先日、久光製薬から販売されているジクトルテープという、貼付剤の大規模な勉強会に参加してきました。一般的な湿布のイメージとして腰が痛い人は腰に、膝が痛い人は膝に、肩が痛い人は肩に貼るというのが普通だと思います。痛いところに貼るというのは、局所作用型という湿布に分類されます。
消炎鎮痛の貼付剤なので、通常の湿布薬とどう違うの?と思いがちですが、これはジクロフェナク(ボルタレン)の経皮吸収性剤、つまり全身に作用する痛み止めです。
ジクトルテープというのは、局所作用型と違い全身作用型という湿布になり、痛いところでなく胸やお腹など貼りやすいところに24時間貼る湿布です。適応によって用量が異なり、がん性疼痛であれば1日1回2枚から開始し3枚/日まで増量可。腰痛症などでは1日1回、最大2枚までとなっています。
ちなみにジクトルテープ3枚(計ジクロフェナク225mg)はボルタレン25mg4錠(100mg)に相当するそうです。ジクトルテープのよい適応としては、痛み止めを内服したいけど、内服すると胃腸症状が出やすい患者様や、内服自体が困難な方です。もちろん内服薬ほどではありませんが、経皮吸収剤でも量が増えれば胃腸症状や腎機能障害は出現しますので使用量には注意が必要です。欠点としては即効性は乏しいことなので、急な痛み止めとしては使いづらいですが、慢性的な疼痛で困っている方にはよいのではないでしょうか。
外来で痛み止めを処方しようとすると、高血圧、糖尿病、コレステロールなどのお薬を沢山服用していて、もうこれ以上お薬を増やしたくないという患者様が多数いらっしゃいます。こういう患者様にジクトルテープを使用していただくことが最近増えていますが、比較的皆さん、高評価の方が多い印象です。
この時期、暑さ、汗、紫外線などで湿布による、痒み、かぶれなど肌トラブルが増える時期ですので、紫外線の当たらない場所に貼り、貼る場所を日毎に変更してもらうと肌トラブルも少ないと思います。湿布でお困りの方、ご検討してみてはいかがでしょうか?