オスとメスはなぜ存在しているのでしょうか?
生物の進化は、オスとメスという性を発明しただけではなく、死も発明しました。
オスとメスがいるのは、子孫を残すためだと思われるかもしれませんが、
オスとメスがいなくても、子孫を残すことは可能です。
実際、単細胞生物には、オスとメスの区別はなく、単純に細胞分裂することで増えます。
細胞分裂で増える際は、元の個体をコピーして、新たな個体を生み出すので、
どんなに増えたとしても、元の個体と同じ性質の個体が生まれます。
しかし、すべての個体が同じ性質をもった個体であれば、環境が変化して、生存に適さない環境になると、全滅する可能性があります。
ですが、さまざまな性質をもった個体がいれば、どうでしょうか?
環境が変化しても、適応できる個体がいるかもしれません。
そうすれば、生き残る個体が存在するため、種としては、絶滅せずに済むのです。
よって、同じ性質の個体が増えていくよりも、性質の異なる個体を増やした方が、生き残るためには有利です。
では、どうすれば、性質の異なる個体を生み出すことができるのでしょうか?
それは、自分にない遺伝子をもった個体と、遺伝子を交換すればいいのです。
グループを作って、異なるグループと交わるようにすれば、効率が良くなります。
そして、この異なるグループというのに、それぞれオスとメスが対応します。
オスとメスというグループを作ることで、より遺伝子の交換が効率的になるのです。
死の発明
死の発明は、38億年に及ぶ生命の歴史の中で、大事件ではないでしょうか。
これまでは、1つの命がコピーをして増えていくだけで、環境の変化に対応できませんでした。
そらに、そのコピーの過程で、ミスが起こり、劣化する場合もあります。
そこで、生物は、コピーするのではなく、一度、壊してから、新しく作り直すという方法を選んだのです。
しかし、壊しすぎると、元に戻すのが大変です。
そこで、生物は、2つの遺伝情報を合わせて、新しいものを作るという方法を編み出しました。
これが性だったのです。
細菌やアメーバのような原始的な生物は、オスやメスのような性はなく、細胞分裂をして、増殖するだけです。
そして、細胞分裂しても、元の細胞と同じ細胞が増えるだけ。
しかし、私たちのような生物は、オスとメスという性があり、遺伝子を交換します。
遺伝子を交換することで、新しいものを作り出し、そして、新しいものができたら、古いものをなくしていく。
これが死です。
死とは、生物の進化が生み出したものです。
性というシステムの発明によって、導き出されたものというわけです。
ただコピーするだけでは、環境の変化に対応できずに滅んでしまいます。
そこで、ヒトという種が永遠であり続けるために、自らを壊して、新しく作り直すことを考えたのです。
1つの命は一定期間で死に、その代わりに新しい生命を宿します。
この命のバトンを渡していくことで、1つ1つの命は有限でも、ヒトという種は永遠であり続けることができます。
永遠であるために、死は生み出されたのです。
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