Up in the Air~マイレージと引き換えに失う物もある
ずうっと見よう見ようと思っていながら見てなかった「Up in the Air」という映画を遂に見ました。主人公は、いろんな企業をまわって解雇される人にクビを宣告する代理人(アメリカには、こんな職業が本当にあるのだろうか)。不況で仕事が増え、アメリカ国内あちこちを飛び回って、アメリカン航空のマイレージとヒルトン・ホテルのポイントを貯めまくっています。映画の中で、彼は昨年は年間320日出張し、35万マイルを稼いだという設定。国内線だけでこんだけ稼ぐのは並大抵のことではありませんよ。ちなみに僕の出張は多くて年間150日、例年は100~120日くらいです。この映画を見たかったのは、実は、主人公の飛びまわる生活が自分の生活と少し重なるように思えたから。ジョージ・クルーニーが演じるこの主人公、中年というより既に初老のような年齢ですが、家族もなく、自由はあっても孤独な男です。ある日、出張先のホテルで出会った同じように出張の多いビジネス・ウーマンといい仲になり、徐々に恋に落ちていきます。さて、この二人はどうなるのか。結末は明かしませんが、この女性と出会ったことで自由を謳歌していた主人公の人生観が変わって行くようです。大量のマイレージと引き換えに、今まで失っていたものに気づいたのかもしれません。
この映画、日本では3月20日から公開だそうです。邦題は、「マイレージ、マイライフ」。いつもながらこの邦題はちょっとイケてませんね。英語の「Up in the Air」という言葉には、文字通り「空気中にいる(飛んでいる)」という意味に加えて、「五里霧中」みたいな意味があります。要するに、これからどうなるか未確定な状態。僕が思うにこの原題は、主人公の飛んでばかりの生活と、孤独に生きる心理状態の両方をよく表した言葉のように思うのですが、邦題ではそれが読み取れないのが残念です。ともあれ、なかなかいい映画だったので、よかったら観てみて下さい。
最後になりますが、映画の中では「出張の達人」としての主人公が、フライトの際に参考になる「達人の極意」をいくつか教えてくれます。そのひとつが、「空港のセキュリティでは、アジア人の並んでいるレーンに並ぶこと」。アジア人は大抵efficientなので早く進むからです。同感。こんだけ飛行機に乗っていると、空港での時間をいかに効率的に使うかで、人生で使える時間の量が左右されてしまいますから。




