酒解神社 (伊賀市坂下)
(さかとけじんじゃ)


伊賀国山田郡
三重県伊賀市坂下519
(P無し、地元民の了承のもと50m北の公民館前のスペースに停め置きしました)

■旧社格
村社

■祭神
木花咲夜比売命
大稻輿命
[合祀] 建速須佐之男命 天児屋根命 大山祇命 市杵島毘売命 正哉吾勝勝速日天忍穂耳命 天之穂日命 天津日子根命 活津日子根命 熊野久須毘命 多紀理毘売命 多紀津比売命 武甕槌命 天押雲命 大日霊貴命 経津主命 大物主命 菅原道真 品陀和気尊 大鷦鷯尊 火之迦具土命 天明玉命 弥都波能売神


伊賀市南東部、「木津川」の水源に近い山間部(布引山地)の集落「坂下」内に鎮座する社。標高は370mほど、地名「坂下」は「酒解神」を祀ることに由来するようです。旧「酒解村」。
◎創建は不詳であるとのこと。「三重県神社誌」には、━━大友皇子(弘文天皇)が伊勢に行幸の途次この地に至り福持全司の女某より酒を献ぜられた。皇子は壽賞して女を傍らに侍らした。女が皇子に「父の日頃望んでいるわが里の酒解神に官位をお授け下さい」と願ったところ皇子は正一位酒解大明神と授けられた云々━━といった史話を載せています。また「直指抄」という書には第63代冷泉天皇の御宇(967~969年)に正二位を授けられたとも。
◎社頭案内には、━━木花咲夜比賣命は山の神、また酒を司る神で、造りの神であることから酒造の神(水が清いため)として地域の人々に信仰されています━━と。
父神である大山祇命は、娘の木花咲夜比賣命が天孫瓊瓊杵命との間に彦火火出見神を生んだことを喜び、天甜酒を造り神々に振る舞ったとされることから「酒解神」とも呼ばれています。そして木花咲夜比賣命は「酒解子神」であると。
◎もう一柱の大稻輿命は、四道将軍として東国へ派遣された大彦命の御子神。大彦命は伊賀国でのゆかりが多く、一ノ宮敢國神社の主祭神でもあり、御墓山古墳の被葬者は大彦命であるともされます。
大稻輿命は膳臣(カシワテノオミ、高橋氏)の祖。御子の磐鹿六鴈命(イワカムツカリノミコト)が、景行天皇の東国巡幸の際に料理を供進し好評を得たことから寵愛され、以降は料理神として崇敬された神。神名から稲作の神として、またその稲から醸造された酒が大友皇子に振る舞われたのではないかと想像されます。



参拝当日は「茅の輪」が設けられていました。