おじさんよ立ち上がれ(ヨビジホ受験・その1) | ちょんまげインプの部屋

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これであなたも立派な変態。
今後ともどうぞよろしくっす。

(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

*やってみなけりゃ分からない

【大事な予備役制度】

軍備は重要ですが、平時から常に最大戦力を常備しておくのは国家財政に大きな負担がかかるもの。

そのため、退役した軍隊経験者が平時は民間人として社会生活を営み、有事の際には兵士や将校として馳せ参じる「予備役」という制度がどこの国でも整備されています。

戦後日本でも、自衛隊を退官した人がその後も予備役となる「予備自衛官」という制度が設けられています。

ただそれは、あくまで自衛官を退官した後の予備役、でした。

それが21世紀になって、自衛隊経験のない民間人でも一定期間の教育訓練によって予備自衛官になれる「予備自衛官補(以下:予備自補)」の制度がスタートし、民間人が自衛官になれる道が拓かれたのです。

発足時の「一般公募」の予備自補の年齢要件は、18歳~33歳まででした(語学や衛生、整備などの「技能公募」は50代まで)。

一般公募予備自補の場合、試験に合格すると3年で50日間、仕事や学業の傍ら教育訓練に出頭すると、晴れて予備自衛官に任官します。

予備自衛官になると、毎年5日の教育訓練の招集に応じたり、有事の際の防衛招集や災害招集に応じる義務が生じます。

それでも受験できるのは33歳まで、つまりあくまで青年層が対象でした。

 

【一般公募は一気に年齢拡大】

(上限は51歳に)

その一般公募の予備自補の年齢要件が、令和6年1月に、一気に52歳未満に引き上げられました(たまにネットで52歳までと勘違いしている人が見受けられますが、52歳未満=51歳までですヨ)。

これはかなり衝撃的なニュースでした。

少子化や国民の意識の変化等で常備も予備も自衛官が不足している背景があり、未経験の51歳を採るほど自衛隊はヒト不足になっているのでしょう。

しかしそんなトシの人が受かったとしても、訓練についていけるのか・・・?という至極当然の疑問が生まれた反面、

「ワシも受験することはできるではないか!」

という思いも。

そんなわけで、ワシも予備自補の受験に挑戦してみたのです。

(やってみなけりゃ分からない)

おそらく世の中のワシと同世代のいわゆる「おじさん」諸兄も、

「それなら俺も挑戦してみようか」

と思う人が大勢いるのではないでしょうか。

もちろんなれるかどうかは分かりませんし、予備自補に合格しても訓練についていけるかどうかは分かりません。

でも宝くじだって買わなければ確率ゼロ。

受験しなきゃ分からないのです。

それに宝くじなら買う気があれば誰でも買えますが、予備自補はいくらやる気があっても、年齢オーバーでは受験すらできません。

だったら年齢要件をクリアしている人は、受験しないともったいない!

しかし急に年齢要件が緩和されたことに加え、数年前に試験科目にも変更があったりと、予備自補は情報が混乱している部分もあり、ワシもネット等で情報収集をしたものの技能公募の話だったり少し古かったりと、最新の一般公募の状況について不明な点ばかりでした。

そんなわけで、予備自補の受験について自分の経験を解説していきますので、同様な思いのおじさん諸兄の参考になれば幸いです。

え?

結果はどうだったって?

まあ結果なんていいじゃないですか~、大事なのは

「頑張ったかどうか」

ですから(笑)

「宝くじの1枚300円は抽選日までに見れる夢の代金」

だと思えば、人生ラクになります。

※お話するのは陸上自衛隊のハナシです。

 

 

*相談~応募

【募集は年2回】

予備自補の募集は、春と秋に実施されています。

気を付けたいのは、前半(春の回)で枠が埋まると、後半の募集がないこと。

なので年齢ギリギリの方は、春のうちに申し込んでおかないと、

「最後のチャンスなのに募集がないよ~!」

という悲しい事態になる可能性も大いにあります。

ちなみにワシは、年齢要件が緩和された今年の春の回が年齢制限ギリギリだったので、受験できることを知って最後の機会で受験するまで3か月以内、一度は「どうせ無理」と諦めかけて思い直し試験対策を始めたのが1か月以内と、まさに背水の陣で準備不足のまま臨むことになったわけです。

まだ年齢ギリギリでない人は、そこまで慌ただしくないでしょうから、じっくり対策して準備しましょうね(笑)。

 

【チホンの出張所に行くべし】

常備もそうですが、予備自補の受験は、受験者の住所によって管轄の地方協力本部(地本)が異なるので、ネット等で自分の所管がドコ地本なのかを調べましょう。

地本WEBサイトに直接ネット応募もできるのですが、個人的には地本の出張所(出張所、地域事務所、募集案内所などいろいろある)に顔を出して相談することをお勧めします。

出張所は受験者の住所ごとに受け持ち区域が決まっているので、ワシは会社のすぐそばに〇〇出張所があったので電話してみたら、

「お住まいが××なので××募集案内所にお電話を…」

となりました。

そこで電話だけでなく実際にお邪魔して広報官サマと顔つなぎをしましたが、これはけっこう大事だったと思います。

何より初めての経験なので、誰か面識のある人に相談できるとできないとでは、かなり違ってくるから。

またどの広報官サマも自分が担当する受験者には当然合格してほしいので、いろいろとアドバイスをしてくれます。

おかげで試験対策の虎の巻(?)ももらえたり、とても助かりました。

広報官サマにはいろいろ疑問や不安な点について質問をするべきですが、さすがに顔つなぎの時に一気に全部疑問が出てくるわけでなく、その後試験や合格発表までにいくつも何度も疑問が出てくると思います。

そんな時に頻回に質問できる広報官サマだといいのですが・・・ワシの時には募集案内所の「公式LINE」で常時やりとりができて助かりました。

ただ、こればかりはその地本によりますし、ワシの担当官サマは予備自補に詳しくなく、そこがちょっと困りました(笑)

 

【応募しよう】

前述のように、直接地本WEBからネット申し込みもできますが、ワシは募集案内所で用紙をもらい、前時代的な「紙+郵送での応募」をしました。

もちろん出張所で広報官サマに顔つなぎをしたうえでWEB申込、でもいいとは思います。

ちなみに応募用紙は、てっきり企業への応募の履歴書のようにたくさん書くのかと思ったら、記載する箇所は必要最小限で、また志望動機を書く欄もなかったので、とても簡単(数分で完成するくらい)。

写真は証明写真で撮ればよく、WEB申込の場合はデジカメやスマホで撮ったデータを送信すればOK。

紙応募の写真貼り付けの注意ですが、これは元々そういう指示がありますけど、写真を貼り付ける前に写真の裏に自分の名前等をボールペンで記載すること。

なぜかというと、書類から写真が剥がれ落ちることがたまにあるから。

そうなるとこの写真は誰のだ?ということになってしまうので、裏に名前等を書いておくのです。

なお、返信用封筒に切手を貼って自分の住所を書いて同封するのを忘れないように。

まあ返信封筒を忘れても試験の点数には影響しないでしょうけど・・・

そして応募書類が受理されると、受験票や試験や面接の案内が返送されてきます。

受験票も案内も大事なので、よく読んでおくと共に、大切に保管しましょう。

ちなみにワシは、けっこうぎりぎりに応募用紙を提出したので案内の返送も本当にギリギリになって、けっこう焦りました。

なんせ近年は郵便局が省力化やらなにやらで普通郵便の到達に日数がかかるようになり、ワシの場合応募書類の送付して到着まで3日、案内の返送が投函から配送までなんと4日もかかったので・・・。

 

【本業との調整は必須】

いくら試験に合格しても、教育訓練に出頭できないのでは話になりません。

予備自補は3年間で50日、内訳は1年目20日・2年目20日・3年目10日という、仕事をしている人にはかなりハードルの高い日数で出頭しなければなりません。

教育訓練は連続5日(=四泊五日)ごとで、初年度は初夏~冬の間にあるA課程・B課程・C課程・D課程を4回、計20日受けるという計算になります。

ただ、一部で土日を含むパターンを選択することもできます。

とはいえそれでも厳しいのは変わらず、勤務先の理解と了解、職場での仕事の調整もしておかなければなりません。

といっても事前に公表してから試験に落ちるとみっともないので、ワシは会社の雇用主側(人事総務系)と直属の上司には予め受験の了解を取っておき、職場の同僚たちには合格した後で言うつもりでした(落ちたら言わないで済む)。

 

※どこにもアナウンスがなかった衝撃の事実。

東部方面隊では令和4年に第1段階(1年目)のABCの次のD課程が廃止され、今は3年間で計45日になるようです(5日減った代わりに最初の出頭の前にEラーニングでの自習が加わったらしい)

そういう割と重要なことはアナウンスしといてほしいなあ。

また、方面隊によってはA課程をEラーニングに代えるところもあるそうです。

受験者を増やす対策というより、その方面隊ごとの事情によるものかもしれません。

 

↓面白いですヨ(でも今となるとちょっと古い話かも)

 

 

(つづく)

 

[関連記事]

―準備編―

*その1「応募しよう」

*その2「試験準備」

*その3「試験勉強」

―本番編―

*その4「WEB試験」

*その5「面接」

*その6「身体検査」

―その後編―

*その7「合否発表その後

*その8「買い物」