大鳥神社 (大鳥大社)


和泉国大鳥郡
大阪府堺市西区鳳北町1-1-2
(境内にP有)

■延喜式神名帳
大鳥神社 名神大 月次新嘗 の比定社
[境内社 大鳥美波比神社] 大鳥美波比神社の比定社 
[境内社 大鳥美波比神社の合祀社] 押別神社の論社

■社格等
[旧社格] 官弊大社
[現在] 別表神社
和泉国一宮
和泉国五社大明神の一社

■祭神
日本武尊
大鳥連祖神


和泉国一宮、国内唯一の名神大社、「千種の森」と称される一万五千余坪にも及ぶ広大な社地は、各時代に当社が授かった社格に相応したものかと感じます。
◎社伝の概要は、伊勢国能褒野に眠った日本武尊は白鳥と化し大和国琴弾原、河内国古市に飛び最後に当地に留まったとされます。時期は景行天皇四十三年とも、五十四年とも。
*「能褒野(のぼの)」については、能褒野神社の社地内の古墳(記事未作成)が治定。他に加佐登神社に隣接する白鳥塚古墳長瀬神社の社地内の塚など候補地が挙げられています。
*大和国「琴弾原(ことびきはら)」については、葛上郡の琴弾原白鳥陵が治定されています。
*河内国古市については古市郡の白鳥神社が治定されています。
ただしこの伝承については、「特撰神名帳」などがばっさりと切り捨てています。「大鳥を白鳥の故事に思いよせて後人の云出たる説と聞え、(中略) 此の縁起は後人の偽造なること…(以下略)」と。
◎明治9年に政府による祭神考証がなされ、大鳥連祖神と確定し祭神変更。さらに昭和36年に当社の要望から日本武尊も加えられ現在に至っています。「神名帳」では一座となっており大鳥連祖神、あるいはこの時すでに日本武尊に変わってしまっていたのかもしれません。。
◎大鳥連とは、「新撰姓氏録」に「和泉国神別(天神) 大鳥連 大中臣朝臣同祖 天児屋根命之後也」と記される氏族。その祖神ということはつまり天児屋根命ということになりそうです。
◎当社の立地は北緯34度32分、いわゆる「太陽の道(レイライン)」上に鎮座。太陽祭祀が行われていたことかと思われます。
一時期、天照大神がご祭神となっていたようですが、太陽祭祀の影響によるものかもしれません。
◎当社に境内境外社を含めて「大鳥五社(大明神 )」と称されています。境内社 大鳥美波比神社、境外社 大鳥北濱神社大鳥濱神社・大鳥井瀬神社(大鳥・住吉大社 頓宮)。境外社の三社はいずれも日本武尊の后である三座。そして五社すべてが式内社。「大鳥五社縁起帳(略称)」という書には、日本武尊が白鳥と化して「曽彌里」に鎮座、大日孁貴が白鳥と化して現れ千種森に飛来、(日本武尊の)三后と合わせて大鳥五社とするとあるようです。





ご本殿は改修中でした。