今回はアメリカの人気シットコム(コメディドラマ)、モダンファミリーを紹介します。 

 

この回、とにかくアメリカ文化が濃すぎてたくさん意味がわからなかったです滝汗

アメリカネイティブにたくさん聞いてようやく色々理解できたので、ここに記載します。

 

前置きとして、アメリカのロスアンゼルスに住む以下の親族同士でもある三家族の日常生活が描かれた内容で、その一人、年長のJay(↓右から3番目の赤い服)が裕福で、集まってクリスマスなどの集まりはもちろん、よく家族旅行にも行きます。

 

  modern family season7 episode21 crazy train

モダン・ファミリー シーズン7 エピソード21 クレージートレイン

このサブタイトルのcrazy train、めちゃくちゃこのエピソードにハマりますニコニコ

Jay: (to conductor who punches tickets)Hey, thank you.(to attendant passing by) Here's an Andrew Jackson. Make a clean set of sheets happen, I'll introduce you to his twin brother.
(チケットを確認した車掌に対して)どうもありがとう。(通りがかった乗務員に向かって紙幣を見せ)こちらはアンドリュー・ジャクソン、キレイなシーツを用意してくれたら、双子の兄弟も紹介するよ。
 
ここまでで、色々アメリカ的なものが出ています。
1. Andrew Jacksonはアメリカの第7代大統領で、20ドル札紙幣の肖像画の人です。一万円札を福沢諭吉と呼ぶ感覚です。
2. チップ習慣について。ここでは宿泊施設・レストラン・電車の話に限定します。
日本にはチップが基本ないです。それはサービスが無料、または込みの値段として商売をしているからです。
 
旅館の仲居への心付けという名の金銭を渡す行為を続けている人はいますが、昔の習慣となりました。
 
心付けの始まりは不明のようですが、日本では従業員の賃金が上がったことや、一定のサービスを提供するという経営者側の方針の為になくなったようです。
 
アメリカでは、サービス業の従業員の給料は低く、特にレストランではチップを払わないと生活が困難になる可能性があります。
 
海外の顧客がチップを忘れないようチップ金額を予め伝票に記載していたりしますニコニコ
結局は日本でもアメリカでもサービス料を、込みかチップかの違う形で支払ってはいます。
 
その上で、チップ習慣の良し悪しには意見が分かれるところがあります。
 
例えば、日本ではどこへいってもある程度のサービスを受けれますが、それを不要な費用とみなす人もいれば、当たり前と思う人もいます。
 
一方アメリカではチップを払わず最低限のことだけを望むか、たくさん払っていたれりつくせりのサービスを受けるかを選べます。
 
今回のシーンはいたれりつくせり派で、電車に乗った時点で乗務員に20ドルものチップを、まだ何のサービスも受けていないのに渡していますが、Jayがupper middle class (上位中産階級)の、ファーストクラスのチケットを手配する人間で、きれいなシーツを用意したらもう20ドル渡すと言っていることから寝台列車を予約していて、快適に過ごすために先に心づけ的に20ドルを渡しています。
 
きれいなシーツという言葉も、おそらく既にちゃんと用意されていますが、ジョーク(banter )として、または(シーツが替えられていない可能性がゼロとは言えないアメリカの為)もし自信がなければ念の為確認するようにと示唆しています。
 
更にチップ払いのいい客として認識され、優先して気遣ってもらえます。逆をいえばそれをしないと、チップ払いのいい乗客を優先して、対応の遅いサービスを受ける可能性が出ます。
 
(列車やホテルではこのように先にチップを払えますが、レストランは基本チップは後払いです)
 
20ドルも一見高いですが、シーツや食事の用意から、何かあった時など諸々のサービスを素早くアメリカでしてもらうには妥当な金額のようです。

 

 

 

Jay: (to Gloria)You don't have to do the banter, but what's it cost me?
(妻のGloriaに向かって)冗談を言う必要などないんだが、別にタダなんだからいいだろ?
 
banterは今回のようなからかいという意味もありますが、jokeのような一方が相手に面白いことを伝えるではなく、相互で冗談を楽しく言い合う、jokeよりも気持ち頭を使ってからかい合う、また、一見イジメの一歩手前のちょっとどぎついけど笑えるジョークという意味などでも使われます。
 
・what's it cost me?は直訳すると、それ(banterすること )にいくらかかるんだ→かからない→タダだ、と言う意味で、rhetorical question(答えを求めていない質問)です。この時点では、なぜrhetorical questionを使ったのかはネイティブでもわからないですが、Jayの表情から、ご機嫌で軽口に使用したのだとわかります。
 
Gloria: (to Manny)Manny, it was a great idea to come on the train.
(息子のマニーに向かって)Manny、電車で行こうって提案はすごくいいわね
 
come on は日常でよく聞く句動詞で、色んな表現があり、今回はcome on (=take )the trainで電車に乗る、です。
 
↓別のシーンの画像です
Manny: Rail is the last bastion of respectable travel now that every airport has become a sweat-pant convention.
スエットパンツ姿だらけの空港の今となっては、もう電車だけがちゃんとした旅といえるからね。
 
bastionは要塞で、城などを守る、自然の岩から石で積まれた人工物など、でできた壁。
直訳すると、電車が尊敬できる旅の最後の砦、ともなりますが、そこから意訳しました。
 
・conventionはたくさんの人の公式的な集まりから大会や会議で、きれいな格好をしているニュアンスがあるはずが、ここではsweat-pantを付け足すことで、だらしない集まりと皮肉っています。
 
Mannyは普段はかぶらない上の画像のderby  hat(山高帽)を使っており、旅の移動中でもちゃんとした格好、上品なマナーをするのが好きなようです。

 

 

↓は次のシーンのイメージです。
シーン変わってGloriaとJayの再婚同士夫妻が自宅のソファで座っています。
 
このドラマの特徴として、シーンの途中途中で登場人物がドキュメンタリーのインタビューのようにソファに座って背景説明をしたり、心情やコメントを話します。こういったシーンをmockumentaryと呼んでいます。
 
Gloria: We are all traveling to Portland because Jay's ex-wife, Dede, is getting remarried. We're so happy. 
皆でポートランドに行くことになったの、Jayの元奥さんのDedeが再婚するから。幸せを喜んでるの。
 
補足説明として、ロスアンゼルスからポートランドまでは電車で20時間以上かかる距離です。
 
Jay: For us. It means the end of those damn alimony payments, so I'm gonna make sure Dede goes through with it. It'll be, "I do," "I do," "I'm done."
俺達にとって(Dedeの結婚は幸せなことだ)。なぜならずっと払っていた忌々しい慰謝料を終わらせられる、それでちゃんとDedeが結婚したかどうかを確かめに(元妻の結婚式に)いくんだ。そこで、『結婚を誓います』『誓います』『(慰謝料)おしまい』だ
 
For usはWe're so happyの直後に被せるように続いており、離婚した妻、Dedeのことを一切考えていないような発言です。
 
・go through withは何かを最後まで行うこと。
結婚を誓う時に言うI doに引っ掛けて、ここでは完了を意味するのdoの過去分詞のdoneを使って終わりを強調し、元妻の結婚と同時に完全な縁切れを喜んでいます。前述のrhetorical jokeは喜びの一部です。
 
今日はここまでです。多分このエピソードの中でもここが一番わかりにくいシーンですショック
でも他にもまだまだ沢山アメリカ文化は出てきます照れ
 
以下続きです↓