アメリカのシットコム The Big Bang Theory (TBBT)の解説です。
ネタバレにご注意ください

文字よりドラマが10倍面白いので、これを読んで理解したら、ドラマを観て本当の面白さを楽しんでいただけたらです

前回
から。

前回、レナードは美女ペニーとバスルームに二人きりに、更に美女はシャワーカーテン越しに裸になり、
" It’s just not the kind of thing you ask a guy you’ve just met… "
「会ったばかりの男性に言うようなことじゃないんだけど…」
と言って終わりました。
今回はここから。その後画面一瞬だけ暗くなって明るくなると…
なぜかシェルドンとドライブ

今回のシーンは華やかさが全くないです。
Sheldon: I really think we should examine the chain of causality here.
ここで因果関係の繋がりを調べるべきだとすごく思う
・chain of は繋がり、一連という意味でちょいちょい事件もの・科学もののドラマに出てくるので覚えましょう。
・causality [kɔːzˈæləṭi]は因果関係。
Leonard: Must we?
本当に必要か?
シェルドンのwe shouldのするべきに対して、Noの代わりにshouldよりもっと強い must を疑問形で返すことで、それをやりたくない感を出しています。
以下分けていますが、実際シェルドンは続けてしゃべっています。
Sheldon: Event A. A beautiful woman stands naked in our shower.
事象A。ある美人がうちのシャワールームで裸で立っている。
・eventは出来事ですが、数学や科学的なことにおいては事象という言葉が使われます。
Event B. We drive half way across town to retrieve a television set from the aforementioned woman’s ex-boyfriend.
事象B。ぼく達は前述の女性の元交際相手からテレビのセットを取り返す為に街を横断しながら向かっている。
・aforementioned[əˈfɔːrˌmen.ʃənd]は前述の。先に述べた。
Query, on what plane of existence is there even a semi-rational link between these events?
疑問、この二つの事象に少しでも理にかなう関連性がどの世界にあるのだろうか?
・query[kwí(ə)ri]は疑問・質問とquestionを難しくした言い方。日本だとプログラミングでクエリーとかで聞くのが多いかと思いますが、英語だと学会やカスタマーサービスなど、お堅いフォーマルな時に使われます。
・plane of existenceは直訳すると存在する場所で、元は哲学・思想・宗教から来た言葉ですが、科学的な言葉でも使うことが可能のようです。
existenceは存在とだけ訳されますが、その存在とはこの世界、あの世のような存在から、宇宙や他次元の世界など、人がそこにある、またはあるであろうと指摘する全ての場所のことです。
そのあらゆる場所(世界)の中で、話し手がいる世界の存在だけを指定する場合、つまり私達の日常の存在がpresenceとなります。
existenceと聞いても今いる存在や世界だけとは限らないことを覚えましょう。
シェルドンは物理学者なので科学的に存在する世界のみを指してます。
・semi[米発音seh·mai/英発音sémi]は部分的という意味で半とよく使われますが、半分もそれ以上それ以下も含まれます。
それに強調のevenをつけることで一部以下と少しでも、という意味合いになります。
セリフの意味がわからなくても大丈夫です

ペニーだとこのセリフを10回聞いても全く理解できない可能性が高いです。
難しいこと言ってるな、くらいか、レナードを批判してるなくらいで理解してもいいくらいのやつです。
Leonard: She asked me to do her a favor, Sheldon.
ペニーにお願いがあるって言われた、シェルドン。
事象ABの関連を答えるレナード。
Sheldon: Ah, yes, well that may be the proximal cause of our journey, but we both know it only exists in contradistinction to the higher level distal cause.
ああ、そうだね、ならそれがこの遠出の近接要因かもしれないが、しかしぼく達二人ともわかっているのは、その近接要因というのはそれとは正反対ながらもより重要で実際の遠因と共に存在している。
・proximal は近い方の、
proximal causeは近接要因とも言われますが、結果(テレビを取りにドライブしている)に対しての色々ある原因(理由・きっかけ)の中で主な理由、またはわかりやすい理由という意味。
・onlyはこの場合はだけにしか~ない=それ以外の存在はないと限定しています。
・contradistinctionは、異なる二つのものが一緒になっている、一緒になって比べられ区別される、で
A in contradistinction to BでAとBは正反対な存在ながらも一緒に、
・ higher causeはより重要な原因で、更にproximal causeに対して
higher level ultimate cause or higher level distal cause
(究極要因=本当の理由)
ですが、このhigher causeが本当の原因と解釈されます。
これを"proximal and ultimate causation"(近因と究極の因果関係)と言います。
これはダーウィンの進化論の一部説明に使われたようで、生物学の授業を英語で受けた人はなんとなく進化論も思い出したりするようです。
ですが、ペニーや日本語で授業を受けた人間には???ですが、それでもいいんです

色んな人が色んな解釈を自由にするのがドラマの面白さです。
Leonard: Which is?
つまり?
・which isやwhich meansは同格節で、前の文が難しくて言い直したり、簡潔にする時に使われます。
近接要因がペニーに頼まれたで、
遠因は何?と嫌そうに聞いています

Sheldon: You think with your penis.
君は男性器で物事を考えている。
penisはもっと具体的なものを差してますが、日本語では憚られすぎる為、男性器としました。
Leonard: That’s a biological impossibility and you didn’t have to come.
それは生物学的に不可能だ、それに君は来る必要はなかった。
Sheldon: Oh, right, yes, I could have stayed behind and watched Wolowitz try to hit on Penny in Russian, Arabic and Farsi. Why can’t she get her own TV.
ああ、そうだね、うん、後に残って(ハワード・)ウォロウィッツがペニーにロシア語とアラビア語とペルシャ語で口説くのをずっと見ることもできたよ。なんでペニーは自分でテレビを取り戻さないんだ?
・could have 過去完了は過去の出来事の可能性についてを話し、~ができたのにしなかった、という意味ですが、他にも、~をすることはできたけどそれを(選ばず)しなかった、というニュアンスにも今回のようによく使われます。
・Farsi[英:ˈfɑː.siː/米:ˈfɑːr.siː]はペルシャ語。
Persianと言う言葉も使われますが、ドラマだとFarsiの方が使われている気がします。
Leonard: Come on, you know how it is with break-ups.
おいおい、別れがどんなものかわかるだろ。
Sheldon: No I don’t. And neither do you.
いや、わからない。そして君もわからないはずだ。
Leonard: Wuh, I, I broke up with Joyce Kim.
はあっ!?ぼ、僕はジョイス・キムと別れたじゃないか。
Sheldon: You did not break up with Joyce Kim, she defected to North Korea.
ジョイス・キムとは別れたんじゃない、彼女は北朝鮮に逃亡したんだ。
・defectは名詞で不良品ですが、動詞だと政治的な意味合いが出てきて、
自国・他国・党・から脱走・離脱・逃亡するや、会社からライバル社へ移るなど、あるところから、裏切り行為の意味合いもあります。
何かきな臭い感じもしますが、これについては大分後のエピソードで回想されます。
Leonard: To mend her broken heart.
失恋を癒やす為にね。
この直後、シェルドンの顔

Leonard:This situation is much less complicated. There’s some kind of dispute between Penny and her ex-boyfriend as to who gets custody of the TV. She just wanted to avoid having a scene with him.
この状況はそれに比べたら全然簡単だ。テレビの親権をめぐってペニーと元彼にいざこざのようなものがあって、また一悶着が起きるのを避けてるんだ。
・disputeはdiscussより激しく言い争う議論、ニュースによく出る単語です。
・custodyはテレビに対してだと所有権ですが、言い方が離婚後の元夫婦の話のようで親権にしました。
・sceneは美しい光景もあれば、犯罪現場とさまざまな印象のある場面をさし、have a scene withとなると、元彼と印象的な場面を持つ→どんな場面かは文脈→一悶着・ゴタゴタが起きるです。
Sheldon: So we get to have a scene with him?
じゃあ僕達はこれから元彼と一悶着するってこと?
Leonard: No, Sheldon, there’s not going to be a scene. There’s two of us and one of him.
いや、シェルドン、一悶着は起きることはないよ。僕らの二人で、向こうは一人だけだ。
Sheldon: Leonard, the two of us can’t even carry a TV.
レナード、その僕ら二人だとテレビも運べないよ。
今日はここまでです。お読みいただいた方、前回いいねをつけてくださった方、フォローをいれてくださった方、本当ありがとうございます
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続きは

はこのエピソードのその①です