みなさんこんにちは、健太です!


皆さんは、かつて地球上に体長40cmほどの巨大トンボがいたと言えば、信じられるでしょうか?


実は、今から3億年ほど前の石炭紀(3億5920万年前から2億9900万年前)には、そのような巨大トンボが実在していたと考えられています。


そして、その巨大トンボというのが、今回の主役であるメガネウラです。


この記事では、そんな巨大生物に焦点を当てながら、彼らの巨大化の秘密に迫ります。


メガネウラとはどんな生物? 



恐竜が現れる7000万年前の時代石炭紀


この時代の湿地には、今では考えられないような生物が生息していました。


そんな生物の代表例がメガネウラです。


メガネウラという生物は、先程も述べたように40cmほどの大きさがあります。


例えるなら、大人のヒトの肘から指先までの長さに匹敵する大きさです!


そして、現在のトンボと比較して、その大きさが大きく異なるだけでなく、メガネウラは優れたハンターの素質も備えていました。


鋭い顎を持ち、脚は鉤状になっており、頭は自由に動かすことが出来たのです。


さらに、両側に付いている翅は個別に動かすことができ、鋭敏な飛行も可能でした。


実際、どれくらい鋭敏な飛行が可能だったかというと、理論的には最大で時速70kmものスピードで飛行できたようですよ。


他にも、メガネウラのもつ巨大な複眼は、背後を見たり、対象までの距離を把握するのに役立っていたようです。


このように、メガネウラは確実にハンターとしての特徴を備えており、さらに、逃げ切るのが不可能な速度で獲物を襲っていたのかもしれません。


なぜそれほど巨大なのか? 



では、なぜメガネウラはそれほど巨大になることが出来たのでしょうか?


その答えのヒントとなるのが、その当時の大気中の酸素濃度です。


その当時の大気には、最大で35%もの酸素が含まれていたと考えられています。


現在の地球の大気の酸素濃度はおよそ20%ほどですから、今と比べて、かなり多くの酸素が存在していたことが分かります。


そして、この酸素の多さこそ、昆虫の巨大化を可能にしたのではないかと言われているのです。


そもそも、メガネウラのような節足動物には肺がなく、気管というパイプを通して呼吸をしていますが、取り込んだ酸素は、空気によって全身へと運ばれていくのです。


空気によって酸素が全身に運ばれるとはどういうことかと疑問に思われた方もいるでしょう。


これは要するに、酸素は濃度の高いところから低いところへと流れていくという意味です。


つまり、メガネウラの体内の酸素濃度よりも、体外の酸素濃度の方が高ければ、酸素は体内へと入って来ることになります。


また、気体は濃度の高いところと低いところの差が大きいほど勢いよく流れるものです。


つまり、大気中の酸素の濃度が高いほど、気管に大量の酸素が入り込み、全身へと酸素が運ばれていくわけです。


酸素は、濃度の高い方→低い方へと流れる


濃度の高いところと低いところの差が大きいほど、気体は勢いよく流れる



石炭紀の大気中の酸素の量であれば、メガネウラのような巨大な生物でも全身に酸素を行き渡らせることが出来たでしょう。


つまり、石炭紀に巨大な生物が多かったのは、大気中の酸素が多かったため、体が多少大きくても問題なく全身に酸素を運べたからだと言えます。


一方で、現在の大気中の酸素量では、彼らにとっ
て、酸素を全身へと運ぶには少なすぎるはずです。


そのため、彼らが現在の世界で巨大化しようとすれば、全身に酸素が行き渡らず、窒息してしまう可能性があります。


現代に巨大な昆虫が少ないのは、酸素量の制限があったからなんですね。


このように、生物は大気中の酸素量に応じた生活をしているのです。




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【画像引用元】
表紙;「60代から始める低山歩き」より


参考文献

羽毛恐竜と巨大昆虫
著者:福井県立大学 恐竜学研究所
出版社:ナショナルジグラジオグラフィック


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