COPE (KU Plankton Lab) -25ページ目

COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

9月末には、担当している演習科目(水産統計学演習)の集中講義があります。5限×3日間の合計15回になります。

面白いことに、この3日間という時間は受講生によってちがうみたいで、3日間ずっと「幽閉される」と思う人もいれば、たった3日間で「単位がとれる」と考える人もいます。捉え方・考え方というのはそれぞれでいいのですが、決してハードルの高い授業ではないので、どうせならこの時間を有意義に使うようにしたほうがよいのでは?とおもいました。

その1つが、これ。

ちょうど宇宙センターからロケット発射になるのがこの授業中となり、せっかくなので発射予定時刻に休み時間をあわせ、ロケット発射をみることにしました。私はこのことを知らなかったので、タイミングがよかったです。漁協訪問の時に宇宙センターにたちよっているので、あそこから発射されることを想像しながら、今回は端末室のオンライン配信でみることにしました。ご当地では、馬毛島基地工事と相まって、宿泊・レンタカー予約がしにくいので、こうやってオンライン配信でみれるのはありがたいことですね。昔、鹿児島県庁のてっぺんから、夜空に閃光を放ちながら飛んでいくロケットも壮観でした。これって、鹿児島にいるからこその体験ですよね。

授業では、ほとんどの受講生がまじめに受けてくれました。これは良い例だなとおもって、画像撮影させてもらいました。どこに何が示されているかがすぐさまに検索できるように目印がついており、巻末には要点メモがまとめてあります。国際学会に出席した時に、ハワイ大学を訪問したことがあります。海外の大学では先輩たちの使った教科書がリサイクルされて販売されています。かなりポピュラーなのですが、それは値段ではなくて(決して安くはない)、先輩たちがまとめた印がついているからです。膨大な情報から大切なところに印がついているので、予習するときにとても便利なのです。私は、国際学会に参加したときにはなるべく大学を訪問して、ブックストアを覗きます。授業でも、海外で仕入れた中古本の中からネタを出しています。ま、これも考え方・捉え方次第ってやつですね。新しいテキストよりも、安くて便利。

こんばんは。主宰です。

 

台風接近で延期になっていた、北薩地方の漁協訪問にいってきました。

うちの研究室ではブリ類養殖の安定種苗確保のために、モジャコ漁のスマート化技術開発をしています。漁師からの相談を受けて始まったプロジェクト研究ですが、サポートしてくれる学生さんのおかげで順調に進んでいます。一昨年度は技術開発のための情報収集、昨年度は技術開発と社会実装、今年度は社会実装されたモジャコ漁支援ツールの効果に取り組んでいます。昨年度から、この研究課題を担当してくれるつむちゃんが来てくれて、私としては大助かりです。

漁師さんの中にはこの取り組みにネガティブなかたやおっかないかたもおられるのですが、そんなかたがたにも優しく説明してくれる学生さんがいるとその場の雰囲気が和やかになるので、私としては助かるんです。つむちゃんは特に適任ですね。今回は、この夏に訪問できてなかった、北さつま漁協、東町漁協をまわることにしました。

東町漁協には、直営の食堂があります。地元で養殖したブリ・カンパチ・サバを使った定食が提供されており、漁協職員・漁師だけでなく、地元の方々や旅行でいらっしゃった方々も来店して繁盛しています。私はブリ・カンパチのおさしみはいただいたことがあったので、今回はフライを選びました。有難いことにブリのおさしみ付です。サクサク・フワフワでかなり美味しかったです。おさしみはもちろん絶品ですが、熱を通すと旨味・風味が強くなって、ビールが飲みたくなりました。でも車で来ているのでぐっとがまん。

つむちゃんのおかげで、北さつま漁協・東町漁協とも、和やかな雰囲気で会議を終えることができ、漁師さんたちもかなり協力的でした。もっとよい製品を作って、漁師さんによい情報をお届けしたいとおもっています。近々、流れ藻・モジャコウェブサイトは漁師さんからのご要望によりアップデートする予定です。

 

流れ藻&モジャコ研究プロジェクト【鹿児島大学水産学部 水圏科学分野】 (kagoshima-u.ac.jp)

 

2つの漁協をまわって少々時間があったので、行人岳にいってみました。昨年度もこちらに来ましたが、その時にはお弁当を持参して、みんなでここでランチをしたところです。確かブログでも紹介しましたね。

この日も良く晴れて、八代海が遠くまでみえました。海の向こう側には水俣市がみえます。水俣病総合研究センターでも会議があったので、そちらにも赴きました。

ここに勤務している吉野くんは、学生時代の後輩で、昔よく飲んだ仲間です。学生時代ではどことなく頼りない感じだったものの、現職ではしっかりと調査研究をしている様子です。この研究所にはたくさんの研究機器があって、将来的には水産学部の東町ステーションとこちらの研究施設を有効に利用すれば、かなりの研究ができるかもしれないとおもいました。

これで、おおかた漁協訪問が終わりました。これから、漁協訪問で採取したアンケート情報を使って、データ解析を進めていきます。進捗があったら、こちらで報告したいとおもいます。

 

こんばんは。主宰です。

 

いよいよ、口頭発表がつづく日となりました。この大会では、修論生3人をつれてきています。あやねちゃんは動物プランクトンや消化管内容物解析して食物網を描いた内容

まあくんは動物プランクトンの現存量・生産力・分類群組成を解析して黒潮への移流の影響を議論した内容

なおちゃんは動物プランクトンの脂肪酸組成を解析して魚類の餌としての質を評価した内容です。

いずれも、新しい視点・アイデアを含んでおり、高品質で膨大なデータにより、だれもが興味をもてるストーリーテリングなので、私としてはたいへん自慢の学生たちです。いずれの発表でもたくさんのおたずねやコメントをもらうことができ、全国的には十分アピールできたと考えています。

こちらは発表後の様子。十分やりきったので、安堵の様子が伺えます。修論生たちの発表当日には、懇親会が企画されていました。宍道湖の大根島にある由志園が会場で、日本庭園がとても素晴らしいところでした。実行委員会のおもてなしにたいへん感激しました。

日本庭園はどこも苔むしていて、この猛暑でも丁寧な手入れがなされていることが伺えました。そのため、あちこちにキノコがはえていて、一宮さんは萌え萌え。企画としては日本庭園を楽しんでもらうはずだったとおもいますが、キノコを楽しんでました。まぁ、楽しめれば何だっていいですけどね。

懇親会前には、地元の方々による神楽が披露されました。演題は「やまたのおろち」。広島での国際学会でも見ていたので、全体的なストーリーは理解できていました。ただ、こちらのほうがたいへん分かりやすく構成されており、本来の神楽らしい演出でした。特に、おろちの生贄となる娘と老夫婦との別れのシーンでは、別れがたい感情が繊細に表現されていて非常によかったです。

懇親会では、丁寧に調理された和食がならび、どれもたいへん美味しかったです。ただ、今回は懐かしい方々が多く参加されていたので、会話に夢中になってしまい、あまりたべられなかったです。懇親会ってそういうものですよね。修論生たちが心配でしたが、若手研究者のかたがたと発表内容についておはなしさせてもらったり、乗船で一緒だった熊本県立大学の学生さんたちとおはなしできたみたいです。

今回の学会参加はかなり楽しめましたが、他大学の学生さんや熟練研究者の発表を見ていていろんなことを考えさせられました。後でも確認できるように、備忘録として残しておこうとおもいます。

  1. 熟練研究者たるもの、新しい視点・発想・アイデアあふれる研究を模索すべきだとおもいました。今回衝撃を受けた発表が2つあり、1つはスギ花粉がプランクトン食物網においてかなり大きな影響があることを示した発表、もう1つは工業的に利用されている機械を使ってプランクトンの生態を解明する技術開発の発表です。これまでになかったこういうアイデアが、新しい世界を創造するんだろうなぁとおもいました。今の自分では、とうていかなわない研究視点だとおもいました。
  2. 楽しそうに「それでね、それでね」って説明している学生さんたちの発表が印象的でした。研究発表の練習ではついつい技術的な点、詳細な点を指摘しがちになるのはよくないとおもいました。どちらかというと、ストーリーテリング・ストーリー展開の整理をアドバイスし、楽しそうに説明しようとしているところはなるべく活かすようにしないと、学生による発表のよさを失ってしまうとおもいました。

こんばんは。主宰です。

 

松江にある島根大学で、日本プランクトン・ベントス学会合同大会が開催されました。この大会は、仲村さん(島根大学)・大竹さん(京都大学)・山田さん(福井県立大学)などの若手が実行委員会となって開催するので、少しでも応援したくて修論生をつれて参加することにしました。

山陰地方に用務がほとんどないので、絶好の機会となりました。山陰本線がはしっているので福岡あたりから電車に乗っていけばいつか着くでしょとおもっていたのですが、大間違い。たいへん交通の便がよくないところでした。幸い、直前に東京海洋大学での用務が入ったので飛行機で出雲空港へ飛ぶことにし、松江近くまではいけました。ただ、そこからもやや遠く、バスに乗って出雲大社近くまで行き、そこから電車に乗って松江に入るということになりました。10月になると、日本中の神様が出雲大社に集まって出雲大社に入るので、神無月というのだそうです。

プランクトン学会の評議会があるので、そちらへ参加します。肝心の口頭発表報告についてはまた次回に。


 

こんばんは。主宰です。

 

我々の研究室では、動物プランクトンの脂肪酸分析を行っています。しかし、含まれる脂肪酸が微量なので、うちの水産学部ではとても分析できるレベルにはありません。このため、東京海洋大学の壁谷さんの研究室に伺って、脂肪酸分析をしています。先月からお世話になっておりデータ解析中ですが、プレリミナリな解析結果をみるとうまくいってそうです。そこで、論文発表・学会発表にむけて本格的な分析を開始することにしました。なかなか時間がないので、先になおちゃんに海洋大へいってもらい、分析をしてもらうことにしました。独りでさせることには不安もありましたが、壁谷さんや研究室の学生さんたちが親切にしてくれて、100検体ほどの分析を完了することができました。

なおちゃんも、随分とがんばってくれてありがとうございます。どのような結果になるのか、楽しみです。10月にはかごしま丸乗船実習がありますが、今度は我々が壁谷さんの研究室で必要な標本を採取する予定です。よい研究成果につながるように、高品質な標本を確保したいです。