【導入編からの続き】
さて、いよいよ今回の本筋である東京タワーTOKYO DIAMONDO TOUR
の始まりだ。
ここで軽くダイヤモンドツアーについて整理してみよう。
なお、今回は(私的には莫大な)費用を掛けた分気が大きくなっているので所々に鼻につく表現がつい出てしまっているが、一生に一度あるか無いかの体験をしているということで大目に見ていただきたい。
① 東京タワーのトップデッキに登るためのツアー。通常よりもお値段2倍のラグジュアリー感がウリ。
② 1日7回、1時間ごとに開催。1回の定員は10名。当日参加も可能だが予約する方がベター。
③ ツアー特典として参加当日はメインデッキとメープルラウンジ(※)は何度でも利用可能。
※ ツアー客だけが利用できるゴージャスなラウンジ。受付にもなっていてソフトドリンクやお菓子が飲み食べ放題となっている。
私が参加したのは15時からの回なので、15分前くらいに受付を済ませればよいのだが。
折角なのでラウンジで優雅にティータイムと行きましょう!と少し早めの14時過ぎにメープルラウンジに向かった。
チケット売り場で列をなす一般ピーポー(以下「パンピー」)を横目に赤レーンを辿っていった先には・・・
Oh! ゴージャス‼
これがメープルラウンジの入り口である。
時々間違えてコチラに来てしまうパンピーもいらっしゃるが、これから先は選ばれし者のみの空間、踵を返すがよい。
中に入ると直ぐに受付カウンターがあり、晴れ着姿が可愛らしいスタッフさんに事前購入した電子チケットを提示する。
ツアー開始まであと30分余り、正直歩き回って疲れていたので(外階段を往復したし)コーヒーブレイクと行きましょう。
と意気込んでみたものの現時点では客は私一人、小市民として50年余りを生きてきたのでこうしたゴージャスな場は落ち着かず、ソワソワしてしまう
深紅で統一されたゴージャスな空間にソワソワする。
用意されていたお菓子はクッキーとチョコ
で、思わず
「コッソリ鷲掴みして、職場のお土産に・・・」
と思いかけたが、ダイヤモンドツアー客としての品格に欠けそうなのでギリで思いとどまる。
中央テーブルに飾ってあった
やたらピカピカした東京タワーのオブジェ。
ソワソワしているうちに参加客が集まって来た。
良かった~~私一人で変なアテンダントとタイマンだったらどうしよう
とちょっと焦っていたのだ。
後から分かったのだが、この回のツアー参加客はUSAから2組、フィリピンの家族1組、私を含めジャパニーズが2組、計12人程度のメンバーだった。
(なお、私の心配を余所にこの日のダイヤモンドツアーは全回で満席となっていた。)
そうこうしているうちにツアー専属のアテンダント(接客係)が登場!
・・・なんだか赤ワイン片手に「ルネッサ~~ンス!」とか叫び出しそうな貴族感に一抹の不安がよぎる。
幸いなことに(?)髭ヅラでもないし緑色の相方も居ないから大丈夫だとは思うが、彼のことはルイ53世(仮)と呼ぶことにしよう。
そのルイ(仮)は登場早々、テノールで声高らかにカンツォーネを歌い出したではないか!
クラッシック音楽に全く造詣が無いので何の曲かも分からずテキトーな単語を言ってみたが、見事な声量で益々「男爵」にしか見えない。
このルイ(仮)を先頭に、先ずはツアー専用レーンへ。
レーンの先の奥の小部屋で、ルイ(仮)が東京タワーに関する豆知識を披露し始めた。
披露だけなら良いのだが、ルイ(仮)のヤツが時折クイズを挟み込んでくるので油断がならない。
万が一当てられたら・・・と学生時代以来のヒヤヒヤ感を思い出し思わず下を向く。
因みに「東京タワーの年齢は?」のクイズに当てられたUSAの男性は一瞬の迷いもなく
「66th」
と見事な発音で回答していた。
日本人のクセに「ン~~70年くらい??」などといい加減なことを考えていた私が当てられなくて良かった・・・日本人代表として大恥をかくところであった。
続いてエレベーターでメインデッキに向かう。
混雑する時間帯にはパンピーの方々が何十分も並ぶエレベーターだが、金に物を言わせているので待ち時間なく一気に通過する。
メインデッキに着くと、そのままトップデッキへのエレベーターに向かうために、ルイ(仮)を先頭に少し離れた場所まで我々はゾロゾロと行列をなしていった。
正月の観光客で結構ごった返しているメインデッキの中、ルイ(仮)は他の観光客に
「ようこそ東京タワーへ~~!!」
などと上機嫌に声を掛けながら悠々自適に歩いていく・・・明らかに悪目立ちだ。
突然現れた異装の男性に驚く周囲の観光客が「サササッ」と割けていく様は、まるでモーゼの十戒を見ているかのようであった。
時折
「ナニ、あれ・・・」「アレって・・・ダイヤモンドツアーの・・・」
という囁き声が聞こえてくる中、小市民としては堂々と胸を張って歩くことが出来ず少し伏目がちになってしまい、さながら
「遊行する貴族とその臣下たち一行」
という体を醸し出している。
と、ルイ(仮)が急に足を止めた先に待ち構えていたのは
正に「ルネッサ~~ンス!」
居んのかよ、相方!!
もう完全に「ルネッサンス」じゃん!!
メインデッキの一角に突如として現れた彼、ルイ(仮)が名前を呼んでいたような気がするが衝撃のあまり覚えていないのでシチュエーション上ヒグチ君(仮)と呼ぶことにしよう(緑じゃなくて赤白だけど)。
ここで暫くルイ(仮)とヒグチ君(仮)の掛け合いが続くのだが、とにかく逆光で眩しすぎる。
他にもっと良いポジショニングは出来なかったのかよ、ヒグチ君(仮)。
まぁ我々が到着するまでの間、彼がこの場所で他の観光客から奇異の目で見られながらスタンバっていたことを考えると同情の余地はある、あまり責めるのはやめよう。
このメインデッキではルイ(仮)の大名行列と髭男爵コンビの掛け合い漫才(?)のみで、景色を眺める時間は殆どない。
ここも待ち時間ゼロでトップデッキ行のエレベーターへ乗り込む。
エレベーターが着いたのは、トップデッキとの中間地点にある紅葉館と呼ばれるエリア。
現在、東京タワーが建っている場所にはかつて紅葉館と呼ばれる社交場があり、それを模しているんだそうな。
ハッキリ言って、狭い。
ココでツアー客は各組ごとに記念写真を撮ってもらえる。
出来上がった写真はお土産になるのだ。
またドリンクサービスもあり、ジュースなどの他お猪口1杯分くらいの赤・白ワインも頂ける。
私はもちろん赤ワインを所望した。
何せ男爵の案内なのだ、気分はルネッサンス!である。
この紅葉館から、最終目的地であるトップデッキ行きのエレベーターに乗ることになる。
ルイ(仮)ともここでお別れだ・・・ナンダカンダ言ったけど、楽しかったよルイ(仮)
エレベーターには数名しか乗れないため、赤ワインを片手に順番を待つ。
と、ルイ(仮)が私の前のUSA客に折り紙(3D鶴)をプレゼント。
更には私の後ろのフィリピンの女の子にも3D富士山の折り紙が。
「折り紙は海外の人には珍しい」と言うから配っているのか、ルイ(仮)のヤツも粋なことをするぜ・・・と思っていたら、なんと彼は「今年の干支です」と私にも折り紙をくれたのだ。
2Dやな~いか~~い!!
鶴とか富士山とか3Dなのに、メッチャ2Dやな~いか~~~い!!
まぁ良く出来ているしさ、海外の人に「日本では今年はスネークイヤーで・・・」とか説明するのもメンド臭い気持ちも分からんでもないしさ、イイんだけど。
そうこうしているうちにトップデッキに到着。
ここでツアーは終了となるのだが、トップデッキは自由滞在なので気が済むまで観光できる。
また、トップデッキには何もないので飽きたらメインデッキに降りてそこで買い物や食事をしても良い、という寸法だ(但し一端降りてしまうとトップデッキには戻れないらしい)。
取り敢えず景色でも見るか、と歩き出すと目の前にメインデッキにいたヒグチ君(仮)が!
オマエ、先回りして来たのかよ・・・と思わんでもなかったが、ヒグチ君(仮)が親切にも写真を撮ってくれるというのでお願いした。
窓ガラスに「TOKYO DIAMOND TOUR」の文字と今日の日付が入っている。
写真を撮ってくれたヒグチ君(仮)が「輝いてますよ!」とオセジを言ってくれた。
そりゃそうだろう、メチャ逆光ですから、と可愛いげのない返しをして彼と別れる。
トップデッキからの眺め。
150mのメインデッキと250mのトップデッキでは余り風景に差はないから、トップデッキは行かなくても良い、という感想をどこかのブログで読んだ気がするが、さすがに100m登ってくると景色の違いは歴然としている。
トップデッキからはかなり遠方まで見渡せるのだ、何よりアリンコの様にセコセコと動き回る人や車を高みから睥睨するのは気分が良い
さて、私が今回のダイヤモンドツアーを15時開始に設定したのにはある理由があった。
トップデッキでサンセット、つまりは日没を見たかったのだ。
この日の日没は16:50頃。
少し早めに到着すれば、明るいうちの景色から夜景まで拝めるであろう、という目論見があった。
ツアーの開始が15:00で、トップデッキ到着が15:30。
日没まで1時間半近くあるが、展望台をゆっくり回って待つとしよう。
各方角ごとに景色の説明が聞けるQRコードが設置してあって、それを読み込み聞いているとまぁまぁ時間がつぶせるのだ。
各所の窓にはこんなサービスも描かれている。
やたらピカピカした鏡張りのデッキの通路。
トップデッキはパンピーの方々も登ってくるので、同じように日没を狙ってきた観光客で狭いデッキが混雑してきた。
日没の方向を陣取り、立ち尽くして待って見えた景色がコチラ。
ちょっと雲が多かったが、東京の町並みがオレンジ色に染まる様はなかなか見応えがある
日没後のマジック・アワーも格別
夜は廊下のライトも色が変わる。
さて、さすがに夜景を見るのも飽きてきたし、メインデッキ経由で地上に戻るか・・・と、下りエレベーターはソコソコの列になっている。
でも私は何と言ってもダイヤモンドだしね、優先してもらえるかも
!と鼻高々にエレベーター担当のお姉さんに声を掛けると。
「列の最後尾に並んでください」
・・・私のダイヤモンドの威力は、トップデッキ到着とともに消滅したのである。
でもさぁ、「東京タワーのおもてなしの粋を結集させた」と豪語するダイヤモンドツアーだよ、せめて最後までVIP扱いしてくれてもいいんじゃないの?
この後、メインデッキの下りエレベーターでも長蛇の列に巻き込まれたことは言うまでもない。
なお、タワーを去る前には紅葉館で撮影した記念写真をメープルラウンジで受け取ることを忘れてはいけない。
以上がダイヤモンドツアーの全貌である。
肝心の「通常のトップデッキツアーの倍額を出すだけの価値があるか?」という点については、人それぞれというところか
個人的には「迷ってるなら一度くらいは経験してみても良いかもよ」といったおススメ度合いである・・・まぁダイヤモンドツアーじゃなくても、折角東京タワーまで行ったのならトップデッキは是非登って欲しい。
強いて言うなら、もう少しゆっくり&量多めでお酒が飲めたら良かったなぁ・・・
【オマケ】
メインデッキにある「足元が透けて見える床」。
カップルの女子が「きゃ~私、無理かもしれない」とかホザいているのを尻目にガンガン上に乗りまくる人生経験豊かな50代女子。
ライトアップされた夜の東京タワーも良い。
今回のツアーのおさらい(タイムライン)
14:30 メープルラウンジで受付 → ティータイム(ドリンク&お菓子付き)
15:00 ツアー開始
15:30 メインデッキ・紅葉館経由でトップデッキ到着(解散)
16:50 トップデッキでサンセット
17:40 メープルラウンジ帰着
ツアーのポイント
〇 ツアー前でもメインデッキに登ることは可能だが、基本はメープルラウンジで受付をした後(11時以降)となる。
〇 ツアーが開始するとトップデッキまではノンストップ。トップデッキ到着後からが自由時間。
〇 トップデッキまでの行きはVIP扱いだが帰りはパンピーに格下げとなるので、混雑する時間帯は下りエレベーターの待ち時間を考慮すること。
〇 専用アテンダントは複数名いるようなので、髭男爵コンビが担当するとは限らない。