*面接・身体検査
【会場は駐屯地】
(駅チカにはない)
ワシの面接は、WEB試験の2週間ばかり後の、4月下旬。
土日のうちどちらかを指定される(希望はできない)のですが、ワシは土曜でした。
日曜だったら「土曜に追い込みの面接対策ができる」という利点があったかもしれませんが、早く緊張から解放されたかったので、むしろ土曜で良かったです。
会場は県内のどこかの駐屯地が指定されますが、受験生の住所によっては同じ県内でもえらく遠く不便なところになるかもしれないので、事前に行き方は確認しておきましょう。
持ち物はもちろん指定されますが、受験案内と受験票の他に筆記用具、あとは身体検査用に半袖Tシャツ(無地)、短パンが必要。
あとは昼食です。
しかし当日は忘れ物をする受験生がけっこう多く、(皆さん大丈夫か…?)と思ったものです。
地本と顔つなぎをしていないのか、それとも受験案内を見てもいないのか…。
当日の朝、最寄り駅で降りてみると、明らかに同業者と思しき人たちがチラホラと同じ方向に向かって歩いてるので、多少道が不安でも意外にイケると思います。
当然、駅チカに駐屯地なんてないので、時間を見誤って遅刻しないよう、また焦って走って体力・気力を消耗しないよう、余裕を持って向かいましょう。
(順番は分からない)
学科試験がWEBになったコロナ後は、試験会場で実施するのは面接と身体検査のみ。
で、受験生としてもっとも関心が高いであろう「面接と身体検査、どっちが先?」というのは、現場に行かないと分からないのです。
というか、現場に行っても分からないというのがワシのケースでした。
なぜ順番が気になるのかと言うと、身体検査が先でしかも朝のうちなら朝食に気を遣う必要があるためです(尿検査に影響が出る)。
確実に言えることは、前夜にはアルコールや脂っこいもの、ビタミンCの入ったドリンクなどは避け、当日の朝食は軽めなおにぎり等にしておく、ということ。
決して朝から牛乳や果実ジュースをがぶがぶ飲まないように。
ただ、飲食物に気を遣うのはあくまで尿検査対策で、メンタル的には面接に照準を合わせるべきです。
面接をなるべく最高のコンディションで臨むためには、やはり朝食はしっかり食べて脳がちゃんと活動できるようにしておきたいもの。
なので先に身体検査が終わったら、面接に備えて何か脳に栄養を送り込めるようなもの(ゼリー飲料など)を食べるのもいいでしょう。
(待合室は割と自由)
ワシは現場で相当に待ち時間が長いことを予想して、文庫本を持っていきました。
結果的には待合室であれば何を持ち込んでもいいようで、現場でも
「待合室では食事も睡眠も読書も自由です」
というアナウンスがありました(もちろん燻製作ったりしちゃダメよ!)
スマホを見る人が多かったですが、視力が不安な方はスマホは身体検査が終わるまで待った方がいいと思います。
ワシは面接が終わるまではずっとパンフを読み込んで予備自補制度についての予習をして、午後の待ち時間は寝ていました。
【面接】
(スーツでなくても大丈夫かも)
面接では男性は基本的にスーツでいいのですが、会場には私服や、それどころか派手なシャツに短パン+サンダルの人もチラホラいました。
髪も金色だったりする人もいて、それがダメとは言いませんが、もし他の誰かと成績が同一だったら、そういう外見の人の順位は必然的に下がると思います。
外見が任務を遂行するわけではないのですが、「こういう人に任務が遂行できるかは疑わしい」と思われても仕方ないでしょう。
広報官サマにもらった「虎の巻」にはスーツのしわにも気を遣えとありましたが、実際には面接官との距離もそんなに近いわけでもなく、シワに気を遣うような必要はないでしょう。
そもそも順番によっては面接の前に身体検査の可能性もあり、その場合は更衣室のカゴにスーツを置いて検査を受けるわけですから、そもそもスーツのシワなんて考慮されたらたまらないという寸法です。
ただ、着慣れないスーツを無理に着て特殊詐欺の受け子のようになってしまうくらいなら、地味目の私服(ただし上着と衿のあるシャツ)で大丈夫なのではないかと思いました(個人の感想です)。
一般的には、おっさんはスーツのほうがしっくりくるので、スーツが無難でしょう。
さてワシの場合、受験番号ではなく当日に番号が割り振られたのですが、その番号がランダムに前後しつつ身体検査に呼ばれたり面接に呼ばれたりしたので、自分がどっちに呼ばれるのかは呼ばれる瞬間まで分かりませんでした。
心の準備ができず余計に緊張するし、地味に困ります。
さて、10時から面接・身体検査がスタートし、11時頃にようやく男子の後半の面接に呼ばれたのですが、面接場所が駐屯地内の別の建物に数分徒歩で移動して…だったので、もしこれが大雨の日だったらどうなっただろうと思ったり。
駐屯地によっては、改めて現地で「面接の際の手順」が示されることがあるようですが、ワシの時はありませんでした。
(意外にフレンドリー)
さて、面接会場の廊下のイスに座ってドキドキしていると、前の面接の人が退出し、よりドキドキしていると、中から面接官サマが顔を出し、「ええっと、お名前は?」と言われて拍子抜け。
名前を答えると、「あ、じゃあ数分したら中からどうぞと言いますから、そしたら入ってください」と言われ、さらに拍子抜け。
そして、いざ入室してお作法どおり椅子に座り、
(さ~まずはアイスブレイクか?朝食は何を食べたかとか移動手段について聞いてくるか?どうだどうだ?)
と思っていたら、
「はい、じゃあちょんまげさん、予備自衛官補を受験された志望動機をお聞かせください」
とド直球。
あ、はい、とちょっと先手を打たれて返答がワンテンポ遅れると、
「あっすみません、こんなふうに進んでいきますので(笑)」
と、和やかに始まりました。
(おっさんこそ有利では?)
訊かれたのは冒頭に志望動機で、そこで割合に長い問答をしました。
次は予備自補の教育訓練について知っているか、予備自補の身分は何か、予備自衛官について知っているか、などの問いが。
それらは募集パンフに載っていた範囲なので普通に答えたら、意外にも「詳しいですねえ!かなり勉強されました?」と驚かれてしまいました。
ワシはココに来てから大勢の若いライバルの中で縮こまっていたのですが、意外に基本的な設問に答えられない受験生が多かったのでしょう。
少なくともパンフを読み込む程度のことなら、働くおじさんにとっては当たり前のことであり、ここはおっさん有利と言えるでしょうか(笑)
あとは自分の今の仕事内容、資格特技、スポーツ経験の有無…という風に話が進みましたが、次第に面接というより雑談に近い感じになっていきました。
面接の手法として、1人の面接官が和やかでもう1人の面接官が厳しい物言いをして受験生を揺さぶって反応を見る…ということもありますが、そんなことはありませんでした(基本的に予備自補では圧迫面接はないみたいです)。
もしかすると「そんなトシで訓練についていけるのですか?」などと言われるかと身構えてもいたのですが、そういう問いもなく。
妙なのが「予備自補の教育訓練を終えたら予備自衛官に任官しますか?」という問いで、「え、ええ、まあ、そのために予備自補の受験をしたのですが・・・」と答えると、「ですよね~(笑)」と。
もしかすると、正直に「実際どうだろう?」とか、その設問に言い淀む受験生もいるのかもしれません。
ワシの場合、最初から「アナタは自衛隊や予備自補制度のことをかなり理解して受験してますね」とお互い了解しているような雰囲気で進んだので、「確認」程度の質問で済んだのではないかと思います。
もしこれが「被災地で活動する自衛隊の姿を見て私も自衛官に…」などとありきたりの事を言っていたら、もっと自衛隊の仕組みや活動について突っ込んで質問されたかもしれません。
(つづく)
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