恋愛や結婚するというのは、い

つ頃から始まったのだろうか。

遥かな恋の道。

 

飛田新地にゆき、桃色に照らす

部屋から声がかかり、夢か現実

かわからない世界にまどろむ。

 

飛田新地

大阪の飛田新地の前身は難波新

地で火災に遭う。

大正7(1918)年此の地に移転

して開業。同年今宮で米騒動があ

り、平成30(2018)年にこの地

で百周年を迎える。

 

 

 

飛田新地(旧難波新地火災に遭遇。大正時代に移転)

 

浮き世絵師「枕絵」

約200年前江戸時代に京、大坂、

江戸の三都に遊郭があった。

この頃江戸では、浮世絵師は競

い、枕絵を描きこれが人気を博

した。

 

喜多川歌麿「葉男婦舞喜」

ここは、江戸。

浮き世絵師の美人画で知られた

喜多川歌麿。歌麿は、生年、出

生、生年など不明である。

絵が好きで、枕絵も多く描いた

ひとりである。

「葉男婦舞喜」のなかで江戸の

庶民の新婚の夫婦を、幾組か描

いている。

 

 

枕絵「葉男婦舞喜」(十辺舎一九文・喜多川歌麿画)

 

喜多川歌麿は十辺舎一九の文を

もとに枕絵を描く。序文に

「煩悩の犬も歩けば玉門にあた

る。」とあり。

道楽人書が「したい心とさせた

い心、足と手が触れると、いじ

りまわす。」この草紙の妙手に

そそのかれ、本に毛のある筆を

勃やし、ささっと描いたという。

享和2(1802)年睦月に刊行。

 

 

 

ああいい、うういい、ああ、さ

あさあ、日本国が一つになって、

身内がとけて煮ごりになりそう

だ。

その煮ごりで、おまんまを食う

より うまいうまい うまいゝ

それいい、いいゝの いいゝ

えええ、震えのくるほどいい

よいいよ

あああ、今が肝心のところ。

もっとぐっと突っこんで。

あれさあれさ それさそれさ、

そこでさ そこでさ ゝ。

 

枕絵の世界は今とくらべると、

身なりや文化は大きくかわり、

時代も違うのだが、おおもとに

男が女を求め、セックスする快

感をを得る欲望は、美味しいも

のを食べるということとかわり

がないようだ。

 

Enjoy歌麿「枕絵(あながう)」

文化元(1804)年の5月。

秀吉の「太閤五妻(ごさい)洛

東遊観之図」を描き、幕府に捕

縛され、手錠50日の処分を受け

、以降病気になり、回復の見込

み無く2年後文化3(1806)年

9月20日になくなる。

墓所は東京都世田谷区烏山の専

光寺。戒名は秋円了教信。

歌麿については、享年50歳前後

頃と逆算し、彼の絵について語

られるが、なぜ捕縛されたか、

その理由がいまだ謎である。

 

 

歌麿「太閤五妻洛東遊観図」(享和3年・文化元年頃作)

 

歌麿の死は謎である。

歌麿は、幼少の頃より好きな絵を

描き、描けなくなるまで描いた枕

絵には、セックスをEnjoyし、ま

どろむ女性を描き続けてきた。

ただひとつ、男に抵抗する娘の枕

絵があった。

この絵の娘、厳しい目つきであな

がう姿を描いている。

この絵を歌麿が娘に懸けて幕府に

あながい、必死に抵抗していると

想える。こう思ひこのことを腹に

納めておきたい。

 

 

 

喜多川歌麿枕絵「歌まくら」

 

人類が誕生したあと、地球の覇

者となった人はさまざな文化を

生み出してゆく。

江戸で生まれた浮世絵は、明治

になり錦絵とかわり、江戸時代

をもって終り、消え去ることに

なる。その後ヨーロッパの文化

に影響を及ぼす。

 

 

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