法人税申告書は、どこに頼んでも同じではありません ~詳細記載にこだわる「勘定科目内訳明細書」~
◇法人税申告書を見ても、よく分からないですよね法人税の申告書をご覧になったことがありますか?一番最初に「別表一」があって、その後ろには、別表四、別表五……など、たくさんの書類が続いています。数字があちらこちらに記載され、税務の専門知識がない方が見ても、正直、👉「何が書いてあるのか、よく分からない」というのが普通だと思います(笑)。だからこそ、「法人税申告書なんて、どこの税理士事務所に頼んでも同じでしょう?」と思われてしまうのかもしれません。しかし、決して同じではないのです。今日は、先日ご紹介した「法人事業概況説明書」に続いて、当法人がこだわっている、👉「勘定科目内訳明細書」についてお話ししたいと思います。⸻◇比較的分かりやすい勘定科目内訳明細書分かりづらい法人税申告書の中でも、経営者の皆さんが比較的読んで分かりやすいのが、👉「勘定科目内訳明細書」ではないでしょうか?これは、決算書に記載された数字の「中身」を説明する書類です。例えば、貸借対照表に、「普通預金 3,000万円」と書かれていたとします。でも、これだけでは、3,000万円がどこの銀行にあるのか分かりません。そこで、A銀行 ○○支店 ○○円B信用金庫 ○○支店 ○○円……というように、👉「この3,000万円の”明細”は、これですよ」と明らかにする。これが、勘定科目内訳明細書の役割です。⸻◇数百円でも、原則として記載する当法人では、この勘定科目内訳明細書についても、かなり細かく記載するようにしています。例えば、・得意先に対する「売掛金」・仕入先に対する「買掛金」税理士事務所によっては、金額の小さな取引先をまとめて、「その他〇件 ○○円」と記載する場合があります。しかし当法人では、原則として、👉数百円であっても、一社一社、”円単位”で記載します。「その他」にまとめてしまえば、確かに作成する側は楽です。でも、その瞬間に、その数字の中身が見えなくなってしまいます。後で、「その内訳は?」と聞いても、全くわからなくなることが多いのです。⸻◇住所も全て記載しますさらに、👉”住所”も調べて記載します。摘要欄にも可能な限り、👉「○月分 水道代」など、その債権・債務が、”何なのか”分かるように記載します。借入金についても同じです。どこから借りているのか。残高はいくらなのか。そして、👉借入金の利率を調べて記載します。こうしておけば、この会社の決算書を初めて見る人でも、数字の中身がかなり具体的に見えてきます。社長さんも、わざわざ別に借入金の表を作らなくとも、勘定科目内訳明細書を見れば、わかるようになります。⸻◇税務署の疑問点をできるだけ減らしたいなぜ、そこまで細かく記載するのか。理由はシンプルです。👉税務署が見て、疑問を抱かない申告書にしたいからです。例えば、売掛金の内訳に、👉「その他〇件 5,000,000円」とまとめて書いてあったら、その中身は分かりません。一方、取引先ごとの金額、所在地、何月分の売掛金なのか、といった情報が記載されていれば、「ああ、こういう内容なのですね」と理解できますし、その残高に信ぴょう性が出てきます。つまり、会社と税務署との👉「情報の非対称性」を、できるだけ小さくする。税務署側に、余計な疑問点を残さない。私は、これがとても大切だと思っています。もちろん、詳細な内訳書を書けば、ストレートに税務調査がなくなるというわけではありません。しかし、税務署側が申告内容を理解するための情報が増え、疑問点を机上で解消できる可能性は高まる。結果として、税務調査の可能性は低くなると考えます。⸻◇税務署から教えていただいたことを積み重ねてきましたこのような当法人の書き方が、最初から完成していたわけではありません。私が長年、税理士として仕事をしてきた中で、「意見聴取」や「税務調査」などの際、税務署の方から、「内訳書にこのように書いておいてもらうと、分かりやすいんですよね…」と言われることがありました。なるほど。だったら、次からそうしよう。そうやって、コツコツと改善してきた結果が、当法人の、現在の勘定科目内訳明細書なのです。⸻◇金融機関にも、経営者自身にも分かりやすいそして、詳細に作成した勘定科目内訳明細書は、税務署のためだけのものではありません。銀行や信用金庫などが、融資審査のために決算書を見る際にも、会社の状況を理解しやすくなります。結果、スムーズな融資審査が可能となると思われます。また、助成金の相談を担当されている行政の方からも、私は会うたびに、👉「金成先生の事務所が作成した勘定科目内訳明細書は、品質が高くとても助かります」と言っていただいています。これは、嬉しいですよね。そして、経営者ご本人にとっても、役にたつ勘定科目内訳明細書になると思います。どこに売掛金が残っているのか。どこに買掛金があるのか。どの金融機関から、どのくらいの利率で借りているのか。きちんと整理されていれば、勘定科目内訳明細書そのものが、👉経営者に役に立つ「経営情報」になるのです。⸻◇そして、また付箋で差し戻しますただし、ここまで作るのは大変です。当法人では、法人税申告書を電子申告する前に、最後に代表である私が検閲します。そこで、・「その他」とまとめてある。・住所が抜けている。・摘要を見ても内容がよく分からない。・借入金の利率が記載されていない。そんなところを見つけると、👉付箋を付けて、差し戻します。スタッフからすれば、👉「所長は、なんでこんな細かいところまで…」と思っているかもしれませんでも、私は妥協しません。私は、こういうところにこそ、👉税理士事務所の仕事の違いが表れるのではないかと思っています。⸻◇皆さんの内訳明細書も、見てみてくださいこのブログをお読みになっている経営者の皆さん。ぜひ一度、ご自身の法人税申告書を取り出して、👉「勘定科目内訳明細書」をご覧になってみてください。・「その他○○円」と、まとめ記載になっていませんか?・取引先の住所は書いてありますか?・内容が分かるような摘要が書いてありますか?・借入金の利率・利息額まで書いてありますか?法人税申告書は、どこの税理士事務所が作っても、同じではありません。一見すると小さな違いかもしれません。しかし、その小さな記載の積み重ねが、目に見えないところで、お客様の利益につながっていく。私たちは、そう信じています。だからこれからも、付箋を貼って、スタッフに嫌がられながらも…👉細かいところまで、心を込めて。そんな法人税申告書を、作り続けていきたいと思っています。