かめおかゆみこ です。
メルマガ「今日のフォーカスチェンジ」 １５周年記念企画
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名古屋★２０１８年１０月２８日（日）
横 浜★２０１８年１１月３日（土祝）
この項目、7月９日以来、書いてませんでした。脚本研究会で
初稿を合評してもらってから、実は手つかずになってました。
というか、すぐに着手しようにも、書いたときのイメージが残っ
ていると、どうしても小手先の直しになってしまいます。冷却
期間がいるのです。
といっても、まったく放置していたわけではなく、アタマの片隅
にはいつもありました。ありつつも、ほかの作業を優先してい
たわけです。
がっ、実は、第２稿を今月の研究会に提出することになってお
り、さすがに「やばい」と想いました。とゆーか、〆切が近づか
ないと立ち上がらない、この体質、なんとかしないと…。
前回の合評では、「ひとり芝居」というスタイルが話題になりま
した。誰がどの立場で語るのか、ということです。
前回、私は、この物語のなかでただひとり生き残った「マリヤ」
に焦点をあて、書いたのですが、結果的に、その場にいない
人物の視点として、矛盾がある、という指摘をいただきました。
私自身は、この視点はけっこう気に入っていたのですが、時間
をおいて見ると、たしかに、おもしろい視点ではあるのだけれど、
すでに終わった物語を俯瞰してみる、という手法は、語り手で
あるマリヤに、何らの変容ももたらしません。せっかく登場する
マリヤに、「ドラマ」が生じないのです。これではつまりません。
ということで、抜本的な書き直しです。合評のなかで、「１８歳の
かめおかさんが、なぜこの作品をやりたいと想ったのか。その
視点ならおもしろい」という意見をいただきました。
それをふりかえって、書いてみたのが今朝のメルマガです。
あのころ、たしかに私は、母親とともに、人殺しに加担する(とい
うか、たぶん、主導していた）マルタの、孤独な気持ちに強くひ
かれていました。
それほどの限界状況において、母親への愛を感受していたマ
ルタの、壮絶な孤独に、共振したのです。
で、そこにもう一度立って、アタマから原稿の書き直しをはじめ
ました。ところが、これもまた、もうひとつまとまりません。
たしかに当時の自分をふり返ると、書くことはできるのですが、
なんだか、これって、ただの解説になっちゃうんじゃない？と
いうギモンがわいてきてしまったのですね。
うーん。この先、どうしよう。途中でもいいから、提出しちゃおう
かなあ…などと考えたときです。なんと、パソコントラブルで、
書いた原稿がすべて消えてしまったのです
想わず、フェイスブックに投稿してしまいました。
といいつつも、このあと、もういっこ、頼まれて〆切になってた、
みじかい原稿のほうをしあげましたけど。
いずれにしても、またまたゼロから書き直しをしなければなり
ません。研究会への提出はぎりぎりにさせてもらい、もう一度
初心にかえって考え直しです。
カミュの「誤解」の最後に、こんな文章があります。あらためて
書き直すときの手がかりにしたいと想います。（一部割愛)
「序文」
『誤解』はたしかに暗い芝居である。これは１９４３年に、わたし
の愛するものすべてから遠く離れ、包囲され占領された国の真
ん中で書かれた。（略）この芝居が宿命への屈従を弁護してい
ると信じては誤りであろう。これは反対に反抗の戯曲として、誠
実の倫理を含みうるからである。黙っていたり嘘をついたりする
ならば、人は孤独の裡(うち)に死ぬのであり、周囲のすべては
不幸に捧げられることになる。もし反対に、真実を言うならば、
いずれは死ぬであろうが、しかしその前に、それは他人と自身
が生きるのを助けることになるのである。
これを反抗の戯曲として読むとするならば、ドラマは、舞台のな
かではなく、観終わった観客の胸のなかにはじまることになる
かもしれません。まさに「不条理」の戯曲です。
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