おじさんよ立ち上がれ(ヨビジホ受験・その9) | ちょんまげインプの部屋

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(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

一般?技能?

 

ある程度の年齢を越えた人=おっさんが公募予備自衛官になろうとすると、これまでは技能公募でしか門戸が開かれていませんでした。

技能は、語学や衛生、あとは建築とか法曹とかITとか、そういう専門性が求められるもので、その技能に応じて52~54歳まで応募できます。

なので、そういった技能を持ち合わせていない我々フツーの民間人のおっさんは、予備自衛官補に応募することができませんでした。

ワシも昨年までは「ああ自分に何か技能があればよかったのに」と思っていたものです。

それが、今年から一般公募が51歳までとなったことから、技能のある51歳までの方は、技能公募でも一般公募でも、どちらでも受験することができるようになったわけです。

 

では、そういった技能所持者で51歳までの方は、一般と技能、どちらを受けたほうがいいでしょうか。

当然ながら、そういった技能を持っている方なら、ふつうは技能公募を選択することになると思います。

なにより予備自衛官になった以降、自分の持つ技能の専門性を生かせるわけですから。

しかし専門的技能は一旦置いといて、予備自衛官という点を重視して考えてみると、必ずしも技能のほうがいいとも言えないのです。

それを以下にまとめてみます。

 

訓練日数の問題

一般公募は3年で50日の訓練を受けて予備自衛官に任官しますが、技能はそれが2年で10日。

あまりにも短いのです。

普通の自衛官候補生の訓練をものすごく凝縮したような一般公募の50日の訓練でさえ(休暇の取得が困難という点は抜きにすれば)短く慌ただしいのに、それが僅か10日というのは・・・。

おまけに2年目の5日のうち数日は、それぞれの技能ごとの訓練(講習?)に充てられるので、自衛官そのものとしての訓練時間は、一般の1/5どころではない少なさ。

これで実際にどこまで自衛官としての素養が身につくのか、ちょっと心配になってしまいます。

 

階級の問題

一般は、任官すると予備二士となり、最下級から徐々に昇進していきます。

いっぽう技能は、任官するとその所持技能の他、その業務に就いていた年数を考慮された階級が付与されますが、それが曹から尉~佐官という、最初から「エラい人」になるのです。

エラい人となると、任官後もしその集団の中でいちばん高位だったら、その人が指揮をしなければならなくなります。

それが10日しか訓練をしていない不慣れな人だとしても、です。

実際に辞令交付式では、号令をかける代表者は技能公募の採用者から選ばれたりしています。

実際に技能の方からも、

「自分が現場で部下を掌握するのに、訓練日数が少なくどんなことをしているのか分からない」

「怪我の治療や看護をする際、一般的な自衛官がどのような訓練をして生じた怪我なのか分からない」

…ため、一般公募の訓練も受けてみたいという声が出ています。

もちろん技能公募の人は、偏見かもですが一般の人よりも仕事を空けるやりくりが大変かもしれず、これ以上技能の訓練日数を増やされてはたまらないかもしれません。

しかしこれから専門性を発揮しつつ部下も掌握して活動することになる技能公募予備自衛官には、それなりの経験と自信をもって任官してほしいなと思うところです。

そのためにはあと1コマ(5日)くらい訓練日数が多いほうがいいと思うのですが…

 

即応予備自衛官の問題

一般の予備自補は、任官後に即応予備自衛官になれる道があります。

もっとも即応予備は年齢制限があるので、新たに年齢引き上げとなった50歳近くの人は対象外ですが、もっと若い人だったら、即応予備自衛官になることもできます。

それが、技能だと即応予備にはなれないのです。

まあこの点についてはそれほどの要素ではないと思いますが、「ならない」のと「なれない」のでは天と地ほどの違いがあります。

 

というわけで技能公募で受験しようとお考えのおっさんの皆さん。

もちろん技能を生かすことも大事ですが、一般公募という選択肢があることも覚えておいてください!

 

 

[関連記事]

―準備編―

*その1「応募しよう」

*その2「試験準備」

*その3「試験勉強」

―本番編―

*その4「WEB試験」

*その5「面接」

*その6「身体検査」

―その後編―

*その7「合否発表その後

*その8「買い物」

*その9「一般?技能?」