最近聴いて「おっ!?」と思ったCD
ここ最近、聴いてみて「おっ!?」と気に入った作品を何点か。
まずは、ピアニストのカティア・ブニアティシヴィリ(舌噛みそう)が今年の2月に出したアルバム「カレイドスコープ」。

KALEIDSCOPE / KHATIA BUNIATISHVILI
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実はこの人の作品、初めて買ったのですが、まずはこのジャケットで惹かれてしまいました。
なんとも怪しげではありませんか。
真っ黒の背景にモジャモジャの黒髪、ドレス、ピアノ・・・果たしてこのCDからどんな演奏が、どんな音が出てくるのか気になるじゃありませんか。
しかも、「カレイドスコープ」はあくまでアルバム名で、演奏曲はムソログスキーの「展覧会の絵」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ(からの三楽章)」と、聴き応えのありそうな曲がずらり。
特に、「展覧会の絵」は好きな曲で、ピアノ独奏盤ではアリス=紗良・オットの「Pictures」が好きなのですが、果たしてこちらはどんな演奏なのか・・・
まず、カティアの演奏は・・・独特過ぎだ!
クラシックの範疇を「少し」逸脱してテンポやテンションを自由自在に、表情豊かに演奏するスタイルは好みがわかれるかもしれない。
でも、ジャズのような「なんでもあり」ではなく、あくまで譜面に載っている音符まではいじらない。
それでもここまで表情が変わってしまうものなのか・・・なるほど、これは万華鏡だ。
展覧会の絵2曲目の「小人」では
こうなってくると、アリス=紗良・オットとカティア・ブニアティシヴィリのどちらが良いとかいう話ではなく、全く別物だ。
多分、今後もアリス=紗良・オットの展覧会の絵の方を聴く回数のほうが多いと思う。
でも、たまに、無性にこのカティア・ブニアティシヴィリワールドに浸りたくなってしまうのだと思う。
う~ん、クラシックもここまで自由に演奏して良いんだなぁ(笑)。
兎にも角にも、この表現力にはただただ「参った!」の一言。
ホールの中心にスッとたたずんでいるのが分かる音質もイイ。
次はジャズボーカル作品。

feeling alive / Agathe Jazz Quartet
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普段あまり多くジャズボーカルを聴かないのですが、ディスクユニオンの出版部門「DU BOOKS」から発売のジャズ情報誌『JAZZ PERSPECTIVE』の12号表紙を見た瞬間、この歌手の作品をネットで探しまくっていました。
だって、めちゃくちゃ格好良いじゃないですか!
で、JAZZ PERSPECTIVEの表紙になった本作を探し、ドイツの業者から取り寄せて購入したわけであります。
CDが届くなり、このなんとも素晴らしい表紙を眺めていて初めて気が付きましたが、収録曲の中に私の好きな「My One And Only Love」が入っているではありませんか。
勢いでその曲から再生しようかとも思いましたが、「いやいや待てよ、アルバムには構成というのがあるのだから、まずは1曲目から通して聴かなければ・・・」と自制して、1曲目の「I've Got A Crush On You」から。
この曲は名曲なので様々な歌手が歌っていますが、私は紗理さんが歌っているのを聴いてからこの曲が好きになったのですが、いやいや、Agatheさんのこの歌、アレンジ、なかなか良いじゃありませんか。変に歌い上げるというわけでは無いのですが、ささやくように歌う曲の出だしから、リズム隊が合流してテンポが上がる中盤以降の力強い歌声と、表現の豊かさがたまりません。
そして、いよいよ私の大好きな曲「My One And Only Love」です。この曲は随分前になりますが、鳥尾さんという女性3人組のバンドの演奏を良く聴きに行っていたのですが、その時にピアノの中島弘恵が聴かせてくれた情念と切なさが入り交じったようなMy One And Only Loveが素晴らしく、大好きな曲になりました。(アレンジの原型はオスカー・ピーターソンの「We Get Requests
」収録のものです)
さてさて、Agatheの歌うMy One And Only Loveは・・・、な、なんじゃこりゃ!?
アレンジがかなり独特で出だしから戸惑ってしまいます。ジャズからPOPに寄ったアレンジでありながら、しっかりとジャズしています。
ジャケットの写真、この曲であの表情をしていそうだ。
切なさがどこかに行って随分と格好良くなってしまったMy One And Only Loveだけれど、このからっとしたアレンジも悪くないじゃないですか。
この1曲だけでも個人的にはお気に入り盤入り決定です。
さらにこのアルバム、音も良いのです。
カラッと見通しの良い、粒立ちの良い音で無いのですが、出てくる音がとても生々しく、曲に没頭するのにこの音の良さが大きく寄与しています。
うん、ジャズボーカル作品はあまり数を聴かないけれど、コレはお気に入り盤になりました。(ジャケット含め)
次はピアノトリオの作品。

Rapsodia en AZUL / Witmer Trio
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聞いたこともないアーティストで、実際、このアルバムをiTunesで読み込もうとしたところ、アルバムジャケットどころか、アーティスト名もアルバム名も何も出ないという有様。
かなりマイナーなレーベルの作品もアルバム情報、ちゃんと出るのに・・・
ちなみに、本作はオランダのピアノトリオで、メンバーはCajan Witmer(P)、Maarten Kruijswijk(Ds)、Han Slinger(B)。みんな読めるような読めないような・・・
そんな世間から隔離されたような本作ですが、いざ聴いてみると・・・出だしの1曲目「Rapsodia En AZUL」等はベテランの様な風格で飄々と曲の持つ美旋律を弾いたかと思えば、2曲目の「Recado」は若々しい溌剌とした演奏に変化。そして3曲目のビリー・ジョエル「New York State Of Mind」では、出だしでピアノ1本でしっとりと歌い上げます。
ラテンビート炸裂の7曲目「Carioca」もお勧め。
なんと好感の持てる演奏!
決して派手ではなく、難しいこともやっていない。
でも、しっかりとメロディーを聴かせてくれ、しかも飽きの来ないアレンジで仕上げてくれるので、最後の曲が終わると、再び再生ボタンを押してしまう自分がいます。
悪い意味じゃなく、パソコン作業の最中もヘビーローテーションでかけっ放しにしてしまいたくなる作品です。
ちなみに後で気づきましたが、このミュージシャンの作品、ほかにも持ってました。
でも、今作の様なホッコリと聴き続けられるような感覚はなかったなぁ。
最後は、以前ジャズ批評で取材に伺ったレコーディングスタジオ「Studio Tlive」の名を冠したレーベル「studio Tlive Records」で昨年10月にリリースしていたコレ。

KARATE CHOPS / KARATE CHOPS
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知らんかったぁ・・・
これ知ってたらジャズ批評の2015年のベスト5枚に入れてたかも。
こちらは先ほどのWitmer Trioとは全く趣向の異なる個性的な作品。
リーダーでドラムの江藤良人さん、ベースは私の大好きな井上陽介さん、テナーサックスは田中邦和さんという、ピアノレスのトリオ。
1曲目、ジェームス・ブラウンの「Ain't It Funky Now」からド太く熱いベース、ドラム、テナー。途中で江藤さんの叫び「Ain't It Funky Now!」が入ったかと思うと、次は間違いなく「江藤 Iy Funky Now!」と叫んでいる。最高にファンキーで格好イイ。
7曲目の「Etoまつり」はわずか2分の3人の力溢れる応酬がたまらない。まさに空手チョップの放ち合いだ。これが5分も10分も続いたら聴くほうも疲れてしまうけれど、2分9秒のこの演奏は大音量で体全体で楽しみたい。
選曲もキャロル・キングの「It's Too Late」、クィーンの「We Will Rock You」、サム&デーブの「Hold On, I'm Comin'」など心躍るものから、ジャズファンにお馴染みの「I Got Rhythm」や「イパネマの娘」、オーネット・コールマンの「Turnaround」等もじっくり楽しめます。
ライナーによるとバンド名「カラテチョップス(KARATE CHOPS)」はテナーの田中さん発案らしいけれど、なるほど、妙に腑に落ちる選曲と演奏です。
いやはや、このアルバムはイヤフォンやヘッドフォンじゃなくて、スピーカーで大音量!これ、絶対!!
まずは、ピアニストのカティア・ブニアティシヴィリ(舌噛みそう)が今年の2月に出したアルバム「カレイドスコープ」。

KALEIDSCOPE / KHATIA BUNIATISHVILI
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実はこの人の作品、初めて買ったのですが、まずはこのジャケットで惹かれてしまいました。
なんとも怪しげではありませんか。
真っ黒の背景にモジャモジャの黒髪、ドレス、ピアノ・・・果たしてこのCDからどんな演奏が、どんな音が出てくるのか気になるじゃありませんか。
しかも、「カレイドスコープ」はあくまでアルバム名で、演奏曲はムソログスキーの「展覧会の絵」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ(からの三楽章)」と、聴き応えのありそうな曲がずらり。
特に、「展覧会の絵」は好きな曲で、ピアノ独奏盤ではアリス=紗良・オットの「Pictures」が好きなのですが、果たしてこちらはどんな演奏なのか・・・
まず、カティアの演奏は・・・独特過ぎだ!
クラシックの範疇を「少し」逸脱してテンポやテンションを自由自在に、表情豊かに演奏するスタイルは好みがわかれるかもしれない。
でも、ジャズのような「なんでもあり」ではなく、あくまで譜面に載っている音符まではいじらない。
それでもここまで表情が変わってしまうものなのか・・・なるほど、これは万華鏡だ。
展覧会の絵2曲目の「小人」では
こうなってくると、アリス=紗良・オットとカティア・ブニアティシヴィリのどちらが良いとかいう話ではなく、全く別物だ。
多分、今後もアリス=紗良・オットの展覧会の絵の方を聴く回数のほうが多いと思う。
でも、たまに、無性にこのカティア・ブニアティシヴィリワールドに浸りたくなってしまうのだと思う。
う~ん、クラシックもここまで自由に演奏して良いんだなぁ(笑)。
兎にも角にも、この表現力にはただただ「参った!」の一言。
ホールの中心にスッとたたずんでいるのが分かる音質もイイ。
次はジャズボーカル作品。

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だって、めちゃくちゃ格好良いじゃないですか!
で、JAZZ PERSPECTIVEの表紙になった本作を探し、ドイツの業者から取り寄せて購入したわけであります。
CDが届くなり、このなんとも素晴らしい表紙を眺めていて初めて気が付きましたが、収録曲の中に私の好きな「My One And Only Love」が入っているではありませんか。
勢いでその曲から再生しようかとも思いましたが、「いやいや待てよ、アルバムには構成というのがあるのだから、まずは1曲目から通して聴かなければ・・・」と自制して、1曲目の「I've Got A Crush On You」から。
この曲は名曲なので様々な歌手が歌っていますが、私は紗理さんが歌っているのを聴いてからこの曲が好きになったのですが、いやいや、Agatheさんのこの歌、アレンジ、なかなか良いじゃありませんか。変に歌い上げるというわけでは無いのですが、ささやくように歌う曲の出だしから、リズム隊が合流してテンポが上がる中盤以降の力強い歌声と、表現の豊かさがたまりません。
そして、いよいよ私の大好きな曲「My One And Only Love」です。この曲は随分前になりますが、鳥尾さんという女性3人組のバンドの演奏を良く聴きに行っていたのですが、その時にピアノの中島弘恵が聴かせてくれた情念と切なさが入り交じったようなMy One And Only Loveが素晴らしく、大好きな曲になりました。(アレンジの原型はオスカー・ピーターソンの「We Get Requests
さてさて、Agatheの歌うMy One And Only Loveは・・・、な、なんじゃこりゃ!?
アレンジがかなり独特で出だしから戸惑ってしまいます。ジャズからPOPに寄ったアレンジでありながら、しっかりとジャズしています。
ジャケットの写真、この曲であの表情をしていそうだ。
切なさがどこかに行って随分と格好良くなってしまったMy One And Only Loveだけれど、このからっとしたアレンジも悪くないじゃないですか。
この1曲だけでも個人的にはお気に入り盤入り決定です。
さらにこのアルバム、音も良いのです。
カラッと見通しの良い、粒立ちの良い音で無いのですが、出てくる音がとても生々しく、曲に没頭するのにこの音の良さが大きく寄与しています。
うん、ジャズボーカル作品はあまり数を聴かないけれど、コレはお気に入り盤になりました。(ジャケット含め)
次はピアノトリオの作品。

Rapsodia en AZUL / Witmer Trio
diskunionでの購入はこちら
聞いたこともないアーティストで、実際、このアルバムをiTunesで読み込もうとしたところ、アルバムジャケットどころか、アーティスト名もアルバム名も何も出ないという有様。
かなりマイナーなレーベルの作品もアルバム情報、ちゃんと出るのに・・・
ちなみに、本作はオランダのピアノトリオで、メンバーはCajan Witmer(P)、Maarten Kruijswijk(Ds)、Han Slinger(B)。みんな読めるような読めないような・・・
そんな世間から隔離されたような本作ですが、いざ聴いてみると・・・出だしの1曲目「Rapsodia En AZUL」等はベテランの様な風格で飄々と曲の持つ美旋律を弾いたかと思えば、2曲目の「Recado」は若々しい溌剌とした演奏に変化。そして3曲目のビリー・ジョエル「New York State Of Mind」では、出だしでピアノ1本でしっとりと歌い上げます。
ラテンビート炸裂の7曲目「Carioca」もお勧め。
なんと好感の持てる演奏!
決して派手ではなく、難しいこともやっていない。
でも、しっかりとメロディーを聴かせてくれ、しかも飽きの来ないアレンジで仕上げてくれるので、最後の曲が終わると、再び再生ボタンを押してしまう自分がいます。
悪い意味じゃなく、パソコン作業の最中もヘビーローテーションでかけっ放しにしてしまいたくなる作品です。
ちなみに後で気づきましたが、このミュージシャンの作品、ほかにも持ってました。
でも、今作の様なホッコリと聴き続けられるような感覚はなかったなぁ。
最後は、以前ジャズ批評で取材に伺ったレコーディングスタジオ「Studio Tlive」の名を冠したレーベル「studio Tlive Records」で昨年10月にリリースしていたコレ。

KARATE CHOPS / KARATE CHOPS
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これ知ってたらジャズ批評の2015年のベスト5枚に入れてたかも。
こちらは先ほどのWitmer Trioとは全く趣向の異なる個性的な作品。
リーダーでドラムの江藤良人さん、ベースは私の大好きな井上陽介さん、テナーサックスは田中邦和さんという、ピアノレスのトリオ。
1曲目、ジェームス・ブラウンの「Ain't It Funky Now」からド太く熱いベース、ドラム、テナー。途中で江藤さんの叫び「Ain't It Funky Now!」が入ったかと思うと、次は間違いなく「江藤 Iy Funky Now!」と叫んでいる。最高にファンキーで格好イイ。
7曲目の「Etoまつり」はわずか2分の3人の力溢れる応酬がたまらない。まさに空手チョップの放ち合いだ。これが5分も10分も続いたら聴くほうも疲れてしまうけれど、2分9秒のこの演奏は大音量で体全体で楽しみたい。
選曲もキャロル・キングの「It's Too Late」、クィーンの「We Will Rock You」、サム&デーブの「Hold On, I'm Comin'」など心躍るものから、ジャズファンにお馴染みの「I Got Rhythm」や「イパネマの娘」、オーネット・コールマンの「Turnaround」等もじっくり楽しめます。
ライナーによるとバンド名「カラテチョップス(KARATE CHOPS)」はテナーの田中さん発案らしいけれど、なるほど、妙に腑に落ちる選曲と演奏です。
いやはや、このアルバムはイヤフォンやヘッドフォンじゃなくて、スピーカーで大音量!これ、絶対!!