先日の配信でも少し述べましたが、盟友の熊野孝哉先生が新刊を出されています。
熊野先生とは、若かりし頃、大手塾の同僚だった時期があり、僕にとっては色々な意味で恩人にあたります。その塾の校舎の統廃合を機に、エール出版社を紹介していただいたり、今のようなスタイルになるきっかけを頂けた先生です。
関西で中学受験→東大、という経歴や、プロ野球が好きという共通点もあり、仲良くさせて頂いていました。
当時は大手塾と言えど、自身で中学受験を経験しているという先生は少なく、若い僕からしても「?」と思えるような言動や指導を上司にあたる先生がされることもありました。
そのようなときには必ず熊野先生に相談しましたし(大体意見はあった)、当時から受験算数の世界で本を出されたり、プレジデントファミリーに記事を載せていたりと、癒し系の語り口からは想像もつかないような明晰さを示しておられました。
中学受験算数の指導に関して、本当にいろんな意味で参考にさせて頂いております。
前著などもいただいたりしており、僕の上位生指導やコンサルの基本となっています。僕が算数や理科だけでなく、大学受験を含めた全教科を指導するようになったのは、熊野先生に「こりゃ勝てんわ」という思いがあったのも正直なところです。
さて、熊野先生の許可を頂いたので、今日は超がつく上位の子の算数においては何が大事か、そこから見える問題点を僕の実感や意見などを交えながら書いてみたいと思います。
熊野先生の新刊もよろしくね。
<超がつく上位の子にとって大事なこと>
先日も使ったカリスマ予備校講師、志田晶先生の本のこの場面は、上位受験での重要な示唆を表しています。
簡単に申しますと、
・思考問題は、繰り返し演習の延長ではできるようにならない
ということです。もっと根本的な考える力が、要ります。
これを中学受験バージョンで言うと、熊野先生が言う
・4種類の思考問題(塾で習うものの延長系、処理などが複雑なもの、読解が複雑なもの、数学的な考察がいるもの)
となります。
僕はこれプラス
・灘などでしかでないような、一発「発想」がいるクリエイティブな観(勘)がいる思考問題
が存在すると思っています。10年に一度くらい現れる、とんでもない発想がいるクリエイティブな問題です。が、これは皆解けないでしょうから、合否をわける一問とはなりにくいです。
熊野先生もこの本でおっしゃっているように、塾のカリキュラムは8から9割が、いわゆる繰り返し演習で対応できる問題です。関西(主に兵庫県)では、社会がない分、小6の頭くらいまでにこの繰り返し演習で習得可能な広範な分野の算数演習を関東の倍くらい行って、身に着けてしまいます。
その土台ができてはじめて、いわゆる最高峰の思考問題に対峙することができるようになります。
人によっては詰め込み系、といわれるこの繰り返し演習で得る知識を「すべて」使って、「考えて」いくわけです。ここまで来て、やっと詰め込みだなんだと言われる勉強ではなくなります。
上位の子にとっては、ほとんどの子が解法の詰め込みだと言っているものも、「常識」であり、ツールの一つに過ぎません。
そもそも、この繰り返し演習段階でも、なぜそうなるのか、など考え方を飛ばさず端折らずコツコツ入れていくので、しんどさも完全な暗記算数の人間の半分くらいで済んでいます。
そして、小6以降早い子では小5後半、普通の子でも小6夏から、さらに一段高い思考問題に挑んでいくことになります。このステップが丁寧に踏めていれば(基礎パターンしっかり→思考問題)、意外と天才とは言わないまでも秀才タイプの子なら、努力次第で灘や筑駒で五分五分、というところまではいけると思います。
これは、大学受験でも構造としてはほぼ同じです。東大の理科や数学に対応する場合も、同じしくみがあります。
ただこれは、東大などを目指してみないとわからない境地ではあるのかもしれません。
といいますのも、僕からの観測では、日々ふれる親御さんや生徒さんたちは、
・とりあえず思考問題も復習しようとする
・サピの巻末などについている「応用問題に挑戦」などを、演習しとかなきゃ
と思っているような節を感じます。
応用問題や思考問題などへの意識が、
・ほとんど繰り返し演習のそれである、同じ
ということが言えるのです。
また、小4や小5前半は調子よかったのに急失速していくパターンの子が多いですが、これも、思考問題も繰り返し演習でできるものである、と履き違えていることが大きな原因の一つにあるように思います。
繰り返し演習で対応できないものの一つに国語の文章題がありますが、一度やった問題を何度も復習したとして、同じ問題は出ないだろうし、国語では意味がないのはわかって頂けると思うのです。算数の思考問題も、これに近いです。
ま、もちろんやらないよりはやった方が良いのですが、それも
・気楽に、楽しんで
・とりあえずやってみよう
くらいの感覚で解けなくてもいいし、算数が好きなら、という感じでよいと思います。
<そしてサピの欠点へ>
僕はこのブログのどこかでも言っていますが、
・どんな応用問題も、所詮人間がつくるものなので、そこにはパターンが存在する
・人類の英知の先端まで学習しておけば、それ以上のものは東大入試でもでない
というようなことを言っています。これは高校時代に勉強をやりこんだ上での、僕なりの結論です。
つまり、いくら思考問題とはいっても、そこにはパターンが存在するのです。ですから、応用問題でもたくさん解けば、
・そこにパターンが見いだせる
というのは言えるのです。
それを地で言っているのがサピックスであり、鉄緑会だと僕は思っています。サピックスでは、小4のころから、いわゆる思考問題的なものが出てきます。また、土台というには応用すぎやしないか、というものも、繰り返し演習のネタとして出てきます。
これらの関東圏の人の考え方は、とりあえず繰り返し演習の延長でなんとかしよう、という発想であり、100問でダメなら300、1000やってやろうという前時代的な発想に思います。
普通に地頭的な部分を鍛え、なぜなのかを一つ一つ検証しつつカリキュラムをこなしていく場合、
・時間的な制約で上位にいけない子が多くなる
・遺伝的な特質(つまりIQ的な頭の良さ)が高い子でないと、上記のような正攻法は難しい
のは事実の一端としてはあると思います。
そこで、サピのように応用問題も数字変えをしていけば
・理解が追いついていない人間でも、得点能力自体はあがる
とは言えそうです。
思考問題・応用問題にもパターンはあります。そこで、過去出題されたあらゆるパターンを書き出して、すべて演習する、という方法をとれば、凡才でも灘や筑駒に行ける、という理論は納得できる気がします。
僕自身の見解としては、愚かの極みに思います。それをやると、普通の優等生の3倍の時間がかかります。遊びたいざかりの小学生には地獄でしょう。
また、確かに、一度極めれば時短ではできますが、未知の思考問題に対応する能力や新しいモノを発想する能力は伸びなくなります。今後の時代ではそういうものの方が大事ではないでしょうか。
つまり、大事な何か、が簡単に失われているような気がして、そこまでしてなんで灘や筑駒・開成・桜蔭(大学受験なら東大)に行きたいのかが、ちょっと僕の価値観ではわからないのです。他にも良い学校は昨今たくさんありますし、頂点という意味以外のものはありません。
また、サピや鉄緑的な、徹底したやりこみによる学力増進も、そのやり方で伸びた子は、
・それにまた適した遺伝型が違っただけ
・そのやり方に適応しやすい子だけが伸びた
という仮説も僕の中にはあります。
正攻法で行けるのは、思考力や考える力が遺伝的に恵まれている人間だけだとすれば、サピ的なやり方は
・記憶力と処理能力に偏重したやり方である
という新たな生き残り戦略だったのかもしれません。
行動遺伝学はそういう意味でも新しい見解を与えてくれそうです。
皆さんは、自分にあったやり方や、「いい感じ」がする方のやり方を選択していただければと思います。僕や熊野先生のような、しっかり土台を作ってから応用、的なやり方は関西的なのかもしれません。
ま、数字変えでなんとかなるならそれでもいいのかもしれませんね。(うまくいかないとは思いますが)
いつも読んでくださってありがとうございます。
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