発表会に出ると、
出演者の集合写真とパフォーマンスを撮影したDVDがもらえるの。
でもわたしは自分を見るのが大嫌いで、DVDは未開封のままでした。
ステージでの写真をカメラマンが撮影するサービスがあるので、
がんばって写真はチェックして、
辛うじて耐えられるものを数枚購入していました。
それも期限ぎりぎりまで見れなくて、
締め切り間際にやっと買うって感じ。
見ていたのは、笑顔が作れているかということ。
これは最大のコンプレックス。
それでも毎年買っていくと比較ができて、
ちょっとだけましに映るようになる。
いやまだまだ全然だけど。
笑顔さえ作れれば、
踊りがへたくそでも写真には残らないと油断していた。
あるとき気が付いたの。
写真が捉えた一瞬でも、
上手い人と下手な人の違いは歴然だってこと。
上手い人は、集合写真を撮るのでさえ、
指先まで神経を張り巡らせている。
いつぞやに気が向いて、
たまっている未開封のDVDを見てみました。
いやもうひどい出来。
動き硬っ。軸が弱くて腕がぶんぶん動いてる。
振り付け頭に入ってないなとか、音を聴けてないなとかが
すぐにわかる、無神経な踊り。
でも去年あたりから少しずつ踊りらしくなっていて、
ちょっとほっとした。
自分を知るって、大変だけど大切なことだね。
◆実践◆
◇腰の動き◇
シミー
お腹周辺を震わせる動きのことで、ベリーダンスの大きな魅力の一つ。
踵を上げずに伸ばした膝を左右交互に前後に早く動かすことで
お腹を震わせるのはエジプシャンシミー。
膝を緩め、骨盤を左右に揺らすものはヒップシミーと呼ぶ。
踵を上げて行うものはシュシュとも呼ばれる。
足を揃えて、踵を上げないように左右の足を交互に
素早く前後させる動き。
踵とヒップを同時に意識する。
上半身はリラックスして胸を広げ、
膝や関節を使って足全体をゴムのようにして、
お腹とヒップを上下に震わせる。
両膝を軽く緩めて、右膝を後ろに引き、右腰を上げる。
両膝を緩めた状態のまま、左膝を後ろに引き、左腰を上げる。
・シミーをしながら回転してみる
ステップをして小さな円上を移動する。
シミーのリズムが崩れないように、
細かく腰を震動させて、回転を続ける。
小刻みにお腹と腰を震わせながら、テンポよく体重移動。
踵とヒップの距離を近く感じながら、一定の歩幅で移動。
ヒップシミー
基本の姿勢から、右の膝を曲げる。
右の腸骨が落ちる。膝を伸ばすと戻る。
続いて、左の膝を曲げる。左の腸骨が落ちる。伸ばすと戻る。
交互に膝の伸縮を繰り返し、徐々にスピードを上げる。
力を抜くことを意識し、状態がリラックスした状態で行う。
ヒップサークル
サイズで分けて、大中小の3種類がある。
腰を床と平行に回す動き。
足を肩幅に開き、腰のみを回すスモールヒップサークルと、
足を肩幅より広く開いて
腕や上半身の動きも一緒にムーブメントにしてしまう
ビッグヒップサークルとがある。
スモールはくるくると連続させることが多いが、
ビッグは1回のみアクセント的に使うことが多い。
最初に意識したいのは、前、右、後、左の4点。
この4点を通った曲線を描くように腰を動かせば、自然に円が描ける。
まず前から右を通って、後に向かって半円の弧を描く。
状態はリラックスしたままで腰だけを動かす。
後から左を通って前に向かって半円の弧を描く。
膝を柔らかく使い、円をなるべく丸く描く意識をもって動くと
美しいヒップサークルになる。
全身を使って行う大きなヒップサークルは、
勢い余って腰を前に出すとき上半身を反らせすぎたり、
腰を後ろに回すときお尻を突き出したりしないよう注意。
ポイントは、下腹をしめた状態で行うこと。
片方のヒップサークルの回転の始まりは、少し後ろに引き込んでから。
軸足に立ち、回転を始める前に軸足のほうへヒップを少し引き込んでから、
もう片方のヒップで床に平行に小さく円を描く。
腰をきれいに回転させて、エレガントでセクシーな演出ができる。
回転の始まりを意識して。
ツイスト
腰を左右交互にひねる動き。
腰の動きが床と平行になるようにすることがポイント。
胸や肩が腰の動きについて行ってしまわないように、
アイソレーション※を意識することが大切。
※身体の各部位を独立させて別々に動かすこと。
上半身はリラックスして固定し、骨盤を左右に振るように腰をひねる。
腰を反らさないよう骨盤をまっすぐに保った状態で行う。
感覚をつかむには、右手を腰のそばにおいて、
腸骨を手に当てるイメージで軽く叩く。
腸骨あたりに当たった手が離されると、自然に右のツイストに。
ヒップドロップ&ドロップキック
片方の足を軽く前に出し、出した方の腰をアップダウンさせるのが
ヒップドロップ。
2回目の「ダウン」の時に、爪先を床から軽く離し、
膝から下を軽く前に出すのがドロップキック。
ドロップキックはドロップと連動したキック。
ドロップは、片足を軸にして反対側の腰を引き上げ、
真下にストンと落とす動き。
ドロップでダウンする腰の動きに合わせて、
足を床から話していく動きがドロップキック。
軸足の膝を柔らかく使い、
上体があまり揺らぐことのないように腰を上下させることがポイント。
キックは蹴り上げるのではなく、
爪先を伸ばして足をすっと前に抜くイメージで行う。
軸足にする左足を中心に、右足を一歩前に出して、
膝から下は固定しておく。
ハイヒールを履いているイメージで,踵はキープ。
一連の動作を、膝の力を抜いて行う。
右手を後ろポケットのある位置から少し離した位置につけて、
肘を張る。
左腕をまっすぐ上に伸ばしたポーズで行う。
右の腰をダウン。その間、踵はキープ。
引き上げた腰をまっすぐ下に下ろす。
ダウンした腰をアップ。
ダウンした状態から指3本分がそのまま上にスライドするように。
アップダウンの際は、自分の中心がずれないように、
この指3本分くらいの間で小さく動くよう意識する。
腸骨を3横指分で上げ下げ。
再度腰をダウン。この時キックする右足の爪先は伸ばして、
膝の力を抜いて、腰の動きに合わせて床から離していく。
すっと前に抜くようにキック。
軸足の膝はまっすぐに伸ばしすぎないように少し緩める。
フィギュアエイト
床と平行に腰で∞を描くような動き。
足を軽く開き膝を緩めて、腰を斜め前に出す
→ぐっと後ろに回す→反対側の腰を斜め前に出す
→ぐっと後ろに回す、この動きを繰り返す。
腰が斜め前の時に一番遠いところからぐっと後ろに回すのがポイント。
前から後ろ、後ろから前、どちらの方向からも行う。
奥行きを意識する。
水平フィギュアエイト
右側で∞を描くように腰を動かしていく。
右側で∞の片方の○を描き、
∞の中心に当たる部分で交差するように右から左に体重移動。
(腰を右斜め後ろにスライドし、
右後方から弧を描くイメージで体重移動しながら腰を前方に戻していく)
左側でもう片方の○を描き、中心に戻る。
(腰を左斜め後ろにスライドし、
左後方から弧を描くイメージで体重移動しながら腰を前方に戻していく)
一連の動きを、膝と股関節を柔らかくして行う。
垂直フィギュアエイト
左右の腰骨を交互に動かして、床と垂直に∞を描いていく。
腰の左右にそれぞれ小さな□を描くように、慣れてきたら○を描くように
体重移動しながら腰を床と並行にスライドさせること。
腰を回す際は、
腰をそらせたりお尻を突き出したりしないように注意。
腰骨の一部分に鉛筆がついていて、
それを使って身体の外側から内側に向かって小さな○を描くイメージ。
右腰骨を身体の外側にスライド(→)し、
その位置から真上に右腰骨を上げる(↑)。
そのまま体の中心に向ってスライド(←)し、
そのまま真下に右腰骨を下ろす(↓)。
続いて左腰骨を身体の外側にスライド(←)し、
その位置から真上に左腰骨を上げる(↑)。
そのまま体の中心に向ってスライド(→)し、
そのまま真下に左腰骨を下ろす(↓)。
右から左、左から右へ動きを移行する際は、
必ず体の中心を通る。
マイヤ
腰で床に垂直に∞を描く動き。
「マイヤ」とはアラビア語で水のこと。
噴水から水が湧き出るように、
腰を片方ずつ下から上に向かって押し出すようにする。
腰の力だけでなく、踵の上下を上手に使うときれいな動きになる。
逆回転で∞を描く動きは垂直フィギュアエイトと呼ばれる。
垂直フィギュアエイトの中でも、
腰骨を下から上に体の中心から外側に回し、
床と垂直に∞を描く動きをいう。
左右の腰骨でそれぞれ小さな円を描くことをイメージしながら、
体の中心から外側に下から上に向かって腰骨を動かしていく。
まず真上に右腰骨を上げ(↑)、体の外側に向かってスライド(→)、
そのまま真下に下ろす(↓)、
下ろした右腰骨をそのまま体の中心へ向かってスライド(←)。
一連の動きはそれぞれ膝を柔らかく、踵に少し遊びをもって行う。
左腰骨も内側から外側に小さな円を描くイメージで。
まず左腰骨を真上に引き上げ(↑)、
その位置から体の外側へ向かってスライド(←)、
そのまま真下に下ろす(↓)、
下ろした左腰骨をそのまま体の中心に向ってスライド(→)。
マイヤの動きは背中が反って腰を痛めがちなので、
恥骨を立てる(お尻を締める)、
下腹を凹ませ骨盤を立てる、といったことも意識しながら行い、
腰痛を防止する。
ヒップアタック
腰でタンバリンをたたくように、腰を左右にパンッと出す動き。
基本姿勢から膝を柔らかく使い、左足を左に出す。
右膝の内側は少し緩める。
中心軸を移動させて、左腰を左足の上に近づける。
体重移動できた瞬間に、左足で床をしっかり踏み、
右腰を素早く左へ移動させる。
左足の外にあるタンバリンを叩く。
ヒップ全体を一瞬キュッと引き締める。
体重が乗っている軸足の膝裏は伸ばす。
◇上半身の動き◇
スライド
体のある部分を左右に動かすこと。
(首)
その1.できるだけ肩の位置を固定し、
首だけを動かして頭を左右に動かす。
顔をまっすぐ正面に向け、
首が背骨の延長線上にくるよう体を整える。
両耳に左右の手を当てて手を離し、
この手に顔は正面を向けたままで固定し、
力を抜き、首だけを動かすことで頭を近づけていく。
首が前に出すぎたり、後ろに引きすぎたり、
頭が傾いたり、顎が先に行かないように注意。
その2.頭の上で手を合わせて、
二の腕に耳を近づけるように動かす。
首の動きと一緒に腕が左右に揺れないように意識して行う。
(胸)
顔や腰を動かさないよう、胸だけの動きにしていく。
肩の力を抜いて、胸の部分を真横に動かす。
慣れるまでは右、中心、左と一度中心に戻りながら。
(腰)
直線的な動きを強く印象付ける腰のスライド。
腰以外を動かさないように。
腰骨と平行に結んだヒップスカーフが平行のまま、
真横に動いているか。
慣れるまでは右に押して、中心に戻る、
左に押して、中心に戻りながら。
スネークアーム
蛇がうねるように両腕を動かす動き。
両腕を左右に軽く広げ、手のひらを下に。
肩を片方ずつ前から後ろへと一回転させながら、
その円を追いかけるように肘を小さく回転させることで、
腕のうねりを作り出す。
腕を肩の高さからほとんど変えないものや、
頭から腰の高さまで大きく動かすものまで、
動きの大きさには幅がある。
体の両側にオーガンジーのような柔らかい壁があることをイメージ。
その壁を手の甲で撫で上げるように、左腕をゆっくり肘から上げていく。
肩と肘を柔らかく動かすよう意識する。
指先まで意識し、壁を撫でるようにゆっくり柔らかく上げていく。
一連の動きを美しく見せるポイントは、
肩、肘、手首、指先の動きを意識すること。
中間は、左右の指先がそれぞれ天地を向き、
左右の腕の高さが揃った状態。
左腕が上まで上がったら、
今度は左手のひらで壁を撫でおろすように腕を下ろしていく。
同時に右腕を柔らかく上げ始める。
左手のひらは壁を撫でおろし、
肩と肘を柔らかく使って右手の甲は壁を撫で上げる。
右腕が上に上がり、左腕が下まで下がりきったら、
逆の動きをスタートさせる。
慣れてきたら、上下の幅を狭めていく。
水中で腕に水圧を感じるようなイメージで動く。
チェストサークル
胸だけを床と平行(もしくは垂直)に回す動き。
胸の動きだけを意識していると、
肩も一緒に動いてしまって
美しいチェストサークルにならないので、
肋骨全体を動かすようなつもりで動かしてみよう。
腹筋と背筋でしっかり上体を支え、
お腹を意識しながら回すことが大切。
頭や腰が一緒に動いてしまわないよう
体の中心の軸を意識しながら、
前、右、後、左の4点を通った曲線を描くように、
肩の力を使わず胸部だけを動かしてく。
背筋を伸ばして胸を開いて練習していくと、
姿勢も改善されてくる。
胸を前に出すときは、肩甲骨を寄せるようにすると出しやすい。
後ろに出すときは、逆に肩甲骨を開くと胸が後ろに動かしやすくなる。
肩の力を抜いて、頭の位置をキープ。
頭が一緒に動かないように。
ショルダーシミー
肩を細かく震わせる。
左右の肩甲骨を動かして肩を押し出す。
左右の肩を交互に、前後に素早く動かす動き。
見ている人には胸が揺れているようにも見える。
両手を軽く左右に広げ、
肩甲骨から押し出すようなつもりで肩を前後に動かす。
腕や手に力が入ってしまうと、
肩から手までが一緒に動いてしまうので、
肩の力を抜いて自然に動かせるように練習しよう。
体の中心軸を意識して、背中を丸めたり、
顎が出たりしないように注意。
右肩を前に出したり、左肩を前に出したりして、
軸の存在を意識。
肘から先は動かさない。
基本の姿勢で壁に向かって立ち、壁に手を当てて、
まず右肩をそこに近づけてみる。
次に左肩を壁に近づけてみる。いずれも顔は動かない。
意識して力を抜くことを忘れずに。
◇身体全体の動き◇
アンジュレーション
胴体全体を波打たせるような動き。
腹部だけをウェーブさせたり、
胴体を対角線にウェーブさせたりのバリエーションもあり。
胸を上前方に上げ、その胸を後方に下ろしながら、お腹、腰へ。
腰を引いたらまた胸を出すというように、
胸から、お腹、腰までを
しなやかに波打たせるように動かす動き。
腰からお腹、胸へと上方向に波打たせるものは
リバースアンジュレーション(リバース)とも呼ばれる。
ここでは胸を前→上→後ろ→下と動かして
胴全体を波打たせるもっともポピュラーなものを。
おなかを引き上げるときに腹筋を、
上体を後ろに引くときに背筋を使うので、
ウエストラインのシェイプアップも期待できる。
斜め45度を向いて、左足を一歩前に出す。
胸を前に出す。胸を引き上げるように持ち上げる。
引き上げた胸から順に背中側に入れていく。
胸、みぞおち、胃、お腹を入れていく。
この時、胸、みぞおち、胃、お腹・・・の、
前に出たところを背中側の壁に押し付けていくイメージで動く。
最後にもう一度胸を引き上げる。
上半身に上から波を送るイメージで行う。
または「?」を描くイメージを持つと
なめらかに動くことができる。
キャメルウォーク
アンジュレーションしながら後ろ方向へと歩く動き。
アンジュレーションを意識するより、
足で床を踏みながら胸をアップしてお腹を出す、
足を変えて胸をアップしてお腹を出す、
を繰り返すと楽に動ける。
ラクダに乗っている人の動きをイメージしていることから、
この名前がついたといわれている。
ターン
体の中心の軸をしっかり保ちながら回転していく。
ベリーダンスのターンは、
顔が先行することなく体と一緒に自然についてくる。
右回りの時は右足を中心に、左回りの時は左足を中心に回る。
180度ずつ回る。力を抜いて回る。
指先を見ながら回るようにすると目が回りにくい。
美しく踊れるようにがんばろう。
わたしにとっては、
こうして頑張ったことがすべて歌に還元されていくという、
うれしいおまけつきなのです。
おわり。