日本プランクトン・ベントス学会合同大会@松江(その2) | COPE (KU Plankton Lab)

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絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

いよいよ、口頭発表がつづく日となりました。この大会では、修論生3人をつれてきています。あやねちゃんは動物プランクトンや消化管内容物解析して食物網を描いた内容

まあくんは動物プランクトンの現存量・生産力・分類群組成を解析して黒潮への移流の影響を議論した内容

なおちゃんは動物プランクトンの脂肪酸組成を解析して魚類の餌としての質を評価した内容です。

いずれも、新しい視点・アイデアを含んでおり、高品質で膨大なデータにより、だれもが興味をもてるストーリーテリングなので、私としてはたいへん自慢の学生たちです。いずれの発表でもたくさんのおたずねやコメントをもらうことができ、全国的には十分アピールできたと考えています。

こちらは発表後の様子。十分やりきったので、安堵の様子が伺えます。修論生たちの発表当日には、懇親会が企画されていました。宍道湖の大根島にある由志園が会場で、日本庭園がとても素晴らしいところでした。実行委員会のおもてなしにたいへん感激しました。

日本庭園はどこも苔むしていて、この猛暑でも丁寧な手入れがなされていることが伺えました。そのため、あちこちにキノコがはえていて、一宮さんは萌え萌え。企画としては日本庭園を楽しんでもらうはずだったとおもいますが、キノコを楽しんでました。まぁ、楽しめれば何だっていいですけどね。

懇親会前には、地元の方々による神楽が披露されました。演題は「やまたのおろち」。広島での国際学会でも見ていたので、全体的なストーリーは理解できていました。ただ、こちらのほうがたいへん分かりやすく構成されており、本来の神楽らしい演出でした。特に、おろちの生贄となる娘と老夫婦との別れのシーンでは、別れがたい感情が繊細に表現されていて非常によかったです。

懇親会では、丁寧に調理された和食がならび、どれもたいへん美味しかったです。ただ、今回は懐かしい方々が多く参加されていたので、会話に夢中になってしまい、あまりたべられなかったです。懇親会ってそういうものですよね。修論生たちが心配でしたが、若手研究者のかたがたと発表内容についておはなしさせてもらったり、乗船で一緒だった熊本県立大学の学生さんたちとおはなしできたみたいです。

今回の学会参加はかなり楽しめましたが、他大学の学生さんや熟練研究者の発表を見ていていろんなことを考えさせられました。後でも確認できるように、備忘録として残しておこうとおもいます。

  1. 熟練研究者たるもの、新しい視点・発想・アイデアあふれる研究を模索すべきだとおもいました。今回衝撃を受けた発表が2つあり、1つはスギ花粉がプランクトン食物網においてかなり大きな影響があることを示した発表、もう1つは工業的に利用されている機械を使ってプランクトンの生態を解明する技術開発の発表です。これまでになかったこういうアイデアが、新しい世界を創造するんだろうなぁとおもいました。今の自分では、とうていかなわない研究視点だとおもいました。
  2. 楽しそうに「それでね、それでね」って説明している学生さんたちの発表が印象的でした。研究発表の練習ではついつい技術的な点、詳細な点を指摘しがちになるのはよくないとおもいました。どちらかというと、ストーリーテリング・ストーリー展開の整理をアドバイスし、楽しそうに説明しようとしているところはなるべく活かすようにしないと、学生による発表のよさを失ってしまうとおもいました。