今日は投資手法の1つとして有名な「ドルコスト平均法」について解説していきたいと思います。
投資には多くのメリットがある一方で、リスクも多く存在します。値下がりリスクや暴落リスク、倒産リスクに為替リスク等々、増える可能性があるということは、当然減ってしまう可能性がある訳です。大きな利益を得ようとすれば、大きなリスクを取らなければいけませんし、リスクを下げようと思ったら、得られる利益は小さくなってしまいます。投資の世界では「ハイリスクハイリターン」「ローリスクローリターン」が常識です。
個人が自己資金を使って資産形成を行う場合には、できるだけ大きなリターンを狙いたいところではありますが、それではギャンブル性が高くなりすぎてしまいます。投資にまわすことができる資金が潤沢にあり、失敗したとしても大きな痛手にならないというのであればそれでもいいのかもしれませんが、せっかく頑張ってコツコツ積み立てた資金が、大きく減ってしまうのはできれば避けたいですよね。「ドルコスト平均法」とはそんな方にピッタリな投資手法です。勘違いしてほしくないのは、確実に利益を得られるという訳でもなければ、大きな利益が得られるという手法でもなく、あくまでリスクを下げて安定的な利益を狙う手法となっています。
今回の記事をご覧いただくことで、ドルコスト平均法を理解し、習得できるようになりますので、是非最後までご覧下さい。
「ドルコスト平均法」という名前を聴くと、「ドル」という言葉が入っているのでアメリカへの海外投資をする方法だと勘違いしている人もいるようですが、実は単純にアメリカで生まれた投資手法というだけで、必ずしもアメリカへの投資を基準としている手法ではありません。「ドルコスト平均法」という名前は「Dollar Cost Averaging(ダラー コスト アベレイジング)」を直訳した名前です。もっと詳細に和訳するならば「取得単価を平準化する方法」ということになると思います。この手法は為替リスクにも対応できる手法ですので、当然ドルを使ったアメリカへの投資でも、ユーロを使ったヨーロッパの投資でも使える手法ですし、為替リスクの発生しない円を使った国内投資でも「取得単価を平準化」する為には有効な手法となっています。
それではどんな手法なのか具体的に見ていきましょう。
例えばですが、AさんBさんCさんの3人で同じ資金を使って、リンゴをできるだけ多く購入するゲームをするとしましょう。リンゴの金額は毎月変わるということにして、資金は6000円、1月~6月の半年間で購入できた個数を競います。
Aさんは3月に6000円分全て購入
Bさんは6月に6000円分全て購入
Cさんは毎月1000円分ずつ購入することにしたとしましょう。
リンゴの価格は毎月変わるので、この時点では当然誰が一番多く購入できるのかは解りません。投資と一緒で結局毎月の価格がいくらだったのかが解らなければ最終的な勝敗が解らないという訳です。
では、1月のリンゴの価格が1個100円、2月が125円、3月が250円、4月も250円、5月が125円、6月が100円だったとしたら誰が一番多く購入できたでしょうか?
Aさんは3月に6000円分なので24個
Bさんは6月に6000円分なので60個
Cさんは1月と6月が10個ずつ、2月と5月が8個ずつ、3月と4月が4個ずつなので合計44個となります。
この場合はBさんが勝利!Aさんが一番少なく、Cさんはその間という結果でした。
しかしここでポイントとなるのは、リンゴがいついくらになるのかは事前には解らないということです。たまたま3月はリンゴの価格が高かったのでAさんが負けて、たまたま6月の価格が低かったのでBさんが勝ったというだけで、3月と6月の価格が逆だったら、勝敗は逆転してしまいます。
しかしCさんに関してはいつ値上がりしていつ値下がりしたとしても毎月1000円ずつと決めている訳ですから、結果として当たりハズレはなく、平均的な結果が残せる訳です。
このCさんの買い方が正に「ドルコスト平均法」です。大切なのは値上がりや値下がりを予測して購入金額を変えるのではなく、必ず一定の金額で毎月購入すると決めておくことです。ちょっと値下がりしたから多めに買っておこうとしてしまったら、翌月にもっと値下がりしてしまった場合には損してしまいますし、逆に値上がりしたから少なめに買っておこうとしたら、翌月にはもっと値上がりしてしまうという可能性もある訳です。必ず決めた金額で定期的に購入するというのが大切になってきます。
リンゴを例に挙げていますので、投資には一見関係ないように見えるかもしれませんが、この「リンゴの価格」を「株価」や「投資信託の金額」に置き換えると、丸々そのまま投資成績に直結した話になってきます。
「リンゴ」を「D社の株」、「リンゴの価格」を「その月の株価」に置き換え、現実味を出すために株価を10倍に、投資予算を6000円ではなく600万円にしてみた場合には、
Aさんは最終的にD社株を2400株
Bさんは6000株
Cさんは4400株保有できたということになります。
この株価が2000円の時に全部売却した時の投資成績は、
Aさん480万円なので120万円の損失
Bさんは1200万円なので600万円の黒字
Cさんは880万円なので180万円の黒字という結果になります。
「株価」は、いつ値上がりしていつ値下がりするかを正確に予測することはできません。予測が当たればBさんのように大きな利益を得られる可能性もありますが、逆に予測が外れてしまったらAさんのように大きな損失が出てしまいます。しかしそもそもCさんのように「予測する」という事を放棄して「定額購入」することを決めてしまえば、平均した結果を残すことができることになります。
さらにこの株が海外の株だったとしたら、さらに値動きは複雑になってきます。
先ほどの「D社株」をアメリカの企業である「E社株」に置き換えてみましょう。ここで考えなければいけないのは株価だけではなく為替レートです。やはり予算は600万円として、
1月のE社株の株価が100ドル、2月が125ドル、3月が250ドル、4月も250ドル、5月が125ドル、6月が100ドルとします。
円とドルの為替相場を、1月は1ドル100円、2月は1ドル125円、3月が160円で、4月が100円、5月が125円、6月が160円だったとすると、
Aさんは3月に600万円投資ですからドルになおすと3万7500ドル、株価が1株250ドルなので150株保有
Bさんは6月に600万円ですからこちらもドルになおすと3万7500ドルで、株価が100ドルなので375株保有
Cさんは毎月100万円ずつ投資ですので、1月に購入できる株は100株、2月が64株、3月が25株、4月が40株、5月が64株、6月が62.5株の合計なので355.5株保有
となります。ちなみに、今回挙げている例では為替の交換手数料や株の購入時手数料等は考慮していませんのでご了承ください。
為替相場も株価と同じで、どうなるかを予想するのは難しいですし、これに株価を重ねて予想するというのは更に難しくなってきます。今回は極端な例を挙げていますので、実際にここまで極端な上下をすることはないかもしれませんが、絶対にないとも言い切れないところが「株価」や「為替レート」の恐ろしいところです。
ドルコスト平均法は定期的に一定の金額で投資を行うやり方ですので、一般の人が老後の資産形成を行うのによく使われる手法です。更にギャンブル性を低くして投資成績を安定させるには、別の記事で説明している「インデックスファンド」に「ドルコスト平均法」で積み立てを行うという方法があります。ドルコスト平均法で値上がり値下がりリスクや、為替変動リスクを抑える「時期の分散」を行い、インデックスファンドで固定銘柄の暴落リスクを抑える「投資先の分散」が行われるため、投資に対するリスクをかなり軽減することができます。更に、NISAの制度を利用すれば利益に所得税もかかりませんので、投資初心者の方が資産形成を行いたいといった場合には、NISAを使ってインデックスファンドに定期積立て!というやり方を是非検討してみていただきたいなと思います。
最後に「ドルコスト平均法」の注意点もお伝えしておきます。
注意点①必ず利益がでる訳ではない
ドルコスト平均法はリスクを小さくする方法であって、利益を保証する方法ではありません。投資した先が長期間値下がりし続ければ損失になることも当然あり得ます。
注意点②上がり続ける相場では一括投資の方が有利になる
例えば株価も為替レートも100円→120円→140円→160円と永遠に値上がりしていくなら、最初に全額投資をしていた人の方が当然利益は大きくなります。ドルコスト平均法は「最高の利益を狙う方法」ではなく「高値づかみのリスクを減らす方法」ですので勘違いしないようにしましょう。「最高の利益」を狙うのであれば「一括投資」なのでしょうが、株価も為替相場もどうなるのかを完全に予想するのはかなり困難です。リスクを下げたい!と思うのであればやはり一括投資ではなく、ドルコスト平均法が利口な選択だと思います。
注意点③長期間続けることが前提
ドルコスト平均法で購入しても、期間が短かったり、短期で売却するのであればあまり効果はありません。逆に長期的な目線で見た時には、その効果が大きく発揮されてきます。長期的に見れば右肩上がりが期待できる投資先であったとしても、短期間では大きく価格が変動する可能性があるからです。より安定的な成績を期待するのであれば、5年・10年・15年・20年といった長期間続けることを前提にしておく必要があります。
と、いうことで「ドルコスト平均法」について解説させていただきましたがご理解いただけましたでしょうか?
個人が資産形成を行うには「貯蓄」「投資」「保険」のバランスが非常に重要となってきます。
ある程度の貯蓄を確保し、無駄のない保険で生活破綻リスクを防御できたとしても、ギャンブル性の高い「投資」を行ってしまうのは、非常にリスクの高い選択です。これまで解説してきた「インデックスファンド」や「ドルコスト平均法」を上手に使い、「保険」で最悪のリスクをコントロールしながら健全な資産形成を行うようにして下さいね。
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それでは今回は以上です。
本日が皆さんにとって、とってもラッキーな1日となりますように~!
さようなら~!
※今回の記事は2026年6月20日時点での情報を基に作成しています。