こんな言葉を耳にすることはありませんか?


「言い訳するな。」


上司が部下に対して、
あるいは先生が生徒に対して、
問題が起きたときに使われる言葉です。


日本では、この言葉が
「正しい指導」のように

扱われることが多い気がします。

私も何度も言われたことがあります。


しかし私は、この言葉には
大きな違和感を感じています。

なぜなら、
論理的に考えると非常に非合理的だからです。



◇問題解決の第一歩は「訳」を聞くこと

問題が起きたとき、
本来やるべきことは何でしょうか。

それは

「なぜそうなったのか」

を解明することです。

つまり

原因分析

です。


ところが、

「言い訳するな」

と言われた瞬間に、

その分析が封じられてしまいます。

整理すると、

・「訳」を話すこと
 →原因分析
 →問題解決の第一歩

・「言い訳するな」と封じること
 →原因を個人の「気合」や「根性」の問題にすり替える
 →環境改善の機会を捨てる


という構造になります。

これは、

合理性が無く、
論理的にはかなり不思議なことです。



◇「言い訳」は本来、卑怯ではない

私たちは子どもの頃から

「言い訳をするな」

と教えられてきました。


そのため、

理由を説明することに
どこか罪悪感を感じてしまう人が

多いのだと思います。


しかし、

「訳」を説明することは
本来、卑怯な行為ではありません。

むしろ、

問題を解決するための重要な情報

です。



◇思考停止を生む言葉

「言い訳するな」

と言われた側はどうなるでしょうか。

自分の状況や困りごとを
説明する言葉を失います。


その結果、

原因が分からないまま、

ただ

「すみません」

と言うしかなくなります。


つまり、

思考停止

です。


これが続くと、人は

「どうせ言っても無駄だ」

と思うようになります。


心理学では、これを

学習性無力感

と言うのだそうです。

こうなると

・主体性が失われる
・メンタルヘルスが崩れる
・ハラスメントに耐えるしかなくなる

という悪循環が生まれてしまいます。



◇私の事務所での経験

以前、失敗をした職員に

「何があったの?」

と聞いても、

なかなか状況が出てこないことがありました。

最初は

「どうして説明してくれないのだろう」

と思っていたのですが、

よく考えてみると、

これも

「言い訳してはいけない」

という”空気”の影響だったのかもしれません。


理由を説明すると、
「言い訳している」
と思われてしまう。

だから、
説明しない方が安全。
そんな心理が働いていたのだと思います。


今現在は、当法人の職員の皆様は

きちんと説明してくれる方々が殆どです。

 



◇「言い訳」を許す文化

問題が起きたときに必要なのは

叱責ではなく、

状況を理解することです。


つまり

「言い訳」を聞くこと。

もちろん、

責任を取らなくていい
という話ではありません。

しかし、

原因を理解しないまま
責任だけ追及しても、

問題は解決しません。

むしろ再発します。



◇日本社会の思考のクセ

日本社会には

・言い訳するな
・黙って反省しろ
・とにかく謝れ

という文化が、
まだ強く残っているように感じます。

長男が他害行為をした場合

何度も言われたことがあります。

 

 

「障害を言い訳にするな」


他害行為が起きてしまったのは

申し訳ないことですが

訳を話さないと始まりませんからね。


しかし本当に必要なのは、

「なぜそうなったのか」

を一緒に考えることなのではないでしょうか。

それができて初めて、

人も組織も社会も
成長できるのだと思います。

 

 

言い訳をすることを許容し

それをしっかりと聴く

 

 

そのようになりたいものですね。

みんなが生きやすい社会にするために・・・