雄神神社
(おがみじんじゃ)


大和国山邊郡
奈良市都祁白石町
(詳細住所不明、白石の國津神社より東へ道なりに500mほど)
(P無し、社前に路駐できるようなスペース有)

■延喜式神名帳
出雲建雄神社の論社

■祭神
出雲健雄命


奈良市東部の山村地帯、「都祁白石町」に鎮座する社。ご本殿は無し、山そのものを御神体としています。
◎「雄雅山(550m)」と「雌雅山(531m)」と2つの山で構成され、合わせて「野々神岳」。社は「雄雅山」の中腹に。創建由緒等は伝わっておらず、また神社庁にも属していないようです。古代の祭祀形態を現代に至っても残しつつ、連綿と祭祀を続けてきた社と言えるかと思います。
◎全山禁足地。「雄雅山」の山頂には大蛇が棲み石室がある、あるいは磐座らしきものがある、などとも。「雌雅山」に至ってはそのような情報もまったく無し。
◎当山は大神神社の奥の院とも称されます。宇陀地方にもそういった地がいくつかありますが、そのような附会がされるほどの霊地と考えられていたかと思います。拝殿には「金銀銅鐡」と記された古い扁額が掲げられています。鉱山であったということでしょうか。
◎西方500mほどに鎮座する白石の國津神社とは、神が行き来すると考えられています。
「雄雅山」の山頂は國津神社に座す霊石(白石)から見て夏至に太陽が昇る方角。「雄雅山」と國津神社との間には休憩処「休ん場」が4ヶ所あります。このうち3ヶ所はその國津神社と「雄雅山」の山頂を結んだライン上に。「雄雅山」が霊山であり、またその山を崇め祭祀を執り行う霊地として霊石が据えられたのが國津神社と言えるかと思います。古代より当地を治めていたのは都祁直(ツゲノアタヒ)。どうやら一族が祭祀を行っていた痕跡かと思います。
◎ご祭神は不明と言わざるを得ません。謎の神、出雲建雄神とされ、式内社 出雲建雄神社の論社となっています(詳細は藺生の葛神社石上神宮の境内摂社 出雲建雄神社を参照)。

*写真は2019年5月と2021年8月撮影のものとが混在しています。


向かって左が「雄雅山」、右が「雌雅山」。





ご本殿は無く、鳥居と磐が座すのみ。





手前が全4ヶ所の「休ん場」のうちの2ヶ所。以下「休ん場」写真。