「第14回 平和祈念資料展」に行って来た
昭和20年（1945年）、終戦の約2ヶ月前の6月19日深夜、福岡市街は米軍B-29（大型爆撃機）の大編隊による空襲を受けた。 多くの死傷者が出て、市街地は焼け野原になった。
僕の父・母も既に他界し、当時を知る人も少なくなった。 でも、「平和を願い、戦争の悲惨さ、命の尊さ」を後世の子供たちに伝えて行かねばならない。 今年も県教育会館で開かれた「平和祈念資料展」に行って来た。 出来るだけ、昨年と重複しない内容で報告します。
県教育会館入り口
まず、空襲を受けた区域についてです。 焼夷弾（ナパーム弾）によって焼失した区域の地図が昨年と同様に展示されていた。
灯火管制が引かれた市街地は真っ暗闇だった。 油山方面から侵入して来たB-29爆撃機の第一梯団（編隊）は大博通りの西側に集中して焼夷弾を投下、第二梯団は大濠公園の西側に投下している。 これは米軍の資料によると、真っ暗だった市街地に二つの火柱を立てて目印にしたようだ。 後続のB-29梯団機は、この目印（火柱）の間を徹底的に爆撃した。
焼夷弾を投下するB-29の編隊
このことによって、石堂川沿いの多くのお寺と現東区の千代町から多々良川までの地域は空襲による火災から逃れることが出来た。 何故？・・・これも米軍側の資料で想像は出来る。 米軍は箱崎地区の何処かに捕虜収容所があることを知っていた。 しかし、正確な場所までは確認出来ていなかった。 実際に捕虜収容所があった場所は、多々良川近くの貝塚辺りだったらしい。 B-29爆撃機は仲間を誤爆で死なせる訳にはいかないとのことで、焼夷弾投下の北東限を大博通りにしたと思われる。
天神から奈良屋町辺りまでは特に大きな被害を受けた。
↓ 3ヶ月後の9月、米軍が焼け残った松屋デパートから博多湾方向を撮っている。
↑ 天神から須崎公園に抜ける旧市電道路のカーブ付近で、現天神イオン（旧ダイエー）の場所だと判る。 写真を良く見ると、沢山の墓石が並んでいるのが確認できる。 現在の南区若久の「浄土宗 極楽寺」は、空襲前まではここに建っていた。 博多湾には中国大陸からの引き揚げ船が何隻も写っている。 天神ビッグバンで活気づく天神エリアが、終戦時にこんな姿をしていたとは・・・福岡市民が忘れてはいけない歴史だと思う。
展示内容を幾つか報告します。
↓ 日本軍兵士が戦地で使用していた「鉄かぶと」、「飯ごう」、「水筒」。 飯ごうでお米を炊けていたのであれば良いほうで、ビルマ（ミャンマー）やニューギニア方面に出征した兵士は炊くお米も無く、草やトカゲを食べて飢えを凌いでいたらしい。
↓ 従軍した医師の遺品。 真ん中に「聴診器」が見える。 自身の命も危ないなかで、大変だったろうと思う。
↓ 「マラリア」の薬と毒ガス用の解毒剤。 熱帯のジャングルの中では、戦闘で亡くなるより、「マラリア」に罹って亡くなる兵士も多かったようだ。
↓ シベリア抑留者の手作りスプーン。 終戦の時、捕虜としてシベリアに連行され、寒さと重労働に耐えられずに亡くなった方々も多い。
↓ 昭和20年（1945年）1月12日、インドネシア産の石油を輸送していた日本の大タンカー船団がベトナム沖で米軍の攻撃を受け全滅した。 南シナ海の制空権を失くした以後、日本軍の戦闘機は燃料不足に悩み、全国各地で「松根油」の製造が始まった。 多くの学生が根っ子掘りに駆り出された。
↑ これより大きな松の根っ子1本から得られる油で、ゼロ戦は18秒しか飛べない。 とても、間に合わない。
↓ 女学生も兵器工場などに駆り出された。
↓ 女学生は本土決戦を前に、竹槍の訓練。 呆れて物も言えないが、これが戦争の現実。 どんな事情があっても戦争に突入してはいけない。
↓ 今回は展示場内にウクライナとパレスチナの戦況を示すパネルも掛けられていた。 国家間の問題はなかなか難しいことだらけだが、それでも戦争を始めると大勢の国民が苦しむ。
「戦争はいけない、いけない」と、国内で声を上げても・・・先日、在日中国大使の「日本の民衆が火の中に」と言う恫喝発言があった。 日本国民に逆に戦争を煽る発言として許せない。 「中国共産党」や韓国の「共に民主党」には、こんな発言が多くて危険だ。 特に中国は共産党一党で、「愛国教育＝反日教育」だけに始末が悪い。 恫喝発言に乗ったらいけないが、黙っていると、もっともっと過激になる。 戦争へと進まないように、一つひとつを慎重に対処して行かないと・・・。
「平和祈念資料展」は土・日曜日の二日間のみの開催だったが、来場者は資料提供者も含めお年寄りが多いように見受けられた。 来年は多くの中学生・高校生にも来場してもらって、少しでもいいから何かを感じてほしい。
■ 香椎うっちゃんのブログ 香椎浪漫 他の関連ブログ
●「長崎原爆の日 0809」
●「人吉海軍航空基地と松根油」
●「6月19日は福岡市大空襲の日 」
福岡市と博多湾を想う
飲酒運転を許しちゃいかん！
