている間に楽しんでもらいました。
そして、自由に書いてもらおうと用意していたのが、「欲望の書」と名付けられた冒頭の巻物だった。
この日の蔵里の広場は、ベーゴマや紙芝居といった催しも行われ、
家族連れが数多く見られました。
子どもたちにとっては、広場のあちこちで楽しいことがいっぱいあり、
まるで遊園地のような日だったかもしれません。
広場を見渡すと、人が集まり出し餅を待つ列が出来ているのが分かる。その数100人以上。
子どもたちも興味深そうに臼の回りに集まってきました。
濃い湯気が立ち上がる竈、辺りに香ばしい香りが漂い始める。
いよいよか。蓋を開けてもち米の状態を確認し、
しっかり蒸かされているのを確かめると、
「よし、いいんじゃないかな。始めよう!」と
11時、予定通りの時刻で餅つきが始まった。
市民が作り上げるイベント、第2回「小江戸蔵里もちつき大会」スタートです。
まずはもち米を潰すため、柄に体重をかけてこねていきます。かなりの力仕事。
ただ、餅つきに慣れているスタッフがたくさんいるので、その姿は頼もしい限り。
十分こねてから、いざ、「ヨイショー!」とついていく。スタッフから掛け声が飛びます。
大人が何人かついて仕上げてから、
最後に子どもたちに餅つき体験してもらいました。これは各回とも実施しました。
子どもたちについてもらったら、すぐに小皿に切り分けていきます。
きな粉、からみ、変り種としてメープルバター、みそ&さつまいも、おこのみソースなどを用意。
この工程は実行委員婦人部が大活躍し、超高速切り分けでお餅を用意していきました。
ちなみに変り種としつつも、メープルはあの大学いも・川越いわたさんの秘伝の蜜であるという本物感。
「変り種が美味しくて、変り種って言うのがもったいないくらいです」
「きな粉まだ残ってるかな」とワクワクしながら列に並ぶ子どもの声。
一番人気はきな粉、そしてからみ、メープルも人気で毎回すぐになくなりました。
意外にもカルボナーラも好評で、あっという間になくなった。
11時からの回が終わると、すぐ次の回の準備を始めるスタッフ。
多くの人が並ぶ列が次回の餅を待ち構えています。休む間もなく動き続けるスタッフたち。
からみのために大根をすり続け、あまりの来場者にその大根が底を尽き、
急遽また大根10本以上を届けてくれた相沢ファームさん。
そして、竈の前は煙が噴き出し、涙を流しながらも火加減をずっと調整し続けていた竈班。
二回目も、また、三回目も四回目も長蛇の列となり、もち米が蒸かし上がるとすぐに次をつき始めました。
こうして、11時から始まった餅つき、5回で計15キロをついて振る舞いました。
今年は気候に恵まれたことが、より来場者数が伸びた一因だったでしょうか。
気候と、また、じっくり蒸かしたこと、つき手も
「昨年は時間かけて蒸かしても硬さがあったけど、今年は凄く柔らかい」
と手応えを振り返っていました。
終わってみれば来場者はなんと、延べ700人!
昨年が200人だったのと比べ、大幅に記録更新しました。
川越各地で餅つきがありましたが、700人というのは川越一だと思います。
今や川越を代表する餅つきイベントとなってしまいました。
そして、餅つき体験してくれた子どもは100人以上、と大いに賑わった一日でした。
たくさんの方に楽しんでもらおうと、必死に動き回ったスタッフ一同。
ですが、慌しい中でも自分たちも楽しもうとしていた裏側があったことはもちろんです。
スタッフの昼ご飯もお餅で、きな粉やからみ?いえいえ、そこはこの実行委員会、
普通には食べません!
来場者に振る舞うものと違い、いかに面白く食べるか競い合うようでした(笑)
揚げ餅の上に餅とチーズをトッピングしたもの。「美味しい~♪」とぱくぱく食べ、
そして、餅の上におかか、チーズ、醤油を垂らしたものも制作。
餅にいわたさんの蜜をかけ、きな粉をまぶした信玄餅風は絶品でした。。。
そうして、テントの中では実は斬新な餅が次々と生まれていた(笑)
終わった後の打ち上げ的にみんなで味わったのも餅で、
スタッフ差し入れのイチゴをトッピングした餅をみんなで最後に分かち合いました。
リーダーから、
「準備不足等でハラハラドキドキの場面があったにも関わらず
最後までやり遂げることが出来たのは
皆様の機転と寛容さがあったからこそだと感謝しております。
本当に、ありがとうございました」
と挨拶があり、締めくくりとなりました。
イベントはスタッフが楽しまないといい雰囲気にならない、
だけどスタッフが心の底から楽しんでいるイベントってそうそうない。
終わった後の感想が、なによりスタッフの充実を表していました。
「今日は接客係をさせて頂いてとっても楽しかったです、ありがとうございました。
早朝から、そして最後まで頑張られた皆さん、本当にお疲れさまでした m(_ _)m
川越はますます良い街になりますね」
この会があることで川越はより楽しくなる。
さあ、これからどんな展開、どんなことをやらかすでしょうか。
楽しいことをやろう、それを合言葉に今年もまた、川越で旋風を巻き起こします♪
第2回「小江戸蔵里もちつき大会」
~Spcial Thanks!~
もち米 ライスセンター金子さん
醤油 松本醤油商店さん
秘伝の蜜 大学いも・川越いわたさん
薪 御嶽神社さん
小枝 小江戸川越のらり蔵りさん
蓋 ゆたか建設さん
大根 相沢ファームさん
ミネストローネ ビストロ・トキさん
and・・・
それではまた、来年お会いしましょう!スタッフ一同お待ちしています!
と、その前に、夏の水かけまつり??
どうぞ、お楽しみに!!