踊りとは無縁の人生を送ってきました。
家族にも親戚一同にも踊りをたしなむような人間は
一人もおらず、せいぜい盆踊り。
あとは小学生高学年の3年間
氏神さんのお祭りで獅子舞をしていたくらい。
一度病棟を離れた時に、真っ先に始めたことが踊りでした。
その時の歌の先生に指摘されまくっていた数々のことが、
ベリーダンスなら全部カバーできるんじゃないかと考え、
辞めた途端に飛び込んだのでした。
今にして思えば、ダンスなんて何も知らないのに、
よくベリーを選んだな。
このところ忙しさにかまけていい加減になっていたので、
今日はベリーダンスの基本をおさらいしたいと思います。
(というわけでひたすらわたしの覚書)
◆踊る前のストレッチ◆
・ベリーダンスはとにかくリラックスして踊ることが大事
・準備体操でできるだけ全身の力を抜く
1.体全体を整える
両足を肩幅に開いて立ち、両手を吸気とともに
ゆっくり身体に沿って天に上げる。顔も上げる。
天に上げた両手掌を自分の中心に沿って、
手から出る波動で撫でるように、
呼気とともに足先にまで意識してゆっくり下ろす。
顔も下げる。
2.体全体をひねる
肩の高さに両腕を伸ばして上げ、
指先を目で追いながら呼気とともに体全体をひねる。
視線を追うことで眼筋もストレッチできる。
正面に戻ったら、同様に反対側の指先を見てストレッチ。
肩に力が入らないようにする。
3.腕、脇腹を伸ばす
両手を広げて、
脇腹から指先までのラインを意識して
呼気とともに高く伸ばす。
ゆっくり戻り、
反対側も手が伸びていくようなイメージで伸ばす。
ゆっくり正面に戻る。
4.上下に伸ばす
右足を重心に、
左足を後ろに引いてクロスし軽く膝を曲げる。
右腰を引き上げながらキュッと入れる。
両手をクロスして合わせ天に伸ばす。
このとき肩と首の力は抜いてリラックスしながら、
上半身は天に、下半身は地に向かうイメージで伸ばす。
反対側も同様に。
5.背中を伸ばす
背中はまっすぐな状態で、ゆっくり身体を前に倒していく。
腰と脚の角度は90度になるように。
そのまま肩を伸ばして縮め、
ゆっくりと下腹部を引き入れながらお腹を丸めていく。
力を抜いて背中をリラックスさせる。
背中を伸ばしたら再度90度になる。
もう一度丸めて、
90度にしてストレッチ。その状態をキープしたまま、
手の小指が床につくまで体を倒していく。
床についたらリラックスして、
上半身の力を抜いてロールアップ※。
(※背骨を腰から1本1本立てて体を起こしていき、
最後に頭を立てるまでの一連の動作)
6.股関節を伸ばす
足を開き膝関節を90度にする。
膝が体の前の方に来ないように注意。
体重が膝にかからないように踵と腹筋でしっかり支え、
その状態で背中を立ててキープ。
7.肩を伸ばす
6の状態から膝に手を当て、
呼吸を止めないように
そのまま肩を前に出してストレッチ。
反対側も同様に。
8.足の筋を伸ばす
腰を落とし、足の内側の筋を伸ばしていく。
足の指先まで一線になるように意識して伸ばす。
曲げている方の踵は床につけておく。
反対側も同様に。
次は足の親指を天井に向けて、
さらに足の筋が伸びていることを意識して伸ばす。
反対側も同様に。
そこから上半身は下向きで腰を上げる。
続いて上半身の力を抜き、
左右に揺らせてリラックスさせ、
そこからゆっくりロールアップ。
9.首を回す
まっすぐ立った状態で首を回していく。
呼吸は止めないで、肩はリラックス。
10.肩を回す
肩を前から後ろに回す。
続いて反対回し。後ろから前へ回す。
11.胸を回す
胸を右回りに回す。続いて反対に左回し。
12.腰を回す
腰を右回りに回す。続いて反対に左回し。
13.膝を回す
膝を少し曲げて右回し4回。同様に左回し4回。
14.手首、足首を回す
手は親指を開かないように、指はくっつけて、
瓶の底に残っている蜂蜜を
掬い取るようなイメージで手首を回す。
手首を回すのに合わせて腕と脚全体を、
下から上に上げていく。
上まで行ったら、反対に回しながら腕を下ろしていく。
脚も替えて、同様に右回し左回しを行う。
15.顔の力を抜く
手足をぶらぶら振って力を抜いておき、
やさしく手を当てて顎の力を抜いて、表情を柔らかく。
口角をなるべくあげて、顔と心のリラックス。
◆踊った後のストレッチ◆
・動いた体をクールダウン
・疲労のたまりやすい腰を中心に
リラックスできる軽いストレッチ
足を肩幅に開いて、
背中を伸ばしてゆっくり前に倒す。
一度首と肩の力を抜き、
上半身を左右に揺らしてリラックスする。
腰に手を当てていたわる。
膝を柔らかくゆるめて、
下腹を引き上げながらゆっくりロールアップ。
そのまま手をまっすぐ上に伸ばして深呼吸。
◆ベリーダンスの基本姿勢◆
・立ち姿勢
体のどこにも力が入りすぎない。
頭頂が真上にっ引っ張られているイメージで、
体の中心にまっすぐ1本線が通っている状態を目指す。
顔はまっすぐ正面を向き、両肩は自然に下げ、
肘は軽く曲げる。
背筋は伸ばす。
背腰を立てて下腹を引き、両膝も正面に向ける。
両膝はリラックスして、足先は軽く「八」の時に開く。
重心は前傾。
尾骨を臍のほうに向け、上体は反らせない。
手掌を下に向け、親指と中指は近づける。
・腕の上げ方
正しい立ち姿勢の状態で、左右の腕を、肘から上げる。
両腕は上げても肩に力の入らない、
体のやや前方に位置するようにつける。
肘は軽く曲げて胸の横に。
◆ベリーダンスで演奏される曲◆
・アラブ諸国での正統派スタイルは
「歌もの」と「インストゥルメンタル」に分けられる。
・歌ものの歌詞はほとんど恋愛もの
「ハビビ、ハビビ(私の愛しい人よ)」という歌詞がよく聞かれる。
切なくもこぶしを利かせて連呼する様は、
日本でいう演歌みたいなノリらしい。
・アラビア音階(マカーム)を使った
くねくねとした印象的なメロディー
・アラブ独特のリズム
・ダラブッカなどパーカッションだけで演奏されるドラムソロ
実際は中東の音楽に限らず、どんな音楽でも踊れる。
そういうところがわたしはすごく楽しい ^-^
◆身体的効果◆
・ベリーダンスは、下腹の奥に軸を置き、
身体全体の力を抜いて柔らかく動かす踊り。
・体液を流しやすくする作用があるため、
身体全体の体液の流れを活発化させて様々な効果を生む。
・身体の奥にあるインナーマッスルを使うことで
生まれる動きが多いので、身体全体がシェイプされる。
・代謝を促し、老廃物を出しやすい身体にしながら、
身体の内側から外側へと筋肉の機能を高めていく緩やかなものなので、
決して即効性のあるシェイプアップではない。
・アウターマッスルを鍛えるトレーニングとは異なるため、時間がかかるが、
外側に堅い筋肉がつくことなく女性らしい柔らかい筋肉がつく。
◇レッスンでお腹を出して踊ることで
「引き締めなければならない」という意識が働き、
お腹周りの脂肪を減らすのに作用する。
効果が出てくるとよりお腹に意識を向けるようになり、
さらにきれいになるという相乗効果を生み出す。
◇背筋を伸ばし、骨盤を立てて踊るために
姿勢も矯正されていく。
背筋を伸ばすことにより猫背も矯正され、
胸の位置がぐんとアップする。
ショルダーシミーでは肩と胸周辺の筋肉を使うため、
バストの下垂を防いでしっかり位置をキープする
バストアップ効果も得られる。
ショルダーシミーは肩の余分な脂肪も取る。
お腹を動かす動作では、
自然と周囲の部位を静止させる筋肉が働くため、
もっとも取りにくいとされる背中の余分な脂肪も取り除かれる。
両腕を上げたポーズで踊ることも多いので、
二の腕の『振袖肉』もすっきりしてくる。
◇エジプシャンシミーでは、膝を左右交互に、
前後に素早く動かし、その振動でお腹を波打たせる。
この動作をすると太腿の筋肉が鍛えられ、
太腿のシェイプアップとヒップアップの効果がある。
このシミーはO脚だとうまくできないので、
練習しているうちにO脚が改善されていく。
◇代謝◇
正しい姿勢で身体を動かしていると代謝が亢進され、
血行もよくなり、リンパの流れも活発化する。
ベリーロールというお腹を引っ込める、出すを
上から下へ、下から上へ移動させて、まるでお腹が波打つように動き。
胃や腸を直接動かすので動きが活発になり、
さらにその奥にある肝臓や腎臓なども刺激されて活発化する。
これらの臓器が活発化すると、
代謝がよくなり老廃物を体外へ流してくれるため、
肌がきれいになる。
それと並行して腸の便秘を解消し、
それによって吹き出物が出なくなり、美肌効果が得られる。
ヘッドスライドは肩を動かさずに頭を左右、前後に動かす動き。
この動きは頸椎を柔らかくし、
脳の信号を身体に伝達しやすくする効果があるばかりでなく、
顔から首のリンパの流れを促進するため、
顔の輪郭がはっきりしてきて、小顔効果が期待できる。
常に笑顔で表情豊かに踊るため、表情筋が鍛えられ、
顔のたるみ防止にも効果が発揮される。
◇腰痛・肩こり◇
身体の内側で内臓や骨を支えている
インナーマッスルを鍛えると筋肉の緊張がほぐれ、
血液の循環がよくなることから、肩こりや関節痛に効用がある。
肩を小刻みに動かすショルダーシミーの動きを考えれば、
自然と肩こりが取れるのもうなずける。
腰痛も同様で、
お腹の奥に軸を置きながら背筋を伸ばして踊っているうちに、
お腹のインナーマッスルや背筋が鍛えられ、
骨盤の歪みや緩みが取れ、体液の流れも活発になって、
腰痛から解放される。
腰を回すヒップサークル、
腰を水平に8の字に回すフィギュアエイト、
腰を垂直に8の字に回すマイヤなど、
これらの動作で楽しく踊っているうちに、
腰痛は自然に治っている。
◇ホルモンバランス◇
女性特有の体調不良
(生理痛、生理不順、冷え性、更年期障害、不妊症、老化に伴う尿漏れ)
の改善には、
女性ホルモンの分泌を促し、
ホルモンバランスを整えることが大事。
脳への刺激と女性生殖器部への直接の刺激がポイントとなる。
きらびやかでセクシーな踊りとコスチュームは心身を高揚させ、
脳の視床下部を存分に刺激する。
内分泌腺が活発化・促進されることで老化防止にもなる。
生殖器への刺激という点では、ベリーダンスの基本姿勢がそれを教えてくれる。
基本姿勢では、膣口に力を入れ、引き締めた状態にしておいて、
膣を通して水分を吸い上げるような気持ちで骨盤底筋群を意識する。
これができないと、
お腹に軸を置いて踊るベリーダンスは不可能。
つまり、常に生殖器周辺の筋肉を刺激するために
女性ホルモンの分泌を助けることが可能となる。
実際、ベリーダンサーは実年齢よりも子宮年齢が若い人が多い。
不妊症にも効果があるといわれている。
(マタニティ・ベリーダンスもあります)
骨盤底筋群の筋力を低下させない効果もあるため、
それらの筋力が老化して堅くなったことによって起こる難産や、
筋力が低下したことによって起こる尿漏れなども解消してくれる。
◇女性らしさ◇
いかに女性らしく踊るかがベリーダンスの神髄。
ex.強い母、少女の様な可憐さ。
それらを踊りで表現するためには、
歩き方、身体の動かし方、腕や指の動かし方、
目線の流し方など細部まで神経を使って表現しなければならない。
そのことを念頭に踊り続けているうちに、
立ち居振る舞いが女性らしいものに変化してくる。
女性らしさやダイエットを目的に
始めたわけではなかったけど、
ベリーダンスは女性解放運動とともに
アメリカで開花した背景もあって、
媚びない美しさを持っているところがいい。
そして身体にもいいこと尽くしなのね。
踊る前のストレッチは、歌う前にも使えそうだよね。
やっぱりわたしの中で、歌と踊りは連動している。
いろいろモチベーションが上がったところで、つづく。