意賀美神社 (岸和田市土生滝町)


和泉国和泉郡
大阪府岸和田市土生滝町17
(アクセス・駐車場は下部写真にて)

■延喜式神名帳
意賀美神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神


「神於山(こうのやま)を御神体とし、その西側麓を南北に流れる「津田川」の上手にある、「雨降りの滝」の側に鎮座する社。
◎創建年代は不詳。社記によると、天平四年(732年)の大干魃の際に、聖武天皇に神のお告げがあり、勅命で「雨降りの滝」の側に祀られる社に祈雨したところ効験があり、社領を寄進したとあるようです。これを証すものとして、「天平四年壬申年八月吉日座中」との石漱盤の鐫刻(せんこく)が現存するとのこと。少なくともこの時に当社は既に鎮座していたようです。
この年は全国的に大干魃に見舞われたことが各地の記録からも窺えます。和泉五社(大鳥大社泉穴師神社聖神社積川神社日根神社)にも勅命で祈雨が行われています。
◎また元慶八年(884年)の干魃の際に、陽成天皇が菅原道真公を祈雨の奉幣使として派遣。霊験著しく、この頃より「雨降り大明神」として称え奉られてきたとされます。元慶元年(877年)より全国的に干魃があったとされ、こちらも各地の記録からも窺えます。
◎以降は滝壺の水をさらえて神前に祈ると、必ず雨が降ったとされています。
寛永年中(1624~1644年)の大旱魃の折には、近郷百八ヶ村の農民が当社前に参集し、祈雨の祈誓をしたとも。
◎和泉国内には同名の意賀美神社が鎮座。そちらは日根郡(現在の泉佐野市上之郷)にあり、高龗神を祀ります。また河内国茨田郡(現在の枚方市枚方)に鎮座。高龗神を祀り、訓みは「おかみじんじゃ」。いずれも式内比定社。
◎当社の御神体は広義には「神於山」、狭義には「雨降りの滝」。一般に山峰に棲む龍神は高龗神、谷底に棲む龍神は闇龗神(闇意賀美神)とされます。当社の場合はまさしく谷底であり合致します。



一の鳥居


「津田川」

二の鳥居


府道39号線からの参道




滝前に鎮座する厳島神社(市杵島姫命)/意賀美荒神社(火産霊命)。



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