季節は梅が咲き、杉の実が膨らむ

頃になった。

街の春木川沿いにある兵主神社に

ゆく。

兵主神社(ひょうずじんじゃ)の

祭神は天照皇大神、八幡大神、菅

原道真公だった。

 

 

延喜式内社兵主神社(岸和田市西之内町1-1)

 

春木川沿いの南側の鳥居前に来ると

雨が降りだし、広い大きな境内のク

スノキの下で雨宿りする。

此処から拝殿を見ると両側にピンク

と白のしだれ梅が咲いている。

僅かな時間のあいだに狐の嫁入りの

ように空が晴れだした。

 

 

 

兵主神社(加守郷12ヵ村の総社の拝殿

 

兵主神社(由緒)

兵主神社は天正年間(1573-159

3)に兵火にあい、記録を焼失する。

創建年代は不明だが、延喜式神名

帳に和泉国泉郡式内社28座のひと

つとして記載されている。

本殿(重要文化財)は豊臣秀吉が

再建し明治6(1873)年に郷社に

列格する。

 

<末社>

境内の北側に末社があり、西から

東側に順に境内をゆく。末社には

それぞれの祭神が祀られている。

 

龍王神社(豊玉姫命)

 

 

龍王神社(豊玉姫命)

 

三宝荒神社・牛神社

 

 

三宝荒神社(三宝荒神)牛神社(牛頭天王)

 

稲荷神社(豊受姫命)

 

 

稲荷神社(豊受姫命)

 

大宮戎神社(事代主命)

 

 

大宮戎神社(事代主命)

 

厳島神社(市杵島姫命)

 

 

厳島神社(市杵島姫命)

 

兵主神社(大宮)

兵主神社の本殿は国重要文化財に

指定され、また境内の森(社叢)

は本殿を取り囲むように植生し岸

和田市指定の天然記念物である。

最近、雨が幾日も降りつづけるが、

兵主神社には雨乞いでの能面「天

降の面」(9面)があり、能面は

信仰と関連が深いことから、市の

文化財指定となっている。

また兵主神社は大宮と称され、最

寄り駅の和泉大宮駅(南海本線)

はこれに由来するという。

 

 

和泉大宮兵主神社

 

兵主神社(祭神・祭礼)

兵主神社の祭神は天照皇大神、八

幡大神、菅原道真公で、兵主神社

の祭礼は次の通り。

祭旦祭    1月1日

恵比寿債祭  1月10日

稲荷祭    旧初午の日

春祭     4月15日

夏祭     7月10日

牛神祭    8月7日

秋祭     10月

(敬老の日の前日・本宮)

冬祭     12月10日

 

兵主神社ー名前の由来ー

兵主神社の名前の由来だが、兵主

神社を名乗る神社が各地に数多く

ある。

穴師坐兵主神社(奈良県桜井市穴

師)はそのひとつで、兵主は穴師

と関係があり、アナシは戌亥(北

東)の風のことで、この風を利用

して製鉄を行ったとする説である。

兵主神はもともと中国の兵器の神

、半人半獣の姿の「蚩尤(シュウ

)」の別名であるいわれている。

兵主神社と泉穴師神社

ところで岸和田の兵主神社は和泉

五社のひとつの泉穴師神社(泉大

津市豊中町)の次に「延喜式」神

名帳に記載されている。これが

これから伝えたいことの意味をも

つ。兵主神社の北東約4kmの位

置にあるのが泉大津の式内社(和

泉五社のひとつ)の泉穴師神社で

ある。つまり兵主の地からの風を

利用して北東の地で製鉄していた

のは穴師の地であったという伝承

である。

 

 

 

式内泉穴師神社(泉大津市豊中町)

式内社

「延喜式(716年)」神名帳に記

される式内社は神武天皇(東遷)、

三韓征伐の神功皇后とゆかりがあ

る。

京の都に近い和泉国の式内社には、

京の都の神社が遷座し、古代から

の悠々の文化・行事を受け継ぎ

に至る興味深いものがある。

 

 

兵主神社(由緒記)

 

春木川沿いの兵主神社から東隣の

中央公園(旧春木競馬場跡)の森

の中を通って、第二阪和道を越え、

JR阪和線下松駅まで約60分散策

する。

 

 

兵主神社(岸和田市西之内町1-1)

 

 

穴師神社(泉大津市豊中町1丁目1-1)

 

 

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