桜にかわり、躑躅(つつじ)が

咲きかけ、花が移りかわり、と

きの流れのはやさを感じる。

 

映画を観るのにビル街の街にゆ

く。この日は舞鶴、鎌倉では2

7度で、全国的に気温があがっ

た。

 

映画は終戦近く、終戦後の闇市

の東京を舞台に、ゴジラが海に

出没し、再度東京の街を廃墟に

してしまった。

 

真っ青な空に広い海。

おだやかでいつもと同じあって

欲しい。あらわれたゴジラが

ウオーと叫ぶ。

 

戦争で傷ついた青年が、ふたた

びゴジラにどう向き合い、抗う

かというドラマであった。

 

映画を観終わった時。

ぼくが知った祖父のことをかさ

ね、涙が出てしばらく立ちあが

れなかった。

 

祖父は戦災孤児の父と亡き母と

とを育ててくれたひとだ。

祖父は夏三郎といい、ナツと呼

ばれ、祖母はアキといったそう

だ。

ここからはナツの話になる。

 

 

イメージ 4

 

 

昭和20年8月6日、広島に原爆

が落とされた。そのときにナツ

は山口県で、原爆の閃光を見た

そうだ

この日特殊潜水隊員として突撃

するために艦隊に乗船した。

基地から出航した艦隊が九州の

沖合にきたときに米軍の空・海

軍に撃沈された。

乗り組員の命が全滅。海に放り

だされた乗船者らも爆撃機の銃

弾を浴びながら命を亡くす。

こうしたなか、ナツが陸に泳ぎ

つき、助かった。

死ななかったナツは、此の地の

別府(大分県)の温泉宿の娘さ

んと出合った。

ナツはここで、昭和20年8月1

6日、天皇の「堪え難きを…」

の終戦の勅を聞く。

終戦のその年に、ナツ25歳、

アキ20歳のときにふたりが結婚

し、何故かわからないが和歌山

にゆき、子どもを産み暮らす。

 

ナツは、生涯戦争のことは一切

語らなかった。

また、臨終に際し、祖母からナ

ツのことを訊き、父は初めて自

分のことを知ったとそうだ。

 

戦後、和歌山にいたナツは自衛

隊の海軍工作隊に入隊し、のち

呉、江田島、横須賀、大阪と勤

務し、その度に、家族は一緒に、

また離れて暮らし、子どもは転

校、またはその地にとどまった

そうだ。

当時50歳で定年退職だったので

、自衛隊を退職した後ナツは、海

で橋をつくるときや、病院などで

潜水にかかわる仕事をしていたと

いう。

 

 

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和歌山の海岸

映画を見たこの日。

ゴジラと呼ばれた松井選手と並ぶ

大谷選手が、米両リーグのホーム

ラン記録を達成した。

かたや岸田首相が日米はグロー

バル・パートナーとして…云々と

結束を呼びかけている。

戦争終結から80年が経った今、

街の姿は大きくかわった。

ところが、世界は、日本は戦後と

かわらないでいる。これはどうし

てかと思いたくなる。

 

 

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