公的介護保険における在宅サービスの利用上限額について | 四姉妹のパパは保険屋さん 〜保険は賢く活用しよう!〜

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長崎の保険代理店(有)ビッグ・ワンの代表取締役大木敬介のブログです。
2023年9月まではただの雑記ブログでしたが、今は賢く民間保険に入る為の周辺知識を頑張って発信しています。

今回は前回に続き、公的介護保険の中で利用上限額が決められているものについて解説していきます。

 

前回は「特定福祉用具の購入」と「住宅改修費」の利用上限額について解説しましたので、今回は「在宅サービス」の利用上限額について説明していきたいと思います。

 

おさらいになりますが、この「上限額」とはあくまで「公的介護保険制度」を利用できる(1~3割の負担で利用できる)限度額です。なのでそれ以上のサービスを利用する事ができないという訳ではなく、「公的介護保険」を使わずに全額自己負担すれば、サービスの利用自体は可能という事をご理解下さい。

 

さて、「在宅サービス」とはその名のとおり、施設等には入所せず自宅で介護を行う際に利用できるサービスの事です。自宅にヘルパーさんに来てもらって介護してもらう「訪問介護」だとか、短期間だけ施設に宿泊して介護してもらう「ショートステイ」等がそれにあたります。

 

この「在宅サービス」の利用上限額は「地域区分」と「要介護(要支援)の度合い」によって変わってきます。

 

要介護度によって上限が変わるのは何となく理解できますよね?介護度が高い人の方が当然介護に要する費用もかかってくるので上限も高く設定されています。地域によってなぜ上限が変わってくるのか?というと、仮に全く同じサービスだったとしても、地域によって人件費が異なると料金も異なり、結果として受けられるサービスの量が変わってきてしまうからです。「地域区分」は、1等地~7等地およびその他の8つに分かれています。ちょっと注意が必要なのは、例えばA市に住んでいる人がB市所在の事業所のサービスを受ける場合ですが、これはどのようなサービスを受けるかによってA市の地域区分を適用するのかB市の地域区分を適用するのかが変わってきますので、確認しておいた方がいいと思います。「その他」に分類される地域が1番上限単価が低く、「1等地」に分類される地域が1番上限単価は高いです。言い換えると数字が少なくなっていくにつれて人件費は高いという事になります。この「地域区分」は3年に1回改訂がなされる事になっています。前回の改定が2021年4月でしたので、次は2024年4月の予定です。

 

では、先ず「その他の地域」での要介護度別上限を記載していきます。

要支援1:50,320円(5,032単位)

要支援2:105,310円(10,531単位)

要介護1:167,650円(16,765単位)

要介護2:197,050円(19,705単位)

要介護3:270,480円(27,048単位)

要介護4:309,380円(30,938単位)

要介護5:362,170円(36,217単位)

 

ちょっとちょっと!上限の金額は解るけど「単位」って何よ?ってなりますよね。実は「上限の単位」というのは全国一律で決まっているんです。「地域区分」によって1単位あたりの単価が異なるので実際の上限が異なってくるという仕組みになってます。「その他の地域」では全てのサービスで1単位あたりの単価が10円と設定されているので、全て上限金額は上限単位×10円の金額になっているんです。この上限金額は自己負担額の上限ではなくてサービス総額の上限になっていますので、実際の自己負担額はこの1割~3割となります。

 

最後に地域区分事の単価を記載しておきます。この単価は受けるサービスによって若干異なります。

 

【訪問介護・居宅介護支援など】

1級地(東京23区):11.40円

2級地(横浜市等):11.12円

3級地(さいたま市等):11.05円

4級地(神戸市等):10.84円

5級地(京都市等):10.70円

6級地(仙台市等):10.42円

7級地(長崎市等):10.21円

その他の地域:10.00円

 

【短期入所・通所リハビリテーションなど】

1級地(東京23区):11.10円

2級地(横浜市等):10.88円

3級地(さいたま市等):10.83円

4級地(神戸市等):10.66円

5級地(京都市等):10.55円

6級地(仙台市等):10.33円

7級地(長崎市等):10.17円

その他の地域:10.00円

 

【通所介護・施設サービスなど】

1級地(東京23区):10.90円

2級地(横浜市等):10.72円

3級地(さいたま市等):10.68円

4級地(神戸市等):10.54円

5級地(京都市等):10.45円

6級地(仙台市等):10.27円

7級地(長崎市等):10.14円

その他の地域:10.00円

 

【福祉用具・居宅療養管理指導など】

全地域共通で10.00円

 

少し複雑ですがご理解いただけましたでしょうか?覚える必要は全くないと思いますが、要介護度と地域によって上限が違うという事だけは押さえておきたいですね。

 

さて今回は以上です。なかなか複雑な公的介護保険制度ですが、今後もゆっくりと解説していきますね。

 

公的介護保険の知識は民間保険を選ぶ際には絶対に知っておいてほしい知識です!賢く民間保険に加入する為、ちゃんと自分で考えて民間保険を選ぶ為、もしくは民間保険に入らないという選択肢を取る為に一緒に学んでいきましょう!

 

それでは皆さん、今週が皆さんにとって最幸の1週間となりますように!バイば~い!

 

 

※今回の記事は2023年10月23日時点での情報です。御覧になるタイミングによっては最新の情報ではありませんので注意して下さい

【公的介護保険に関して~目次~】

公的介護保険制度ってどんな制度?

公的介護保険制度の対象年齢

公的介護保険の給付の要件

 (要介護(要支援)認定の仕組みおよび制度について有効期限と更新について

公的介護保険の保険料について 第1号被保険者(65歳以上)の場合第2号被保険者(40歳以上65歳未満)の場合

公的介護保険で受けられるサービスについて

 (特定福祉用具購入および住宅改修に関する利用上限額について在宅サービスの利用上限額について

公的介護保険の自己負担割合について

高額介護サービス費について