ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog -9ページ目

コロンボのMy Sweet Home

 下の写真は、宿泊しているホテルの窓から写したコロンボの風景。今回も、泊まっているのは単身赴任時に約一年ほど住んでいたホテル(というかサービス・アパートメント)。ここの従業員はほとんど顔見知りなので、僕の顔を見るなり、みんなが「Welcome home, Mr. Keicho!」と言ってくれるのです。Welcome backじゃなくて、Welcome homeなのがいい。そうか、ここは確かに僕のホームだったんだなあ。


 実は、スリランカを離任してから、この地に戻ってくる度に何か切ないものが込み上げるのです。内戦が激化する中、家族とこの地で過したあの日々が甦るからでしょうか。ご存知のようにスリランカは、僕が着任した半年後に停戦合意が破棄されて内戦が激化し、僕が離任した直後に内戦が終結しました。タイミングを恨んでいる訳ではありませんが、内戦終結後の今だったら、全く違う生活があったんだろう。でも、あの時期をここで一緒に過したことで、家族の絆が強まったと思いたいです。いつか本当に、また家族でスリランカに来たいと思っています。

Visit Sri Lanka ~ 2011年はスリランカ観光年

 約半年ぶりにスリランカに来ています。ちょっと前までマイナス10℃だったワシントンから来ると、プラス40℃のスリランカはさすがにキツイですね。まあ、なんとか持ち堪えていますけど。おとといの早朝にコロンボに着いて、昨日と今日は中央州のキャンディ近辺の現場を周っていました。今はキャンディのホテルです。


 今回、コロンボでもキャンディでも驚いたのは、外国人観光客の多さ。昨年5月に内戦が終結して、ようやくスリランカにも観光客が戻ってきたようです。この国の経済にとっては明るい兆しですね。元々スリランカは、自然、ビーチ、世界遺産、仏教遺跡、野生動物などなど観光資源が豊富なところ。内戦さえ終われば、観光は経済の柱になり得るはずです。で、来年2011年はスリランカ観光年なんだそうですよ(こんなサイト もできていました)。ニューヨーク・タイムズ だって、今年訪れるべき場所のトップにスリランカを挙げています。さあ、あなたもスリランカへ。

Up in the Air~マイレージと引き換えに失う物もある

 ずうっと見よう見ようと思っていながら見てなかった「Up in the Air」という映画を遂に見ました。主人公は、いろんな企業をまわって解雇される人にクビを宣告する代理人(アメリカには、こんな職業が本当にあるのだろうか)。不況で仕事が増え、アメリカ国内あちこちを飛び回って、アメリカン航空のマイレージとヒルトン・ホテルのポイントを貯めまくっています。映画の中で、彼は昨年は年間320日出張し、35万マイルを稼いだという設定。国内線だけでこんだけ稼ぐのは並大抵のことではありませんよ。ちなみに僕の出張は多くて年間150日、例年は100~120日くらいです。この映画を見たかったのは、実は、主人公の飛びまわる生活が自分の生活と少し重なるように思えたから。

 ジョージ・クルーニーが演じるこの主人公、中年というより既に初老のような年齢ですが、家族もなく、自由はあっても孤独な男です。ある日、出張先のホテルで出会った同じように出張の多いビジネス・ウーマンといい仲になり、徐々に恋に落ちていきます。さて、この二人はどうなるのか。結末は明かしませんが、この女性と出会ったことで自由を謳歌していた主人公の人生観が変わって行くようです。大量のマイレージと引き換えに、今まで失っていたものに気づいたのかもしれません

 この映画、日本では3月20日から公開だそうです。邦題は、「マイレージ、マイライフ」。いつもながらこの邦題はちょっとイケてませんね。英語の「Up in the Air」という言葉には、文字通り「空気中にいる(飛んでいる)」という意味に加えて、「五里霧中」みたいな意味があります。要するに、これからどうなるか未確定な状態。僕が思うにこの原題は、主人公の飛んでばかりの生活と、孤独に生きる心理状態の両方をよく表した言葉のように思うのですが、邦題ではそれが読み取れないのが残念です。ともあれ、なかなかいい映画だったので、よかったら観てみて下さい。

 最後になりますが、映画の中では「出張の達人」としての主人公が、フライトの際に参考になる「達人の極意」をいくつか教えてくれます。そのひとつが、「空港のセキュリティでは、アジア人の並んでいるレーンに並ぶこと」。アジア人は大抵efficientなので早く進むからです。同感。こんだけ飛行機に乗っていると、空港での時間をいかに効率的に使うかで、人生で使える時間の量が左右されてしまいますから。



鮫になるか金魚になるか?

 本屋でたまたまこんな面白い本を見つけました。「The Shark and the Goldfish(鮫と金魚)」というユニークな題名につられて買ったのですが、ハッキリ言って正解でした。実は、ちょっと前まで仕事に行き詰っていて、「どうして自分には、いつも難しいプロジェクトばかりが舞い込んでくるのだろうか」と落ち込んでいたのです。でも、この本の教え通りに、「難局を好機と捕らえよう」と思い直したら、本当に物事が好転し始めました。

 鮫と金魚の違いは何でしょう?鮫は大海を自由に泳ぎまわり、自分だけの力で食糧を確保します。一方、金魚は金魚鉢という狭い世界で暮らし、餌を与えられるのを待っているだけです。ある日、そんな金魚がひょんなきかっけで、海に投げ込まれるてしまいます。さあ、大変。餌を自力で探したことなんてないのに、ましてや全く未知の海の中。そんな時、鮫の手ほどきで餌の探し方を学び、ネガティブだった金魚がポジティブへと成長していきます。そんな内容。副題は、「Positive Ways to Thrive During Waves of Change(変化の波を乗り越えるポジティブ思考)」とありました。この本の中で、特に心に残った言葉を二つ書き留めておきます。

1.逆境とは物事の終わりではなく、事態が好転する始まりである。

2.人生何が起こるかは分からないが、起こった事にどう反応するかは自分次第。

 あなたは鮫になりたいですか、それとも、金魚になりたいですか?鮫になるか金魚になるかを決めるのは、自分自身なのです。


トヨタの公聴会で学んだこと



 一昨日行われたトヨタの欠陥車に関するアメリカ議会での公聴会、豊田社長とアメリカ議員たちのやりとりを聞いていて思ったことを書いておきます。豊田社長は通訳を介して日本語でやりとりしていましたが、言葉の問題はともかく、証言は謝罪と「細部は知りません」を繰り返すばかりで、残念ながらかなり官僚的な答弁だったという感想を持ちました。アメリカ側は、こういった答弁にかなり苛立ち、怒りや失望を率直に表明する議員もいました。グローバル企業のトップが、異なる文化を越えて意図するところを正しく伝えることができていなかった

 それと、僕が一番驚いたのは、去年11月にアメリカ政府がこの問題を協議するために担当官を日本のトヨタ本社に派遣していたのに、豊田社長はそれを知らなかったこと。こんな重大な問題なのに担当部局が対処しただけで、社長には全く知らされていなかったらしい。さらに、トヨタの欠陥車の問題は、数年前に日本やヨーロッパなどでも問題になったことがあり、にもかかわらず、そういう情報がアメリカのトヨタ社とは共有されていなかったという。組織における情報の共有、それも、情報の縦の共有(部下からトップへ、トップから部下へ)と横の共有(グローバル企業なら国や地域を越えて)の両方が大切だということを痛感しました。

 アメリカの議員の中には、「メイド・イン・ジャパンは高品質の代名詞だったが、トヨタがそれを傷つけた」というようなことを言った人もいました。こうなってくると、「トヨタ一社の問題に過ぎない」とは言えなくなってくるのかもしれない。さて、トヨタはこの失敗の教訓を活かして立ち直れるだろうか。


Good companies fix the mistakes, and great companies learn from them. (いい会社は失敗を正す。偉大な会社は失敗から学ぶ。)


プライスレスな雪山の休日



 ここは週末に行ったペンシルバニア州のスキー場。アメリカのスキー場には、大抵このチュービング場があるのです(↑)。チュービングとは、丸い浮き輪みたいなものに乗って雪の斜面を滑る遊びとでも言いましょうか。日本にもありますか?かなり急な斜面なので、僕は恐れをなして棄権。娘たちだけがやりました。でも、上の写真ではあんまり急斜面に見えませんね。


 チュービングの後は、僕はスノボで妻と娘たちはスキーです。チュービング一時間一人、$20。四時間リフト乗放題大人一人、$52。ミートボールSUBとクラムチャウダーのランチ、$13。ネットを離れて家族で過す雪山の休日、プライスレス

アメリカ五輪中継の多すぎるCM

 毎日夜遅くまでオリンピックに夢中になり、ブログが書けない日々が続いています。どこにいても、やはりオリンピック期間中は、自分が日本人だというのを意識することが多いですね。日本人の活躍に一喜一憂してしまうのです。とは言ってもアメリカにいますから、日本人選手をテレビの生中継で見るチャンスなんてほとんどありません。今日なんて、せっかく楽しみにしていたジャンプのラージヒル、葛西選手のジャンプは一回目も二回目も丁度コマーシャルに遮られて見られず。しかも、リプレイも映されず。なんなんだ。




 そう、アメリカの五輪中継はコマーシャルが多すぎるのです。コマーシャルのないNHKが懐かしいなあ。でも、そんなアメリカの五輪放送中のコマーシャルの中で、こいつだけは許せます(↑)。なかなかよくできたコマーシャルじゃありませんか。

氷上を駆けるポニーテール


 ここはバンクーバーではありません。週末にワシントン近郊のスケート・リンクを訪れると、アイスホッケーの大会をやっていたのです。最初は、選手の動きから男子の大会だろうと疑いませんでしたが、よく見たら、ヘルメットからポニーテールが覗いている選手が結構いるじゃないですか。そう、女子ホッケーの大会だったのです。ヘルメットと防具で武装しているので、ポニーテールがないと女子だって分かりにくいですね。カナダのチームも参加していたので、北米の大会だと思います。かなりレベルが高かったです。

Tooth Fairy~アイスホッケー選手が妖精になる映画


 先週のワシントンは二度の大雪。観測史上最高の降雪量を記録して、娘たちの学校はまるまる一週間休校になりました。僕のオフィスも月曜から木曜まで閉鎖。そんなこんなで家にこもって時間を持て余していたので、家族で映画を見に行きました。「Tooth Fairy(歯の妖精)」という映画(↑)。アイスホッケーと妖精というあり得ない組み合わせが題材で、娘たち共々、とってもとっても楽しめました。おススメです。とは言っても、「抜けた歯を枕の下に入れて寝ると妖精が来る」という「Tooth Fairy伝説」のない日本で上映されるのかどうかは分かりませんが。

We Are The World 25 For Haiti

 ハイチ復興のために、あの「We are the World」が25年ぶりに復活。あの大地震から丸一ヶ月の今日、そしてバンクーバー・オリンピックの開会式に合わせて公開されたビデオを載せておきます。亡くなったマイケル・ジャクソンも出演しています。

The world must come together as one during these Olympic Games and forever after.





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