「Alagyaz」に祈りを込めて ― 私と「アルメニアン・ダンスpart1」
◇何度演奏しても心が震える「アルメニアン・ダンスpart1」私には、学生時代から何度も演奏してきた、特別な吹奏楽曲があります。それは、アルフレッド・リード博士作曲、👉「アルメニアン・ダンス Part 1」です。- YouTubeYouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。youtu.beこの曲は、私の青春そのものと言っても過言ではありません。⸻◇リード博士との出会い大学時代、私はマンドリン楽部でクラリネットを吹いていました。その頃、ご縁があって、アルフレッド・リード博士ご自身の指揮で演奏する👉「音の輪コンサート」に何度も参加させていただきました。博士の指揮台に立つ姿は、今でも鮮明に覚えています。指揮が始まると、その場の空気が一瞬で変わる。・言葉では表現できないほどのオーラ・音楽に対する誠実さ・演奏者全員を包み込むような温かさ直接お話ししたことは、ほんのわずかしかありません。しかし、その存在だけで緊張し、その存在だけで学ぶことができました。今でも思い出すだけで、背筋が伸びる思いがします。⸻◇アルメニアの魂を吹奏楽へ「アルメニアン・ダンス」は、1972年に作曲された、吹奏楽史に残る名曲です。リード博士が旋律を作ったわけではありません。アルメニアの音楽学者・コミタスが生涯をかけて採集した民謡をもとに、吹奏楽作品として再構成したものです。Part Iは、五つの民謡が切れ目なく続いていきます。・杏の木・山うずらの歌・ホイ、ナザン・アラギャズ山・行け、行け(Gna, Gna)それぞれが違う表情を持ちながら、最後には壮大な一つの作品として結実します。⸻◇私が一番好きなのは「Alagyaz」私が最も好きなのは、やはり・・・👉「Alagyaz(アラギャズ山)」です。アルメニアの山を歌った、雄大で祈りのような音楽。それまでの躍動感ある舞曲とは対照的に、時間がゆっくりと流れ始めます。私はこの部分を演奏するたびに、リード博士のお姿を思い浮かべます。あの優しく、そして厳しかった指揮。あの音楽に対する真摯な姿勢。在りし日の博士を偲びながら、毎回心を込めて歌い上げています。⸻◇人生で初めて成功した「Gna, Gna」数年前、学生時代以来とも言えるほど練習を重ね、再びこの曲を演奏する機会がありました。曲の最後の👉「Gna, Gna」(行け、行け)は、クラリネットにとって、非常に難しいパッセージがあります。この難所に、学生時代から何度も挑戦してきました。しかし、なかなか思うように吹けませんでした。ところが、その演奏会で、人生で初めて、その難しいパッセージを納得できる形で吹き切ることができたのです。演奏が終わった瞬間、「ようやく吹ききった。」そんな思いが込み上げてきました。50歳を過ぎる今まで、音楽を続けてきて本当に良かったと思えた、忘れられない瞬間です。人はいくつになっても成長できるんですね。これがその時の演奏です。もしよろしければお聴きくださいたった一日しか合わせていない演奏ですが、結構、良い演奏ですよ。- YouTubeYouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。youtu.be⸻◇音楽は人生とともに育つ若い頃には分からなかったことが、年齢を重ねると見えてくることがあります。音楽も同じなのだと思います。学生時代には、ただ難しい曲でした。今は、その一音一音の中に、民族の歴史や祈り、そしてリード博士の深い愛情を感じます。だから私は、何度演奏しても、何度聴いても、心が震えるのです。「アルメニアン・ダンス Part 1」これからも、この曲を聴くたび、演奏するたび、自分が演奏したあの日のことや、リード博士の姿を思い出すのでしょう。音楽は、人生とともに育ち、人生そのものになっていく。私はそう信じています。