海外留学でよくあるのが、「注文したものと別のものが提供された」というエピソード。
言葉の違いから上手く意思疎通が図れないことも多いでしょう。
しかしそれ以前の問題であるケースも。
今回は国によって違う意味を持つ言葉「カトラリー」について環境スペースが解説します。
■日本でカトラリーといえば?
カトラリーは元々「カット(Cut)するためのナイフ類」という意味があります。
日本でカトラリーといえばナイフとフォーク、スプーンを指し、そこに箸も含めることが多いですね。
ザックリと「食事に使う食器類」といった解釈になります。
しかし海外でカトラリーというと別の解釈をすることの方が多いようです。
留学中は食堂やレストラン、カフェなどで食事をする機会もあるため、このあたりの言葉のニュアンスの違いを知っておくといいでしょう。
■海外でカトラリーといえば
海外でカトラリーが何を指すのかという話の前に、カトラリーの歴史を知っておきましょう。
まず登場したのがナイフとスプーンです。
紀元前1000年ころから食事に使われるようになりました。
フォークが登場したのは18世紀に入ってから。
このころからヨーロッパでは「カトラリー = 3点セット」という認識が広まり、これは今でも変わりません。
意味合いとしては「食べるためにカットする道具類」といったところでしょうか。
しかしアメリカは違いました。
フォークが登場した18世紀というのはちょうどアメリカ大陸が発見され、移住が始まったころでした。
フォークの存在を知らないまま移住した人が多かったため、アメリカではナイフとスプーンのみで食事をする文化が根付いていきます。
■アメリカで独自に発展したフラットウェアという呼び方
移住者たちが新たな生活を始めたころ、食器は銀メッキが一般的でした。
そのためお皿などの食器をシルバーウェアと呼んでいたのですが、ナイフとスプーンも同じく銀製だったため、区別するために「フラットウェア」と呼ばれるようになったそうです。
やがてステンレス製が一般的になり、シルバーウェアという呼び方は廃れていきます。
区別するために生まれたフラットウェアという呼び方だけが残り、そこにフォークも加わるようになりました。
今でもアメリカではナイフとフォーク、スプーンのことをフラットウェアと呼びます。
アメリカでカトラリーとは、包丁のことを指します。
お店で「カトラリーがほしい」と言うと包丁だと誤解されてしまうため注意しましょう。
アメリカとヨーロッパではカトラリーの意味が異なるため戸惑う留学生も多いです。
しかし歴史的な背景を知ればその違いにも納得できますね。
アメリカで包丁だと誤解されてしまうように、ヨーロッパではフラットウェアが通じないので気をつけた方がよさそうです。