おじさんよ立ち上がれ(ヨビジホ受験・その7) | ちょんまげインプの部屋

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これであなたも立派な変態。
今後ともどうぞよろしくっす。

(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

 

*試験のその後

予備自補の、受験までについてはネットであちこちで語られていますが、受験を終えた後のことまで詳しく書いているサイトがあまり見当たりません。

技能公募だとネットでもSNSでも割と語られることが多いようなのですが、一般公募だと情報が少ない(意識の差???それとも一般は脱落者が多い?)

というわけで、自分の経験の他、周囲の経験者各位のアドバイスや情報を元に、一般公募での予備自補の試験後のことについて、いろいろ書いていきます。

 

【前半試験の合否は5月末】

(合格しなかったら…)

毎年、前半の受験申込は1月~4月上旬で、試験が4月中旬、面接と身体検査が4月下旬、合格発表は5月末。

合格発表は指定日にその県の地本HPに掲載されるので、ネットで受験番号から探します。

ちなみに探す時に受験番号を勘違いして覚えてたりすると、一度

「ない・・・落ちた・・・」

と軽く絶望を味わい、そして

「あっ違う番号だ!」

となってから再度

「やっぱり落ちてた…」

と二重に絶望を味わうことになるので注意しましょう(笑)

・・・で、合格しなかったものの、まだ年齢と気力に余裕がある方は、すぐ次の受験の準備を。

おそらく6月から、その年の第二回目の受験申込が始まると思います。

受験も2回目ともなれば慣れているはずで、初回に比べたら力を入れるべき点も分かってくるでしょうから、確実に合格できる心づもりで臨むべきかと思います。

問題は、2回ならまだしも、3回続けて受験して不合格だった場合。

司法試験のようにとにかく勉強して知識を!暗記を!というような試験ではないのですから、4倍前後の試験で3回続けて落ちるというのは、適性が全くないと言えますね…。

(補欠合格したら…)

こういうものは合格しても辞退する人は当然いるので、それを見越して多めに採用されます。

ただし補欠は「辞退者が出たら」お鉢が回ってくるということなので、お鉢が回ってこないこともあります。

なので補欠合格の通知が来たら、諦めの心境で待ちましょう。

周囲に補欠経験者がいないので想像ですが、辞退者が出てお鉢が回ってきたら「応諾しますか?」の連絡が、おそらく通知の前に電話が来るんじゃないかと思います(先方も急ぐため)。

で、辞退者が少なくてお鉢が回ってこなかったら、連絡はないかもしれません。

そこまで親切ではないと思います・・・。

(合格したら…)

合格者にはすぐに「合格者名簿に登載された」という通知+応諾するかの返信ハガキがまとめて届きます。

合格ではなくあくまで「合格者名簿に載った」だけなので、「応じます」と回答して初めて候補者になるわけです。

ここまで来て「やっぱりやめた」となるのは勿体ないですが、会社や家族の理解を得られないこともありえるので、試験を受ける際には少なくとも家族に、そして会社にも遅くとも合格したらすぐ承諾を得ましょう。

応諾の返事は一週間くらいのうちにしないと名簿から消されてしまうので注意。

ちなみに地本によっては、別途個別に連絡くれるところもあるようです。

(SNSには気をつけよう)

これから自衛隊関係者になるうえで常に気を付けてほしいのは、情報の保全

SNSを見ると、自分の受験票で名前は隠して受験番号を写して「予備自補うかりますた」…とかいう投稿がけっこう見受けられます。

ソレ自体が即問題なのではありません。

そのように軽々しくネットに自分のそういうことをUPする人は、予備自衛官に任官した後にも同様のことをしかねないのです。

例えば災害出動で、自分の所属するどこそこ連隊が出発しました~とかいう投稿もたまにSNSで見かけますが、それも立派な「防衛機密の漏洩」となってしまいます。

それが防衛出動だったらどうでしょう。

自衛隊としても入隊後にそういうことをされてはたまらないでしょうから、本当かどうかは置いといて、前述のようなSNS投稿はチェックされていると思ったほうがいいと思います。

チェックされていないとしても、そういう投稿はダメです。

そういう軽率な行為が結果的に日本の国防を危うくすると思ってください。

第二次大戦の時には、米軍が孤島の日本軍陣地のトイレの数から兵力規模を正確に把握したというような話からしても、些細な情報を総合することで敵の兵力や動向を掴むことができてしまいますので・・・

 

 

*辞令や招集命令はまだ先

【なかなか来ない通知】

SNSを見て見ると、6月10日頃に詳細の通知が来たと投稿している人がいましたが、中には6月中旬の人もいました。

ちなみにワシが聞いた中で最も遅い人は、なんと6月最終週だったそう。

7/1採用の辞令が交付されるというのに、ずいぶんギリギリな地本もあるものです。

おまけに事務に精通しているわけでもない隊員さんが担当として事務をしているせいか、届いた書類に不足があったり、案内の内容が簡素すぎてさっぱり分からず、結局のところ電話で地本に問い合わせないと理解できないようなケースも多々あるとか。

まあ自衛隊も「役所」ですし、隊員さんも手が足りず大変でしょうから、寛容の心でいましょう。

これくらいでカッカしているようでは、これから3年間やっていけません。

ただ、大学生さんは別にして、会社あるいは役所勤めの人の場合、会社に許可を得るためにいろいろと手続きが要ると思います。

手続きは会社によって違いますが、最大なポイントは「手当てが1日8,800円支給される」というところで、これが副業あるいは兼職という扱いになるので、それを会社に認めてもらわないといけません。

中には「副業禁止」を楯に「やっぱり許可できません」となる会社もあるかもしれないので、そこは合格と同時に会社に伝えておかないといけませんね。

でも会社に許可を得るためにも、各種通知は早く送ってほしいものです。

 

【辞令・招集命令は別】

予備自補採用の最大の証拠でもある「辞令」は辞令交付式でないともらえませんが、その辞令をもらう「辞令交付式」がまた別にあります。

中には休日に開催される地本もあるようですが、平日の地本も。

おまけに辞令交付式は本来は採用日の7/1に近い日付で開催されるべきですが、これが地本によってバラバラで、7月アタマのところもあれば下旬のところもあります。

(追記)今年(R6)は、7月中旬のところが多いような感じ。

これも平日なら休暇の申請をしないといけないし、休日でも予定を空けておかなければなりません。

なのでいつ辞令交付式があるか、という点についても早めに教えてほしいものですが、前述のように通知は遅いところでは6月末にもなってしまいます。

もちろん本業優先なので、式に出席できなくても大丈夫なのですが、少しでも自衛隊という組織に「先に」触れておくのはのちのち役に立つので、なるべくなら参加しましょう。

またかなり重要な「訓練招集命令書」「予備自補手帳」は、訓練出頭の直前にならないと交付されないそうです(これがないと駐屯地に入れない)。

理由は、近年は「やっぱヤーメタ」という採用者が多く、そうなると回収の手間がかかる(&ばっくれるヒトもいる)ので、出頭が決まった採用者にしか送らないんだとか。

 

 

*気になる訓練日程

【訓練は7~2月】

予備自補を受験しようと考える社会人にとっておそらく最も関心度が高いであろうのが、訓練って「いつ」あるの?という点。

もともと

・5日で1セット(四泊五日)

・第一段階で4セット

・第二段階で4セット

・第三段階で2セット

…ということは募集パンフにも載っていますが、それがどんな時期に実施されるのか、どれくらい選択肢があるのか…はどこにも書いてありません。

ワシが受験しようかどうか迷い悩んだのがコレでした。

いくら試験に受かって、会社に承諾を得られたとしても、物理的に参加できない可能性があるのでは困ります。

結論としては、訓練は

・おおよそ7月~2月の間

に集中していました。

これは自衛隊候補生(常備の新人自衛官)の教育がひとまず6月で終了するために教育隊が空くから、でしょうか。

でもこれを知ってワシは受験を決めたのです(ワシの今の職場は春が繁忙期で出頭ができないから)。

で、訓練はABC~Jまでの10セットが実施され、それぞれが四泊五日の5日間ですが、予備自と違って予備自補は分割出頭はできません。

 

【訓練日程だけは先に分かるものの】

で、春の合格発表があった直後、同じ東部方面隊の中でなぜか東京地本のHPにだけ、他の地本に先駆けて予備自補訓練日程表(東部方面隊のもの)が出ていました。

※あくまで東京地本の中での定員。

既述のように、東部方面隊ではDタイプが廃止されているので、この表でもDはありません。

さて、第一段階ではA→B→Cの順に受ける必要がありますが、夏の間にABCと一気に受けてしまってもいいし、Aを夏に受けてBが年末、Cが年始という順番でもOK。

夏の間にABCを一気に受け、秋にEFを続けて受けることも可能のようです。

ちなみに訓練は「3年以内」に50日だそうなので、頑張って2年でクリアする猛者もいるそうです。

もちろん順番もあるので1年でというわけには物理的にいきませんが、うまく順序を組み立てると、確かに2年でいけないこともない。

ただし会社員には、有給休暇の日数の関係で不可能でしょうね。

 

【なかなか取れない予約】

はい、日程は分かりました。

選択肢もいくつかあります。

じゃあ自分で都合のよさそうな日程を選んで予約を・・・と言いたいところですが、それがまた困難なようです。

全部の方面隊の話ではないと思いますが、例えば東部方面隊ではD課程が廃止された代わりにEラーニング受講が必須になり、そのEラーニングを受講しないと出頭(訓練予約)はできなくなりました。

おまけにその事実が、丁寧に広報・通知されてないとか…

※地本によってその辺りの丁寧さは違うっぽい。

さらに採用直後の日程は、すでに前年採用の方々が先に予約をしていて、すでに埋まっていることが多いそうです。

ある7/1採用者のケースだと、職場と家庭の状況を勘案して日程を精査し、

「Aを7月下旬、Bを8月上旬、Cを8月下旬、Eを秋に」

と意気込んで予約をしようとしたところ、前述のようにEラーニング受講の後の訓練になるため、都合の良かった早いうちの空きが全く無く、結局のところ秋から冬の訓練日程になってしまったということでした。

また別の12/1採用者のケースだと、採用直後の冬場の訓練に空きがなく、最初のAタイプの出頭が翌年の夏にズレ込んだそうです。

このように選択肢があるのに選択の余地がないというのは、訓練を受ける身としてはかなりのハードル。

このせいで出頭できなくなり途中で断念した…という社会人の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

あるいは休暇が取れる環境にある人でも、せっかく試験に受かったのに訓練が半年も先だと、意欲が減退してしまうかもしれません(意思が弱い!と決めつけるのは簡単ですが、人間というのはそういうものです)。

もっとも、2年目の日程は早期に押さえられると思います(だから翌年の新採用者が困ることになる)

ちなみにA~C課程に比べてE~H課程の回数が少なく、さらにIJ課程はもっと少ないのは、どんどん脱落する人が出るから。

しかしその脱落の理由が日程の問題だとしたら、実に残念なことです。

こういう点はどうにかならないものでしょうか…。

余談ですが、D課程(東部方面隊の場合はC課程)では「10km行軍」訓練があり、そこは夏場だとキツいので冬場に持ってくるといいそうです。

もっとも、後にある25km行軍の練習みたいなもので10kmなんてそまだまだと言われそうな気がしますが、それでも夏場の10km行軍で何割かは脱落するそうなので、参考にしてもいいと思います。

とはいえ、10km行軍を冬にやった後で暑い時期に25km行軍をすると余計に苦しい思いをするんじゃないかとも思いますが・・・

 

 

・・・というわけでいろいろ書いてきましたが、一旦はここまで。

合格~採用された人は7/1以降は守秘義務が課されるので、ワシのような部外者には情報がなかなか入手できなくなってしまいます。

それでも予備自補経験者の知人はたくさんいるので、丹念に情報を収集して、実際に出頭する方々の足しになるようなブログを書いていきます。

皆さん頑張ってください!

 

 

(つづく)

 

[関連記事]

―準備編―

*その1「応募しよう」

*その2「試験準備」

*その3「試験勉強」

―本番編―

*その4「WEB試験」

*その5「面接」

*その6「身体検査」

―その後編―

*その7「合否発表その後

*その8「買い物」