花は散っても時が移りゆくと、

新たに花が咲き、これが宇宙の

星と同じく思えてくる。

 

ひとの生涯は、花にかぎらず夜

空に光り輝く星にも喩えられる

ようだ。

第14回「星落ちてなお」の星は、

あたかも摂政の藤原兼家を懸けて

物語が展開してゆくのだった。

 

藤原兼家と長男・道隆

ときは永祚2(980)年。

藤原兼家は老いて病や呆けのため、

出家を決め、3人の息子を呼び、

後継者に長男の道隆にすると告げ

る。

 

 

藤原道長(柄本佑) 藤原道隆(井浦新) 藤原道兼(玉置玲央)

 

藤原兼家と二男・道兼

藤原道兼は兄の家隆が藤原氏の家

を継ぐことに激怒した。父を、「

正気でない!」と呼ばわりし、「

円融(天皇)に毒をもった張本人」

といえば、これに兼家は息子に「

人殺しに長がつとまるか」と、(

お前は)身分を捨て流れて行くが

いいと罵倒した。

道兼、退出しこれ以後、参内する

ことが無かった。

藤原兼家は、道隆・道長に「(俺

が)ないものと思って(家にため

に)生きよ」という。

 

藤原兼家と藤原道綱母

藤原兼家の妾・道綱母は息子・道

綱とと共に兼家を見舞う。

兼家は、いかに久しきものか、輝

かしき日々であったかという。

 

 

兼家(段田安則) 兼家妾・藤原寧子(財前直美) 藤原道綱(上地雄輔)

 

兼家と五男道長・妻明子

道長の妻・明子は妊娠していた。

明子は道長に嫁いだのは、道長を

愛しいからでなく、心と身なんて

関係なく、自分の父の無念を果た

し、憎き兼家を呪詛で呪い殺すこ

とであった。

 

 

源明子(父・左大臣源高明、母・藤原師輔の五女・愛宮、弟・源経房)

 

まひろと清少納言

まひろと清少納言は、道隆の漢

詩の会で再会。

清少納言はまひろの邸に来て、

漢詩の会は所詮、道隆の息子・

伊周の婿入りの相手探しだと批

判し、自分のことを語る。

6月に父は亡くなり、私は夫を

捨て、わたくしのために生きよ

うと思う。

 

 

まひろと清少納言(ファーストサマーウイカ)

 

藤原兼家と道綱母

藤原兼家、永祚2(990)年7月

26日没、享年61歳。

 

 

藤原兼家(段田安則)

 

藤原道綱母は、天禄5(974)年ま

で20年間の藤原兼家との結婚生活

を「蜻蛉日記」に綴る。

「小倉百人一首」での道綱母が詠

む歌。

なげきつつひとりぬる夜の

明くるまはいかにひさしき

物とかはしる

闇の中でふたりが通じ合う姿が現

れ、けなげな女の心の奥底を詠む。

 

 

 

藤原道綱母(財前直美)と藤原兼家(段田安則)

 

藤原道隆と道長

摂政になった道隆。

道隆は摂政になり、蔵人頭に息子

・伊周を任じ、一同驚く。

さらに一条天皇の中宮になった(

娘の)定子を皇后にするといい、

すでに亡き先の帝の皇后が存命の

なか、これまで前例がないことで

、弟の道長にこれを命じた。

 

 

藤原伊周(三浦翔平 道隆(井浦新) 道隆妻・高階貴子(板谷由夏)

 

が起こるかわからないのが、

この世で、安倍晴明は夜星をみ

て、星落ちて短いと予見してい

た。

 

 

安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)

 

まひろ(女の道)

父・藤原為時は、花山天皇から

一条天皇にかわり、官職を離れ

仕事もなく、つつましく暮らし

ていた。

親戚の藤原宣孝が訪ねて来、三

日前に摂政の兼家が亡くなった

と耳にする。宣孝が国司になっ

たことも聞く。

まひろは、女の子に字を教え、

世をかえていきたいとつづけて

きたがその子の父親に、ひとに

は暮らしがあり、慰めごとをす

るなと告げられる。

まひろ、ゆく女の道は甘くはない。

 

 

まひろこと紫式部


「おごれる者たち」につづく

(光る君へ⑮)

藤原為時(一家)

父・藤原為時    :岸谷五朗

母・藤原ちゃは   :国仲涼子

まひろ(のち紫式部):吉高由里子

弟・藤原惟規    :高杉真宙

藤原宣孝      :佐々木庫之助

(のち紫式部の夫)

 

摂政・藤原兼家(一族)

藤原兼家   :段田安則

妻・時姫   :三石琴乃

 

一男・藤原道隆:井浦新

道隆妻・高階貴子:板谷由夏

娘・定子(のち一条天皇の中宮)

長男・伊周:三浦翔平

 

二男・藤原道兼:玉置玲央

妻・兼家の妹藤原繁子:山田ミヌヲ

 

五男藤原道長柄本佑

道長の妻

源倫子:黒木華

長女・藤原彰子:見上愛(一条天皇妃)

道長の妾

藤原明子:瀧内公美

 

三女・藤原詮(円融天皇・女御)

一条天皇(諱:懐仁・やすひと7歳

即位)の母(:吉田羊)

 

超子:冷泉天皇妃(三男一女産む)、

三条天皇の母、982年没

 

兼家妾・藤原寧子(財前直美)

(「蜻蛉日記」作者)

藤原道綱:上地雄輔

(道長異母兄)

 

左大臣源雅信(一族)

源(藤原)雅信   :増岡徹

妻・藤原穆子    :石野真子

源倫子       :黒木華(のち道長の妻)

(道長との娘・彰子→一条天皇妃)

赤染衛門:風稀かなめ(倫子に仕える女房)

 

天皇家

円融天皇

円融天皇    :坂東巳之助

女御・藤原詮子 :吉田羊

嫡男・懐仁親王(のち一条天皇7歳で即位)

一条天皇・妃(彰子・道長の娘)

 

花山天皇

花山天皇    :本郷奏多

藤原忯子    :井上咲楽

叔父・藤原義懐 :高橋光臣

乳母子藤原惟成 :吉田亮

 

太政大臣・藤原頼忠(一族)

太政大臣・藤原頼忠 :橋爪淳

息子・藤原公任 :町田啓太

娘・藤原遵子  :中村静香

 

公家・側近

藤原実資 :秋山竜次 日記「小右記」

藤原斎信 :金田哲

藤原公任 :町田啓太

藤原行成 :渡辺大知

安倍晴明 :ユースケ・サンタマリア

 

清原元輔 :大森博史

ききょう :ファーストサマーウイカ

(清少納言:一条天皇妻・定子に仕える) 

盗賊 ・散楽師 :毎熊克哉

作:大石 静

 

紫式部と道長(年譜)

永祚2(990)年

1月一条天皇元服。定子入内する。

(2月定子、女御となる。)

5月兼家、関白となり、道隆、

摂政となる。

6月清原元輔、任国肥後で死去。

7月兼家死去。

10月定子、中宮となる。

権中納言道長、中宮大夫を兼ねる。

正暦2(991)年

1月伊周、参議となる。

2月円融法皇崩御。

7月伊周従三位に、高階成忠従二位

に序せられる

正暦4(993)年

4月摂政道隆関白となる。

11月清少納言(27歳)宮に初出仕

5月関白道兼、死去。道長に内乱の

宣旨。

7月この頃から伊周と道長の論争。

隆家従者と道長従者の闘争相つぐ。

長徳2(996)年

伊周・隆家、従者に花山法皇を射

させる。同藤原為時が越前守に任

ぜられ、紫式部ともに下向する。

4月伊周を太宰権現に、隆家を出雲

守に左遷。

5月中宮定子、二条邸において出家。

同、伊周を播磨に、隆家を但馬にと

どめる。

10月高階貴子重病により伊周入京。

露見し筑波に追われる。同月貴子死

去。

12月中宮定子、脩子内親王を出産。

長徳4(998)年

7月詮子、天皇、病のため大赦。

紫式部(25歳)、父の任国より帰

京し、宣孝と結婚。

長保3(1001)年

4月紫式部(28歳)、宣孝と死別。

『源氏物語』の執筆始まる。

 

 

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