たまらなく孤独で、熱い街 -27ページ目

『子どもの王様』 殊能 将之

子どもの王様 (講談社文庫)

子どもの王様
著者・後書:殊能 将之

解説:日下 三蔵

(講談社文庫)

初版:2016年1月15日

(2003年7月に講談社ミステリーランドより刊行)

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ジュブナイルではあるけれど、著者は子供の頃を思い出しながら書いたのだろうか。

タイトルが何を指すのかは読む前からなんとなく想像はつきますが、子供の視点からすれば「子どもの王様」というものは不気味で恐怖を感じたでしょう。

子どもの頃に読みたかった気もしますが、たぶん怖かったでしょうね。

 

『いなくなった私へ』 辻堂 ゆめ

いなくなった私へ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

いなくなった私へ
著者:辻堂 ゆめ

解説:香山 二三郎

(宝島社文庫)

初版:2016年2月18日

(2015年2月に宝島社より刊行)

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ゴミ捨て場で目が覚めたら自分を誰からも認識されなくて、しかも自殺したというニュースが・・・。

ディックの『流れよわが涙、と警官は言った』みたいな出だしで期待させたし、悪くはなかったが小道具の使い方がおかしいような気も。

まあ、結果オーライということで。

『奥の部屋』 ロバート・エイクマン

奥の部屋: ロバート・エイクマン短篇集 (ちくま文庫)

奥の部屋: ロバート・エイクマン短篇集
著者:ロバート・エイクマン

編者・訳者・後書:今本 渉

(ちくま文庫)

初版:2016年1月10日

(1997年10月に国書刊行会より刊行)

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「学友」(1964)

「髪を束ねて」(1964)

「待合室」(1964)

「何と冷たい小さな君の手よ」(1966)

「スタア誕生」(1966)

「恍惚」(1968)

「奥の部屋」(1968)

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直球を投げ込んでくれる方が分かりやすくて恐怖を感じるのだろうけど、切れ味鋭い変化球を投げてくるので狐につままれたよう。

あとは読者がどう受け止めるかになるが。

「待合室」のような分かりやすいのは逆に不満になってしまうかも。


『雨の日も神様と相撲を』 城平 京

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

雨の日も神様と相撲を
著者:城平 京

(講談社タイガ)

初版:2016年1月18日

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体格はやや小柄ながら子供の頃から相撲ありきの生活を送ってきた文季は、両親が事故で亡くなり叔父に引き取られて田舎へ転校するが、そこは相撲好きのカエルの神様が崇められている村で、相撲からは逃れられない運命であった。

当然相撲が盛んな村で、さらにカエルたちも相撲を取るのだが、地元のカエルは外からやってきたカエルに歯が立たないため、相撲に詳しい文季に助けを求める・・・。

後半の展開が面白かった。

『中継ステーション』 クリフォード・D・シマック

中継ステーション〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF シ 1-5) (ハヤカワ文庫SF)

中継ステーション〔新訳版〕
著者:クリフォード・D・シマック

訳者:山田 順子

解説:森下 一仁

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2015年12月20日

(1966年にハヤカワSFシリーズより刊行)

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1963年の作。

未来が希望と同義だった時代のSF。

アメリカの田舎にある一軒家が実は宇宙と繋がっていた。

100年もの間地球の誰にも知られることなく銀河の旅行者にために中継ステーションを管理している男。

重い責任と誰にも相談できないことで孤独な生活を余儀なくされている。

だが、時代は変わる。

地球人は幼年期を抜け出すことができるのか・・・。


『そして、君のいない九月がくる』 天沢 夏月

そして、君のいない九月がくる (メディアワークス文庫)

そして、君のいない九月がくる

著者・後書:天沢 夏月

(アスキー・メディアワークス文庫)

初版:2015年10月24日

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タイトルに惹かれて購入したのだが、一言で済ませば「呆れた」。

超常現象が二つでてくるのだが、最初の幽霊だか残留思念だかは、話の展開に必要とあらば仕方ないが、終盤のアレは話にならん。

こんなんが簡単にできるなら、そこらじゅうアレだらけになるではないか。

それよりさらに酷いのは、怪我もして動けない子を山に残して助けを求めに戻った幽霊だか残留思念だかは、自分の姿も見え話も聞こえる人を見つけたなら、なにはともあれ全身全霊を傾けて緊急の救助を要請するのじゃないのか。

チンタラと徒歩で戻って怪我をしてから何日経って山へ着いたのだろう。

水と食料があればいいてもんじゃない、排せつのこともあるし血や体臭により山の動物や虫がやってこないとも限らないし、ひっかかってるとこから落ちるかもしれないし。

いっそ、第三の超常現象で彼女の周りだけ時間が止まっていたことにすれば、まだマシだったかも。

 

『死と砂時計』 鳥飼 否宇

死と砂時計 (創元推理文庫)

死と砂時計
著者:鳥飼 否宇

解説:円堂 都司昭

(創元推理文庫)

初版:2017年5月12日

(2015年1月に東京創元社より刊行)

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「プロローグ」

「魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室」

「英雄チェン・ウェイツの失踪」

「監察官ジェマイヤ・カーレッドの韜晦」

「墓守ラクパ・ギャルポの誉れ」

「女囚マリア・スコフィールドの懐胎」

「確定囚アラン・イシダの真実」

「エピローグ」

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世界中から死刑囚を集めて収監している異国の監獄での連作ミステリ。

バカミスみたいなのもあったが、個々にはまあまあかな。

ラストのはっちゃけぶりは何とも言えませんが。


『車輪の下』 ヘルマン・ヘッセ

車輪の下 (新潮文庫)

車輪の下
著者:ヘルマン・ヘッセ

訳者・後書:高橋 健二

(新潮文庫)

初版:1951年11月20日

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1906年の作。

なんという悲しく切ない物語なのだろう。

村の人々の期待を一身に受けてハンスが入学した神学校だったが、そこは決して生徒のための教育機関でなく、ある意味戦場であり戦いに参加しなくなった者には死(放校)あるのみであった。

そこを落ちこぼれた時点でハンスはすでに車輪の下に体を投げ出されてしまった・・・。

ハンスの短い一生とはなんだったのか。


 

『キャロル』 パトリシア・ハイスミス

キャロル (河出文庫)

キャロル
著者・後書:パトリシア・ハイスミス

序文:ヴァル・マクダーミド

訳者・後書:柿沼 瑛子

(河出文庫)

初版:2015年12月20日

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1952年の作。

恋愛がらみのサスペンスものかと思ったら、まあサスペンスらしきのはあったけど。

ハイスミスはこの頃30歳くらいか、ならばテレーズよりもキャロルに立ち位置は近い気がするのだが、テレーズのセリフや行動のほとんどすべてにイライラさせられて何が書かれてたのか忘れた。

恋愛小説が苦手なのがよーく分かりました。

 

【読書メーター】 2017年8月分

8月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:5,560



ガンメタル・ゴースト (創元SF文庫) ガンメタル・ゴースト (創元SF文庫)感想
第2次大戦後に英仏の連合王国ができた世界。他の人の本でも英仏連合ができた話があったが、もしかして望んでいる人が多いとか。物語は凄腕飛行士の猿とジャーナリストの女性とハッカー少女と皇太子が世界制圧を狙う一味を向こうにまわして大活躍。面白いのだろうけど、ちょっと乗れなかったな。ヴィクトリアというやや古めかしい名前は、太った中年のおばさんをイメージしちゃうので、それも一因かな(ヴィクトリアさん、ごめんなさい)。461ページ
読了日:08月02日 著者:ガレス・L・パウエル
深い森の灯台 (創元推理文庫) 深い森の灯台 (創元推理文庫)感想
山奥の森の中に灯台を建てた男が「自殺させられた」真相を追求していく保安官代理と元記者。徐々に「悪霊」の存在が浮き彫りになるのだが、影に隠れているので怖さがない。それに猫科獣保護センターのエピソードがだらだらしてて前半はテンポが悪い。中盤から視界が開けたような感じになって読みやすくもなった。ホント言うと悪霊よりも、保安官代理を骨抜きにしたジャクリーンの方がよほど怖い。467ページ
読了日:08月04日 著者:マイクル・コリータ
双生児(上) (ハヤカワ文庫FT) 双生児(上) (ハヤカワ文庫FT)感想
プリーストということで眉に唾をつけながら読む。ベルリンオリンピックで銅メダルを獲得した一卵性双生児のソウヤー兄弟だが、兄は空軍の飛行士に弟は良心的兵役拒否者になる。ロンドン市民を鼓舞するチャーチル、和平工作のために英国に来たルドルフ・ヘス。しかし、なにが本当か、なにがフェイクか混沌のまま下巻へ。359ページ
読了日:08月06日 著者:クリストファー・プリースト
双生児(下) (ハヤカワ文庫FT) 双生児(下) (ハヤカワ文庫FT)感想
字面だけを追っていけば読みやすいのだけど、さまざまなトラップが仕掛けられていて頭の中がクシャクシャになりそう。一番気になったのは弟が常に救急車の中に引き戻されること。弟にとってその先の人生はすべてが幻なのか?(解説は違う事を書いているので、そちらが正しいのだろうけど)まあ、一読では全貌はつかめませんな。347ページ
読了日:08月08日 著者:クリストファー・プリースト
さよならの手口 (文春文庫) さよならの手口 (文春文庫)感想
シリーズものらしいがこれが初読み。今は古書店でバイト中の葉村晶。20年前に出ていった娘の捜索依頼を受けて探偵稼業に復帰。結構面白かったが、40歳になっても文字通り体を張っての探偵ぶりは応援したくなりますね。431ページ
読了日:08月10日 著者:若竹 七海
SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録 SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録感想
これだけ本気の講座をやってくれるなら、受講生の中から一人でも二人でも作家として巣立っていく人がいるといいな。286ページ
読了日:08月12日 著者:大森 望,東 浩紀,長谷 敏司,冲方 丁,藤井 太洋,宮内 悠介,法月 綸太郎,新井 素子,円城 塔,小川 一水,山田 正紀
カムパネルラ (創元日本SF叢書) カムパネルラ (創元日本SF叢書)感想
『ミステリーズ』に書いた黙忌一郎ものの短編ミステリ(未読)が発展してこれになったらしいが。『屍人の時代』所収の「少年の時代」もあるし、作者は一時はだいぶ「銀河鉄道の夜」や宮沢賢治に入れ込んでいたんだねえ。で、このメタSFだけど、試みは面白いと思うが、原作がスプリングボードとなるだけに、それが強みにも弱みにもなってる気がする。次の『ここから先は何もない』は「セオリー通り」なのか「何だかよく分からないけど面白い」のか。前者は他の作家の本で読めるので、後者の山田節炸裂だったらいいな。293ページ
読了日:08月14日 著者:山田 正紀
ふるさと遠く (ハヤカワ文庫SF) ふるさと遠く (ハヤカワ文庫SF)感想
『ハスラー』が気にいったので、SF短篇集のこれも読んでみようかと。前半7作が晩年に書かれたもの。「変」なのもありますが、全体にまあまあかなという印象。後半6作は50~60年代に書かれたもので、こちらはSFの初心者にも読んでもらいたいような面白さに溢れてます。なかでも「金煉瓦」のバカSFぶりは秀逸。304ページ
読了日:08月16日 著者:ウォルター テヴィス
薔薇の輪 (創元推理文庫) 薔薇の輪 (創元推理文庫)感想
「ブランド」はミステリ界の有名ブランドなので何冊か読んだが、今回は乗り切れなかったな。姿を消した大女優の障害のある娘の顛末も早めに想像がつくし、殺人犯はほぼ限定されてて意外性がない。318ページ
読了日:08月18日 著者:クリスチアナ・ブランド
記憶屋II (角川ホラー文庫) 記憶屋II (角川ホラー文庫)感想
1巻で終わればよかったのに、やはり続編には無理があるような。記憶屋を調査している新聞記者が登場して、記憶を消すことの考えにブレがないのはいいが、いささかくどい。256ページ
読了日:08月20日 著者:織守きょうや
記憶屋III (角川ホラー文庫) 記憶屋III (角川ホラー文庫)感想
展開が犯人探しのようになってしまうし、出来過ぎのエピソードにもうんざり・・・。237ページ
読了日:08月21日 著者:織守きょうや
バビロン 1 ―女― (講談社タイガ) バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)感想
第二東京である「新域」を舞台に東京地検特捜部と政治家がぶつかり合うポリティカル・フィクションかと思ってたら、意外な展開に。318ページ
読了日:08月22日 著者:野崎 まど
バビロン 2 ―死― (講談社タイガ) バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)感想
「謎の女」を東京地検の正崎検事は捕えることができるのか、と思っていたら人智を超えた存在のようで、「死の権利」と共にどう落とすのか非常に気になる。今のところは最悪の状況になってしまっているが・・・。308ページ
読了日:08月24日 著者:野崎 まど
卯月の雪のレター・レター (創元推理文庫) 卯月の雪のレター・レター (創元推理文庫)感想
もしかしてこの作者に魔法をかけられていたのだろうか。読み終えて膝を叩くほど感心することも驚くこともなかったのだが。しかし今回は1編目を読み出したところで、これは(私には)ダメだと思ってしまった。そのあとのも何がどうとか言えないけど読むのがしんどかった。魔法が解けたかのよう。293ページ
読了日:08月26日 著者:相沢 沙呼
真実の10メートル手前 真実の10メートル手前感想
この作者のを読む時はハードルがとてつもなく高くなる。今回は釈然としないのが多かったが、考えたら主人公は刑事じゃないからね。最後でガッカリしたけど、コーンフレークをそのまま食べるという発想はなかったのかな。297ページ
読了日:08月28日 著者:米澤 穂信
チベットのラッパ犬 (文春文庫) チベットのラッパ犬 (文春文庫)感想
シーナワールド全開の近未来SF。かつてのようなワクワク感は薄れているが、久しぶりにこの世界を堪能。ラストは少し拍子抜けしたが。334ページ
読了日:08月30日 著者:椎名 誠
螺旋時空のラビリンス (集英社オレンジ文庫) 螺旋時空のラビリンス (集英社オレンジ文庫)感想
なかなかのタイムトラベルものと聞いて読むことに。時間遡行機を使い過去の美術品等を盗む仕事をしているルフが、至宝「冬のつぼみ」を持ち逃げした同僚を追って19世紀のパリへ飛ぶ。他人に成りすましている同僚のフォースの狙いがわからず、落としどころがあるのかと思ってたら、ヤケクソみたいな繰り返しの果ての真相・・・。まだまだ時間ものもバリエーションがありそうですね。251ページ
読了日:08月31日 著者:辻村 七子

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