横溝正史原作のドラマや映画について、毎週金曜日にお届けする
「週刊金田一」
先週は大変失礼いたしました
ブログを書き始めたものの、とてもしんどくてあきらめました
現在は・・・扁桃炎のなごりで咳が出て少し苦しいですが、元気で仕事してますよ
それでは、先週書けなかったこのお方について
第28回は、清水綋治さんです
映画「病院坂の首縊りの家」の本條写真館の長男・直吉を演じています。
清水さんといえば・・・大谷直子さんの元旦那というぐらいの知識しかなかったんですが
ギョロっと大きな目、大きくこけた頬・・・私の知る限り怪しげや悪役ばかりなんですが、
この映画を繰り返し繰り返し見てたら、
清水さんってものすごく男前だってことに気づいた
写真館の長男・直吉は、ほぼ隠居状態の父親に代わって撮影をすべて担当してるようですが、
助手の黙太郎(草刈正雄)とはなかなかいいコンビです
まぬけな失敗ばかりの黙太郎に毎回しっかり突っ込んでます
「何やってるんだ、このバカ」とか・・・
あ、あれはツッコミじゃなくて、助手に指導してるのね
病院坂について、さらりと説明してくれるのも直吉です
金田一「ついそこにすごい坂道がありますね」
「あぁ、あれはね、病院坂って言うんですよ」
金田一「病院坂?」
「昔はもっとしかつめらしい名前がついとったんですがねぇ。
明治の中期か末期に、そこに大きな病院が建ちまして、
で、いつの頃か病院坂と呼ばれるようになってしもうたんです。
法眼病院と言いましてね」
美しい山内小雪(桜田淳子)が撮影の依頼に来たときは・・・
名コンビ・・・映像の中での二人の立ち位置も絶妙です
そうそういつもタキシード姿に撮影に出かける直吉。
今どきの青年・黙太郎はそれを古臭いと思ってるようで、
「古いのはこの建物(写真館)だけにしてほしいな」
と愚痴をこぼす場面があります
もちろん直吉は「ぐだぐだ言うなっ」と言い返してます
山内敏男(あおい輝彦)の婚礼写真を撮りに来た直吉。
トレードマークは白いマフラーです
黙太郎は赤いマフラー・・・あえて対照的にしてるんでしょうか。
ふらっふらの状態の花嫁にびっくり
「風鈴をはずしましょうか」とか「お嫁さんの襟元が乱れてる」とか言っては、
敏男に怒られます
この夜のことを金田一に相談する直吉。
「撮影した場所が・・・奇妙なんですなぁ」
「家のことなんです・・・空き家だと思ってたんですが・・・」
金田一「空き家じゃなかった」
「それがやっぱり空き家だったんです」
金田一「はぁーーー」
金田一「変だと言えば、この花嫁さんの目つき、まるで夢でも見てるような・・・」
「そう変でしょ!昨夜、僕もおかしいなーと感じてたんですよ」
金田一「生きてたんですか?」
「気味の悪いことをおっしゃる。ちゃんと呼吸はしとったですよ!」
そして、ここで映画のタイトルが・・・
「あの空き家はね、病院坂の首縊りの家と言われてるんですよ」
金田一「首縊りの家?」
「終戦の翌年の21年に、あの家で女が一人、首をつったんやそうです」
ここで電話がなる思わずドキッ
首縊りの家のいわれを清水さんの口から言わせるから
ますます怖くなる
なんかここまでで、映画の中の清水綋治をすっかり堪能したような気になってたけど、
まだ始まって20分も経ってない
直吉って、写真館で金儲けしようなんて考えてないようなお坊ちゃんかと思ったら、
せっけん、たばこ、ストッキング・・・
進駐軍の物資を横流ししてる?
意外と頭の中は「金」でいっぱいだった
誰を脅してるのかな?
黙太郎によれば、直吉は
「戦争で腰に貫通銃創を負って性的不能」らしいから
「金」に執着しても許してあげたい気もします
戦争で大けがを負った直吉がまたも災難
うまいこと真下に立つもんだから
それにしても、清水さんってかなり運動神経が良いのでしょうか
ものすごい足が上がっている
セパタクロー並みに
その結果・・・「こんなんなっちゃった」By 黙太郎
あらら・・・今回は清水さんって意外と男前って言うことを伝えたかったのに、
やっぱり不気味な感じになっちゃいましたね
・・・いやいや、かっこいいんですってば
私も40過ぎて、この魅力が理解できました。
うまく書けなかったけど、
清水綋治さんって、演技がさりげないでしょ
演技だとは思えない、動きもセリフも・・・
だから実際に清水さんが怪しい人物に思えてしまう。
それぐらい、役になりきるというか、
役と自分を自然と擦り合わせていくような、
「演じる」の域を超えた役者さんだと思うんだなぁ
そう思うと、もっともっと清水さんの出演作を見たくなる
今回はここまで。
先週書けなくて、ずっと清水綋治さんのことを考えてました
次回は・・・ついにあのお方
楽しみだわ
ではでは、また来週っっっ