最近、冷え込みが一段と厳しいですね。
勤務医時代、1.2月の骨折の手術件数が突出して毎年多く、雪が積もるとさらに激増しておりました。先日横浜市戸塚区の病院で、橈骨遠位端骨折(手首)で手術(金属のプレートで固定)をされて、退院してすぐに当院に紹介され来院された方がいらっしゃいました。年齢はご高齢で骨粗鬆症もありますが、手術は非常に上手にされており傷の状態も良好。当院ではリハビリをしていきましょうという話の流れになりましたが、その前の患者さんと息子さんとの会話の一部を紹介します。
私→ レントゲン見ると骨折したところの状態が良いですね。リハビリしていきましょう。
患者さんと息子さん→ もう骨折は治ってますよね?
私→ 骨折が治るというのは、骨癒合(骨が完全にくっついて固まる)という状態で、まだ術後数日で今は治ってはいないです。完全に骨癒合に至るまで、2.3ヶ月を要します。
患者さんと息子さん→ えー、聞いてないよー
そんなに時間かかるんですか?
ダチョウ倶楽部のような反応です。
私→ 子供と違い大人はそれくらいかかりますよ。骨の治りを3割くらいなら、早くする超音波骨折治療という、保険適応の治療がありますけどやりますか?
患者さんと息子さん→ やります。
という流れがありました。
ということで、超音波骨折治療の説明をします。音波骨折治療法とは、低出力超音波パルス(Low Intensity Pulsed Ultrasound、以下LIPUS)を用いた治療法で、日本では1998年から実施されています。2016年から保険適応になりました。
保険適応になる前は、自費診療でサッカーのデビッド・ベッカム選手や野球の松井秀喜選手が骨折治療のために受けたことでも注目されました。 LIPUSは、断続的(パルス状)超音波であり、その音圧による物理的刺激を骨折部位に与えることで骨癒合が促進されます。超音波は、振動もなく痛みもなく何も感じないのですが、毎日20分、骨折部に当てると骨癒合を早める効果があります。
副作用もありません。機械の操作もボタン一つ押すだけで簡単です。毎日やるとなると学校や仕事もあるでしょうし、普通のクリニックは日曜日や木曜日、休診が普通です。また祝日もあり、正直毎日通院してやるのはほぼ不可能です。
そこで、この超音波治療器具、商品名セーフス(帝人)を患者さんに3ヶ月間レンタルし、自宅で毎日していただくことが可能となっております。私は相模原の病院時代、手術した患者様ほぼ全員に行ってきました。数えていませんが、毎年50~100人は骨折の手術を行っていたので、15年間在籍したので、おそらく1000人以上は行ってますが、副作用は0。骨癒合は肌感で4割くらい早まっておりました。3ヶ月レンタルできますが、2ヶ月くらいの時点で、骨癒合しレンタル終了という人が多かったです。
この超音波治療器具を使用できるのは、プレートやネジ、髄内釘という金属での固定術をされた方が適応で、ギプスでの治療をしている人はレンタルすることが出来ません。現在当院では、3名使用しております。
もし、他院で手術をされ、骨の治りをより早めたいという要望がある方は当院へご相談ください。

