トリマにより溝彫りをする際は,一気に目的の深さまで彫らないで,何段階かに分けて彫り進めた方が安定してできます。例えば目的の深さが10 mmの場合は,3 mm,6 mm,10 mmと3段階に分けて彫るのが良いです。このようにビットの出を調整するのは簡単にできるのが良いです。そこで,角材にあらかじめ,それらの深さまで彫ったものを用意し,そこまで当たるようにビットを上げて固定します。
上の写真はこれまでに作製したスケールを用いました。幅が少し狭いので,このジグ専用に新たなスケールを作製しました。
前の記事で溝彫りユニットにスリットを入れたことを書きました。そのスリットを通して,本体にねじ留めします。そのため,本体に穴を開け,ねじ込み式鬼目ナットをセットしました。M5用鬼目ナットを取り付けるための穴の径は7.7 mm~8.0 mmとされていました。鬼目ナットでひれ状のネジ部を除く芯の径を測ると7.7 mmでした。8.0 mmまでが許容範囲と言えます。下限の7.7 mmならがたつきなしにセットできます。ただ径が半端なのでその径のドリル刃の手持ちはありません。ホームセンターで購入しました。それで穴を開け鬼目ナットを締めこむとぴたりとセットできました。
溝彫りユニットを本体に重ね,平ワッシャーを入れたビスを締めました。これで前後どこででも固定できるようになりました。
トリマ溝彫りユニットを本体上でスライドして,目的位置にセットした後,本体に締め付けるための機構を作ることにしました。溝彫りユニットをスライド後どの位置でも締め付けられるようにするため,溝彫りユニット側にはスリットを切り込みます。この加工はトリマで行いました。左側と右側には,溝彫りユニットを前後にスライドした時,左右に振れないようにする角材が取り付けてあります。トリマベースを左または右の角材にに沿わせることにより,左側と右側にスリットを作りました。スリットの前後の端を決めるため,前後にもストッパーを設置しました。なお,トリマは溝彫りユニットを少しはみ出した部分まで動かすので,溝彫りユニットと同じ厚さの板を並べました(写真奥)。
写真は,トリマベースを右側の角材に沿わせてスリットを作製しているところです。左側はすでに作製済みです。このスリット作製は軽く溝彫りできるよう3段階に分けて行いました。3 mm, 6 mm, 貫通です。
できた2本のスリットです。今後,本体にねじ受けを作る予定です。M5用のねじ込み式鬼目ナットを用います。
夜出かけていた時です。携帯に我が家のAI防犯カメラからメッセージが入りました。「玄関先で火が燃えている様子です」とのことです。ちょっと焦りました。リモートで画像を見ると,ガレージが赤っぽかったです。カメラの向きを家に向けると,玄関のガラスが赤っぽく見えました。家の中で火が出ているとも思わせるような色でした。慌てて近所の人に電話をして見ていただきました。幸い火は出ていませんでした。最近は照明がLEDになり,白色が多いです。この中で門灯だけが古い電灯だったので,比較して赤っぽかったのです。それがガレージを照らして火のような色になっていたのです。この日は雨でした。光がちょっとふらついたのでしょう。おまけに通った車のライトが移動して動いたのも,AIが火と見誤る原因となったのだと思います。玄関のガラスはガレージの明かりが反射しているものでした。別の日には,門の外を歩いている人を検出して,「誰かが庭を歩いているようです」とのメッセージが入ったことがあります。AIはまだまだですね。
木材にはタップでねじ山をつくることはできないのでボルトを締めたいときは,木材に取り付けることのできる爪付きナットや鬼目ナットを用います。爪付きナットは,締めた状態では安定ですが,ボルトを締めようと当てるとき押されて外れてしまうことがあります。ジグ等でボルトを付けたり外したりするには不適当です。
打ち込み式鬼目ナットというのもあります(スケッチ左)。これはラッチ状ひれが付いていて,たたき込んだ側には戻りにくくなるように作られています。しかし,強くねじ留めすると引っかかっている木材を削るようにして抜けてしまいました。反対側には楽に抜けてしまいます。その対策としては,打ち込む側から鬼目ナットの長さ分はたたき込めるだけの径の穴を開け,それより先はそれより細く,ボルトが通る程度の径の穴にしました。これでたたき込んだのと反対側からボルトを締めても抜けることがなくなりました。しかし,鬼目ナットの長さとほぼ同じ厚さの板には適用できません。
そこで今回用いたのは,ねじ込み式鬼目ナットです。外周にねじの薄いひれが出ています。ねじ込みできるよう,穴の入り口付近には六角レンチで回せるようになっています。外がねじで中もボルトのねじになっているので使っているうちに回って抜けてくるのではないかと思いましたが,径が違うのと,締めるときにひれが木材に強く当たることなどから,その心配はなさそうです。
(左:打ち込み式,右:ねじ込み式)
上押さえの角材を被加工材の高さに合わせて固定します。前回のテストではクランプで固定して行いました。ずっと使うには,固定機構を付けたいです。固定位置を調整するためにはねじ穴をスリット状にしてどこでも留められるようにする必要があります。そこでスリットを開けました。スリットの両端にφ7のドリル穴を開け,共通接線をマルチツールで開けました。マルチツールを使う場合,スリットの向きは水平にする必要があります。スリットの向きを水平にして固定するには,板単体が良いのですが,すでに組み立ててあります。そこで固定法を考える必要がありました。
スリットの方向を水平にして固定するのに,縦板を垂直に固定するための2×4材による直角三角形の部分を使いました。作業台に2×4材の切り端を2つ重ねて浮かせました。マルチツールの刃の位置に合わせるためです。2つのクランプで作業台に締め付けました。写真右側のF型クランプはそのまま使えましたが,左側はF型クランプが届きません。そこで,直角三角形の手前に同じ厚さの板(写真手前の端に緑の印をつけたもの)を置き,もう一つの角材で橋渡ししました。橋の中央をF型クランプで締めることにより直角三角形の部分も固定されます。
写真は実際の置き方から手前に90°倒した状態です。のこぎりの入っている板は,スライドできる底面になります。のこぎりの左に縦に入っているスリットはトリマを通してできたものです。トリマによる切りくずはこのスリットを通って集塵されます。狭いので切りくずが効率よく吸われるよう,のこぎりでV字型に切り込みました。
実際に溝彫り加工をしてみました。被加工材は下部ユニットの上に載り,上部ユニット縦板,上押さえ,前押さえに囲まれていて,写真の手前から奥の方にしか動きません。トリマビットは下部ユニットから被加工材の中央付近に出ています。トリマを回しながら,被加工材を押し込むことで溝が彫られます。実際にこれで被加工材を彫ると,木屑はほとんど飛び散りませんでした。現在,押さえはF型クランプで留めています。以降ねじ留めできるよう,改良を進めたいと思います。
彫られた角材です。きれいに溝が彫られました。木くずも出ないし,安定に彫られるので,今後溝彫りのメインになりそうです。
前に,電動工具のいくつかのジグについての集塵効率の話をしました。その中であられ組ジグが最も効率の良いことが分かりました。ここでは,あられ組ジグを溝彫りジグとしても使えるようにするアダプタの作製を始めました。あられ組ジグの集塵効率が高いのは,集塵ホースの口が常にトリマのビットの近くにあるからです。あられ組ジグでは,トリマを取り付ける部位と被加工材をセットしスライドする部位からなります。今回は後者の部位を溝彫り用の部位として新たに作製します。まずは,スライドさせる底面が左右にぶれないようにするストッパー(20×20 mm角材)を取り付け,底面に垂直な板を取り付けました。垂直になるよう,1×4材を二等辺直角三角形に切り出し,垂直な板を支えるようにしました。今度どのようにしたらよいか,作製しながら考えたいと思います。
前に,サンダはスイッチを切っても惰性で動いていて作業台に置くと動き回ってしまうことを述べ,その対策の実験について書きました。今回は,実際に使うためのサンダ受けを作製しました。
サンダの先の方を掛けるのはφ10のアルミ管です。サンダがずれ落ちないよう,アルミ管の先端には,φ20の丸棒を短く切り,中央にφ10の穴を開けたものを挿しこみ,ボンドで固定しました。一辺が20 mmの角棒の端からφ10の穴を深く開け,アルミ管を挿しこみました。これが抜けないよう,1か所ねじ留めしました。ねじの位置のアルミ管にはあらかじめねじの挿さる穴を開けておきました。
サンダの後ろ側を支えるのは一辺が20 mmの角棒です。先端には木材の小片をねじ留めし,こちらからもサンダが滑り落ちないようにしました。これらを作業台にF型クランプで固定して出来上がりです。ここにサンダを掛けると,惰性だけではなくスイッチONのままでも安定して置くことができるようになりました。