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最近食べてるもの2016夏 ≪辛い物編≫

私のスマホの写真はほぼ食べ物しか写っておりません。

え?デートの写真??
そ・・・そんなもの・・・・(泣)




兎にも角にも、私の趣味の一つは「食べ歩き」です。

しょっちゅう新しいお店を開拓すべく、「独りで」食べ歩きをしているわけでありますが、そんな中でもファンになって通っているお店も多々あります。


というわけで、最近好きで食べに行っているお店を何軒かご紹介。
2016年春~夏版の第1弾は『辛い物』です。





最初のお店は秋葉原駅近くにあるカレー屋さん「カレーノトリコ」。

カレーノトリコ その1
店名 : カレーノトリコ
住所 : 東京都千代田区神田須田町2-15-1


テレビなどでも紹介されているお店で、お昼時は常に行列です。
私もお昼に食べに行くのですが、いつも昼休み時間との闘いです。
チョットでも行列が長い場合、とっとと諦めます。

そんな行列店の「カレーノトリコ」ですが、お店に近づくとカレーのにおいがプンプンです。
店内に入ると常にウルフルズが流れており、黒縁眼鏡で京都弁の店長が忙しさに忙殺されながら気合いでカレーを作っています。
ペチャクチャ喋っていたり、食べ終わった後もだらだらしていたら怒られます。

と、ここだけ見ると偉そうな店長が威張っているイヤなお店・・・と思われるかもしれませんが、それもコレも外で並んでいる他のお客さんのため。
食べる方も提供されたらとっとと食べて次の人に席を譲るのは当然なのであります(笑)。

で、このお店のカレー、見た目からしてチョット不思議なカレーなのです。
カレーノトリコ その2

「インド風カレー」と敢えてインドカレーではない事を謳いつつ、サラサラのルーに不思議な香辛料(葉っぱやら何やら)、香りをかいだだけでも分かるスパイスの深さ、これは欧風からインドを超えて、北海道のスープカレーも超えてきた、新しい衝撃を与えてくれるカレーです。

インド風カレーは「牛すじ」「チキン」「インド豆」「野菜」「エビ」から選べますが、個人的なオススメは「チキン」。あとはお財布と相談をして「野菜」をトッピングしても良いかも。

チキンカレーは皮面がカリッカリに揚げ焼きにされたカレーの下味がしっかりと効いたチキンが最高です。
急いで食べるとほぼ間違いなく口の中をやけどしますが、カリッとした表面の食感の後、プリッとしたジューシーなチキンの味がたまりません。
このチキンの味とカレーのルーが口の中いっぱいに広がり、今まで体験したことの無いスパイス感を体験することが出来ます。

ちなみにこのお店は0辛~10辛まで選べますが、2回目以降の来店では前回注文をした辛さ+10までの辛さをチョイスできます。

私は「インド風カレー(チキン)40辛」がお気に入りです。

40辛でもチョット辛い物好きであれば食べられるのでは無いでしょうか。
ただ、唐辛子の辛さよりも様々なスパイスが入っているため、このスパイシーさにやられてしまう人も結構多いかも。(会社の同僚は3辛でヒーヒー言っていますが、唐辛子はそこまで入っていないはずなんです)

とにもかくにも、この「覚醒感」を体感できるスパイシーなカレーは病み付きです。
お昼時は「超」混んでいるので夜の営業がオススメです。(売り切れていなければ)






お次は担担麺。
阿吽 北浦和店』です。

本店は湯島にあり、仕事で湯島界隈に行くときにはそちらに行くのですが、そうしょっちゅう湯島に行く用事は無いので「食べたいけど、そのためにわざわざ湯島まで行くのは・・・」と思うこともありましたが、そんな阿吽が北浦和に店舗を出したと言うことで、北浦和だったら会社帰り途中下車をすれば良いだけだ!ということで、何度か訪問させていただいております。
阿吽北浦和店 その1

北浦和店は駅の東口を出てすぐ、向かって左を見ると駅の建物に入る形でお店があります。


んで、阿吽の担担麺と言えばコレです。
阿吽北浦和店 その2

いつの間にか辛さレベルの表現が変わりましたが、私はいつも「担担麺5辛」です。
で、コレもいつの間にか付け加わった新ルール(?)なのですが、ここの担担麺の特徴でも有る「花椒」の量も決められます。
なので私は唐辛子と花椒の量を「5辛5痺」で注文しています。

で、注文をした担担麺を待っていると、湯島の本店では当たり前のように手で湯切りをしていますが、北浦和店はJR系列の会社にフランチャイズをしているのか、バキュームの湯切りマシンで麺の湯切りをしているのには少しギョッとしました。

とはいえ、「北浦和店」と銘打っているのだから味が全く違うと言うことは亡いだろう・・・ということで、運ばれてきた担担麺を食べてみることに。

スープを口に含むとごまの香りが鼻に抜け、濃厚な肉味噌と干し海老の味と香りが口いっぱいに広がります。
そんなスープが喉を通るとき、私はあまり唐辛子の辛さは強く感じませんが、花椒の爽やかな香りがスーッと口に残り、口の中から喉の奥まで強く痺れ始めます。
コレがまた爽快なんです。
うん、スープは本店で味わっているあの味、そのままと言ってもイイでしょう。

ちなみにこの5辛のスープ、風邪を引いているときに食べて万が一むせてしまったら最悪です。
風邪で腫れて狭くなっている喉の奥、気管支を花椒が牙を向き、一気に呼吸が出来なくなるくらいに喉が閉まります。
こうなったらむせ返ることも咳払いをすることも出来ません。
ただただ呼吸困難になっていきます。
そんな中、悶えながら遠のきかける意識の中で弛緩しかけた気管支から少しずつ空気が入ってきてなんとか息を吹き返します。
命がけの食事になりますので、阿吽で担々麺を辛めで食べる場合には是非、万全の体調で味わって下さい。

さてさて、そんな攻撃的で旨味たっぷりの濃厚スープをしっかりとまとっているストレートで細い麺をズズズッとすすると、麺の味わいがスープと渾然一体となって頬張ってモグモグと噛む度に至福が訪れます。
このスープにはこのストレートの細麺が最高の組み合わせです。
これぞ他ではなかなか味わうことが出来ない「阿吽流」の担担麺です!



で、太めの縮れ麺なのは「汁なし担々麺」です。
阿吽北浦和店 その3

こいつも「5辛」。
汁なしとは言え、麺の下に居る濃厚なタレと肉味噌、干し海老と麺をしっかりと混ぜ合わせて食べるのですが、担担麺(汁あり)とは全く異なった方向性の味わいです。
ごまの風味は濃厚なのですが、花椒の香りや酸味をより強く感じるため、「より強い刺激」を求める人は汁なし担々麺がオススメかも。

こちらは麺が太い縮れ麺なので、コシもしっかりして肉味噌と一緒に噛み締める麺は他の食材や香辛料に負けないくらいしっかりと主張してきます。

こちらも他にはなかなか無い担担麺を味わえるので非常にオススメです。





次は御徒町の「紫のビル」でお馴染みのディスカウントショップ「多慶屋」脇にある「カラツケ グレ」の辛そばです。
カラツケグレ御徒町店 その1

都内を中心に熟成焼き肉のチェーン店を展開しているダイゴグループのつけ麺店です。
店を切り盛りしているのは韓国の方なのかな?
つけ麺も良いのですが、汁にドップリと麺が浸かった「辛そば」を注文してみることに。
ちなみに、大辛を頼もうとしたら店主に止められ「中辛」を注文。

運ばれてきた「辛そば」はたっぷりの野菜(主にもやし)と焼き肉。
そして真っ赤で透明度の低いスープ。

恐る恐るスープを飲んでみると、なかなかどうして、焼肉屋のユッケジャンスープにも似たようなしっかりと牛の出汁の効いたスープで、確かに辛いのですが美味しいので辛さにめげずにドンドンと飲めてしまいます。
そして、麺の上にのっている焼き肉も味がしっかりとしているので、これだけで白米ガンガン行けちゃいます。
そんな濃厚なスープに太い縮れ麺がマッチしていて、これはイイお店を見つけました。

ちなみに後日、大辛を注文してみましたが、確かに辛くて辛くて・・・涙をボロボロ流しながら完食した蒙古湯麺中本の南極を思い出しつつ、完食を致しました。
・・・だって、辛いけど旨味も凄いんだもの・・・



・・・・と、喜んでしたのですがこのお店、御徒町店は7月中旬に閉店してしまったそうです。無念。







最後は甘いものでクールダウン。

今年も大宮高島屋4階の喫茶店「トリコロール」でメロンを丸丸使ったメロンフラッペが始まりましたので、食べに行きました。
トリコロール メロンフラッペ その1

人工甘味料のシロップを使わず、メロンの果肉と果汁で氷を食べるのですが、かなり甘みの強いメロンなので甘さは十分!
しかも果肉もたっぷりと詰まっているので、メロンとかき氷を心ゆくまで堪能することが出来ます。

やっぱり辛~いものの後はこう言うのが欲しくなりますな。

最近聴いて「おっ!?」と思ったCD

ここ最近、聴いてみて「おっ!?」と気に入った作品を何点か。



まずは、ピアニストのカティア・ブニアティシヴィリ(舌噛みそう)が今年の2月に出したアルバム「カレイドスコープ」。

KALEIDSCOPE
KALEIDSCOPE / KHATIA BUNIATISHVILI
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実はこの人の作品、初めて買ったのですが、まずはこのジャケットで惹かれてしまいました。
なんとも怪しげではありませんか。
真っ黒の背景にモジャモジャの黒髪、ドレス、ピアノ・・・果たしてこのCDからどんな演奏が、どんな音が出てくるのか気になるじゃありませんか。

しかも、「カレイドスコープ」はあくまでアルバム名で、演奏曲はムソログスキーの「展覧会の絵」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ(からの三楽章)」と、聴き応えのありそうな曲がずらり。
特に、「展覧会の絵」は好きな曲で、ピアノ独奏盤ではアリス=紗良・オットの「Pictures」が好きなのですが、果たしてこちらはどんな演奏なのか・・・

まず、カティアの演奏は・・・独特過ぎだ!
クラシックの範疇を「少し」逸脱してテンポやテンションを自由自在に、表情豊かに演奏するスタイルは好みがわかれるかもしれない。
でも、ジャズのような「なんでもあり」ではなく、あくまで譜面に載っている音符まではいじらない。
それでもここまで表情が変わってしまうものなのか・・・なるほど、これは万華鏡だ。
展覧会の絵2曲目の「小人」では

こうなってくると、アリス=紗良・オットとカティア・ブニアティシヴィリのどちらが良いとかいう話ではなく、全く別物だ。
多分、今後もアリス=紗良・オットの展覧会の絵の方を聴く回数のほうが多いと思う。
でも、たまに、無性にこのカティア・ブニアティシヴィリワールドに浸りたくなってしまうのだと思う。

う~ん、クラシックもここまで自由に演奏して良いんだなぁ(笑)。
兎にも角にも、この表現力にはただただ「参った!」の一言。
ホールの中心にスッとたたずんでいるのが分かる音質もイイ。







次はジャズボーカル作品。
feeling alive
feeling alive / Agathe Jazz Quartet
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普段あまり多くジャズボーカルを聴かないのですが、ディスクユニオンの出版部門「DU BOOKS」から発売のジャズ情報誌『JAZZ PERSPECTIVE』の12号表紙を見た瞬間、この歌手の作品をネットで探しまくっていました。
だって、めちゃくちゃ格好良いじゃないですか!
で、JAZZ PERSPECTIVEの表紙になった本作を探し、ドイツの業者から取り寄せて購入したわけであります。

CDが届くなり、このなんとも素晴らしい表紙を眺めていて初めて気が付きましたが、収録曲の中に私の好きな「My One And Only Love」が入っているではありませんか。
勢いでその曲から再生しようかとも思いましたが、「いやいや待てよ、アルバムには構成というのがあるのだから、まずは1曲目から通して聴かなければ・・・」と自制して、1曲目の「I've Got A Crush On You」から。
この曲は名曲なので様々な歌手が歌っていますが、私は紗理さんが歌っているのを聴いてからこの曲が好きになったのですが、いやいや、Agatheさんのこの歌、アレンジ、なかなか良いじゃありませんか。変に歌い上げるというわけでは無いのですが、ささやくように歌う曲の出だしから、リズム隊が合流してテンポが上がる中盤以降の力強い歌声と、表現の豊かさがたまりません。
そして、いよいよ私の大好きな曲「My One And Only Love」です。この曲は随分前になりますが、鳥尾さんという女性3人組のバンドの演奏を良く聴きに行っていたのですが、その時にピアノの中島弘恵が聴かせてくれた情念と切なさが入り交じったようなMy One And Only Loveが素晴らしく、大好きな曲になりました。(アレンジの原型はオスカー・ピーターソンの「We Get Requests」収録のものです)
さてさて、Agatheの歌うMy One And Only Loveは・・・、な、なんじゃこりゃ!?
アレンジがかなり独特で出だしから戸惑ってしまいます。ジャズからPOPに寄ったアレンジでありながら、しっかりとジャズしています。
ジャケットの写真、この曲であの表情をしていそうだ。
切なさがどこかに行って随分と格好良くなってしまったMy One And Only Loveだけれど、このからっとしたアレンジも悪くないじゃないですか。
この1曲だけでも個人的にはお気に入り盤入り決定です。

さらにこのアルバム、音も良いのです。
カラッと見通しの良い、粒立ちの良い音で無いのですが、出てくる音がとても生々しく、曲に没頭するのにこの音の良さが大きく寄与しています。

うん、ジャズボーカル作品はあまり数を聴かないけれど、コレはお気に入り盤になりました。(ジャケット含め)







次はピアノトリオの作品。
Rapsodia en AZUL
Rapsodia en AZUL / Witmer Trio
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聞いたこともないアーティストで、実際、このアルバムをiTunesで読み込もうとしたところ、アルバムジャケットどころか、アーティスト名もアルバム名も何も出ないという有様。
かなりマイナーなレーベルの作品もアルバム情報、ちゃんと出るのに・・・
ちなみに、本作はオランダのピアノトリオで、メンバーはCajan Witmer(P)、Maarten Kruijswijk(Ds)、Han Slinger(B)。みんな読めるような読めないような・・・

そんな世間から隔離されたような本作ですが、いざ聴いてみると・・・出だしの1曲目「Rapsodia En AZUL」等はベテランの様な風格で飄々と曲の持つ美旋律を弾いたかと思えば、2曲目の「Recado」は若々しい溌剌とした演奏に変化。そして3曲目のビリー・ジョエル「New York State Of Mind」では、出だしでピアノ1本でしっとりと歌い上げます。
ラテンビート炸裂の7曲目「Carioca」もお勧め。

なんと好感の持てる演奏!
決して派手ではなく、難しいこともやっていない。
でも、しっかりとメロディーを聴かせてくれ、しかも飽きの来ないアレンジで仕上げてくれるので、最後の曲が終わると、再び再生ボタンを押してしまう自分がいます。
悪い意味じゃなく、パソコン作業の最中もヘビーローテーションでかけっ放しにしてしまいたくなる作品です。

ちなみに後で気づきましたが、このミュージシャンの作品、ほかにも持ってました。
でも、今作の様なホッコリと聴き続けられるような感覚はなかったなぁ。






最後は、以前ジャズ批評で取材に伺ったレコーディングスタジオ「Studio Tlive」の名を冠したレーベル「studio Tlive Records」で昨年10月にリリースしていたコレ。
KARATE CHOPS
KARATE CHOPS / KARATE CHOPS
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知らんかったぁ・・・
これ知ってたらジャズ批評の2015年のベスト5枚に入れてたかも。
こちらは先ほどのWitmer Trioとは全く趣向の異なる個性的な作品。
リーダーでドラムの江藤良人さん、ベースは私の大好きな井上陽介さん、テナーサックスは田中邦和さんという、ピアノレスのトリオ。
1曲目、ジェームス・ブラウンの「Ain't It Funky Now」からド太く熱いベース、ドラム、テナー。途中で江藤さんの叫び「Ain't It Funky Now!」が入ったかと思うと、次は間違いなく「江藤 Iy Funky Now!」と叫んでいる。最高にファンキーで格好イイ。
7曲目の「Etoまつり」はわずか2分の3人の力溢れる応酬がたまらない。まさに空手チョップの放ち合いだ。これが5分も10分も続いたら聴くほうも疲れてしまうけれど、2分9秒のこの演奏は大音量で体全体で楽しみたい。
選曲もキャロル・キングの「It's Too Late」、クィーンの「We Will Rock You」、サム&デーブの「Hold On, I'm Comin'」など心躍るものから、ジャズファンにお馴染みの「I Got Rhythm」や「イパネマの娘」、オーネット・コールマンの「Turnaround」等もじっくり楽しめます。
ライナーによるとバンド名「カラテチョップス(KARATE CHOPS)」はテナーの田中さん発案らしいけれど、なるほど、妙に腑に落ちる選曲と演奏です。

いやはや、このアルバムはイヤフォンやヘッドフォンじゃなくて、スピーカーで大音量!これ、絶対!!

福居良さん

ある方のブログで、札幌の自身のお店「SLOWBOAT」を中心に活動をされていたジャズピアニスト、福居良さんが3月15日に亡くなったことを知りました。



福居良さんの作品、演奏は好きで、特に1976年に発売された「Scenery」や1977年に発売された「Mellow Dream」は入手困難で伝説的な作品となり、数年前の昭和日本人ジャズ復古のブームで再発され、若いジャズファンの間でも絶大な支持をされました。
私もその再発盤で福居さんのことを知り、「Scenery」と「Mellow Dream」はそれはもう何度も、何度も繰り返し聴きまくりましたし、今でもiPodに入れて通勤途中に聴いています。


その情熱溢れる演奏は、熱くて、激しくて、聴けば聴くほど福居さんの演奏を生で聴きたい!という衝動に駆られるようになりました。



そんな中、2014年の11月に仕事で札幌に1泊する機会があり、福居さんのお店にお邪魔する機会が出来ました。

福居良さん1


お邪魔すると、ちょうど福居さんのトリオによるライブの日で、2ndステージから演奏を聴くことが出来ました。

ライブ終了後、福居さんとお話をさせていただき、福居さん作曲の作品「メロウ・ドリーム」のあの切なくどこまでも透明に展開していくメロディーが大好きだと言うことを伝えると、照れながら「最近はリクエストが無いと敢えて弾かないから、久しぶりだなぁ」と仰いながら「メロウ・ドリーム」を一節弾いてくださったのが未だに忘れられません。

「そうだ、今度、東京でライブをやるから是非来てよ」とチラシを渡され、行く気満々だったのですが見事に仕事がかぶってしまい、伺うことが出来ませんでした。

その後、札幌での仕事も無いまま1年が過ぎ、数日前、福居さんの新作が2015年に発売されていたことを知ってすぐに購入し、この連休で何度も聴きながら「また福居さんのお店でライブを聴きたいなぁ」と思っていていたところにこの訃報が飛び込んできました。


無念でなりません。

もっとも、一番無念なのは福居さんとご家族の皆さんだと思います。
手塩にかけた若手ジャズメンと、もっといろいろな場所で演奏をしたかったに違いありません。



福居さんの遺作となった作品を聴きながら、心よりご冥福をお祈り致します。





Scenary / 福居良
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技術的に凄まじいわけでも、新しい事をしているわけでも無い福居さんのデビューアルバム。
1976年発売と言うことで、私が生まれる1年前。
その時、北海道でこんなにも熱く、激しいトリオが居たなんて。
ピアニストは福居良さん、ベースは伝法論さん、ドラムは福居さんの弟の良則さん。
もう、このレコーディングメンバーはどなたもこの世にいない。それが信じられない。



Mellow Dream / 福居良
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デビュー作の翌年、私が生まれた1977年に発売された2ndアルバム。
このアルバムの中の「Mellow Dream」は時代を超えた日本人作曲のジャズスタンダードになってもおかしくない美しくはかないメロディー。
そんな美しいメロディーを、ただ嘆美に演奏しない福居良さんの凄みがある。
メンバーは前作と同じで、ピアニストは福居良さん、ベースは伝法論さん、ドラムは福居さんの弟の良則さん。


福居良さん2
A Letter From Slowboat / 福居良
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福居さんの遺作となってしまった本作。
年を経て落ち着いた?
いや、とんでもない。
若手の育成にも力を注いでいた福居さんが秘蔵っ子ともいえるメンバーと共に、今の札幌ジャズの熱さを世に問うたような力のこもった作品。
ジャズ批評のマイベスト執筆前に知っていたら、間違いなく2015年のマイベストの5枚に入れていた1枚。
福居さんの演奏を一節一節を噛み締めて聴きたいアルバム。