受験の苦しさを考える(諦観のすすめ) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

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 受験勉強は苦しいです。苦しいものだし、苦しんだ方がよいとも僕は思っています。だからこそ、子供たちはその中で成長し、人格的なレベルでのジャンプアップができます。これが大して苦しくない物事であれば、相克が生まれず、価値的なものにはならないでしょう。

 

 かねてより、このブログでは、受験勉強の中の相克こそが大事で、学歴はそのおまけだと言っています。

 

 苦しいのはむしろ親御さんも同じで、勉強しない我が子、したと思ったら噓つきでテキトーなばかりの我が子、素直にがんばっているけど一向に結果がでない我が子、など、それを見る親御さんの方が苦しいことも多いです。これも受験の醍醐味のひとつだと思います。

 

 親御さんも、やはり受験を通じて人間的に成長していきます。親を経験していない人間には一生かかってもできない、稀有な人格の相克を経験し、子以上の成長を経験していかれます。

 

 現代人は、普通にしていると30代以降、(会社や親などに)大きく怒られることも年々少なくなり、厳しい注意を受けることもなくなっていきます。そんな年代でも、まだまだ子供を通じて成長ができるのです。

 苦労や心労は多いものの、それは素晴らしいことです。

 

 だからこそ、僕は子育てという苦労をいつの日かしてみたいと思ってもいます。(僕のように子育てをしたくてもできない人間がいることも、受験で現在苦しみ真っ最中の親御さんには、覚えておいていただきたいです)

 

 仮に僕に子供ができたら、受験やハイレベル子育てを知り尽くしているのだから、さぞ明確で最上で無駄のない一手を、完璧なタイミングで打つんだろうと思われるかもしれませんが、いろいろな家庭を見ていて、「それは無理だろうな」ということが推測できています。

 

 また、仮にそれが実現可能でも、それでは面白くもありません。

 

 子育ての神髄は、「いかに挫折させ、それを(子にバレぬよう)陰から支えるか」です。これは、これまでの家庭ウオッチングで結論が出ています。

 

 つまり、最上の社会人に育てるには、天才児に育ててしまってはいけないのです。挫折が減ってしまいます。

 遺伝形質もそこそこが良いし、そこそこの能力で努力してもらって、どかーんと挫折して、そっと後ろから支える。でも心の中は、子への不安でいっぱい、これが子育ての美しい姿であり、(受験等で)成功する家庭でよく見かけるバランスです。

 

 仮に僕に子供ができたなら、おそらく中学受験では開成や筑駒などは狙わせないでしょう。(女子だったらどうしようw) ま、行けたらラッキーくらいに構えておくの意です。

 家から40分程度で行ける、そこそこ程度(偏差値55から60くらい)の私立の中から、ヤバそうな(厳し)ところを選び、そこで苦労をさせれば良しとします。いわゆる英才教育はそこそこに、苦労させて、やっとこさ入れる具合を目指します。公立中は現状では避けるかもしれませんね。

 

 また、楽しそうなところも選ばせません。

 これはいろんな子を見てきた上での持論ですが、中高が楽しい必要もあまりないし、どうせ「どこに行っても楽しめるだけの」精神性を獲得せねばならないからです。これが、長い目でみれば、最も子供のためになるのです。(そもそも、優秀な子は、どこにいっても楽しかったといっている。文化祭などで見える楽しさは、まやかしの可能性もある、という意味もあります)

 

 中高が厳しい環境であればあるほど、20代以降その子はどんな環境でも、自分で考え、行動し、たくましく人生を楽しんでいけます。もちろん、つぶれないように陰からの支援はします。そのため、あまり遠い学校は選びません。

 

 逆に中高が楽しすぎると、「あの頃はよかった」と回顧ばかりして、前に進めない人間になりがちだし、意外と収入なども少ない方(教え子観測による)も多いように思います。若いころのインスタントな満足は、努力の手を止め、10代でやっておけば大きく伸びたであろういろいろな可能性をつぶすことにもなるようです。

 20代以降を真に楽しみ尽くすなら、10代は暗い青春に限ります(笑)

 

 もちろん、最終的には、志望校などは子供に最終判断をさせますが、それも、ほとんど親の洗脳のような状態に持っていき、子が自ら判断して、その実「親の思い通り」という感じになることでしょう(それでも親の洗脳をはがしてきたら褒めてつかわす、笑)

 

 意味のある厳しさ、の視点が欠けているご家庭が多いように最近は感じますが、いかがでしょうか。

 

 

 ま、お遊びはこの辺にして。

 中学受験をはじめとした塾や受験勉強で、お子さんも親御さんも、しんどくなる要因は、大別すると次の二つです。これがない場合は、病むほどにはなりません。
 

①ある意味「ぜったい○○」「○○じゃないとダメ」という決めつけがあるから→ある種あきらめて、脱力した方が良い

②しんどさから逃げようとしていて、逃げれると思っているから→「絶対くるしいもの」という諦観が大事

 

 まもなく直前期に入り、また一段としんどくなる方もいるでしょう。

 少しでも受験を別視点でみる一助にでもしていただくべく、今日はこの二つを、神道・仏道・老荘思想マニアの僕的な視点で解説して終わります。

 

 

絶対○○、はしんどい

 ……なにがなんでも○○、というと、どこかの大手塾のようですが、僕はこれを真っ先に否定します。思いの強さで人間は結果を出していくわけではありません。昭和にはそういう時代もあったかもしれませんが、少なくとも令和の今にはあいません。

 これは毎年、冷静に生徒や親御さんを見ていればわかることです。

 

 結果は、努力とそれによって得られた「能力」がその入試の到達度に届いたとき、おのずと出るものです。1点でも届かなければ、100%受かりません。厳しいようですが、『確率』で受かるものではないです。ギャンブル性は極めてありません。模試の合格という安易な単語の響きに騙されないようにしましょう。

 

 まぐれで落ちる(ケアレスミスなど)ことはあっても、まぐれで合格することはありえません。たまたま得意なものが出て受かったとしても、それで合格圏に達するだけの基礎学力がないと、どの道受かりません。

 つまり、過去問をして合格ボーダーに3回に1回は行くくらいの学力はあるから、たまたま受かる奇跡も起きうるのです。

 

 逆に言えば、1月くらいになって3回過去問をして、一度も合格最低点に行かないなら、プロ的には合格率は「0」%です。これは敢えて断言しておきます。ケアレスミスも実力のうち。

 

 貴重なチャンスを、その学校に過度にこだわるあまり、棒に振ることにもなりえます。特に関東や関西では、超がつかなくても良い名門校はたくさんあり、そちらで我慢しておけば十分によい青春がおくれる場合があるのです。

 

 そこで強行して、日程的にヘボってしまい、本来行ける偏差値帯より、ずいぶん下の学校になってしまうとしたら、もったいないかもしれないのです。

 

 大手塾では、合格率が少しでもありそうな子は、合格人数の頭数を増やすためどんどん受けさせる傾向にあります。保護者会などで煽られる場合もあります。そのあたりも冷静にご判断ください。

 

 とは言っても、もちろん、夢見たなら後悔をなくすための日程も必要ではあります。

 

 その場合、行けそうかどうか、可能性と夢との配分を決めるのが受験の醍醐味であろうと思います。そこで「ぜったい○○」と言っていると、目が曇り、おいしいチャンスを逃す場合がよくあるのです。

 

 また、ぜったい○○、と言っている人間は、いざその○○に対した時、必要以上に力んでしまいます。これが非常に多くのミスを本番で誘い、良くありません。泣き崩れる子・友人を多く見てきています。

 

 中学受験なら2月1日の時点で達した学力を、「出す」以外に受かり方はありません。それ以上にも以下にもなれません。だから、「そこまで」でやりきっておくのが大事です。

 後悔がなくなるほど努力さえしていれば、あとはぶつかっていくだけなのです。すべては己の頭脳のうちに、刻み込まれているはず。それを信じて、入試当日は最後の数時間を過ごすだけで良いのです。

 

 ですのに、「ぜったい○○」人は、勝手に力んで自滅していきやすくなります。これは非常に可哀想なことであり、僕は意識させすぎた大人の責任も思うことがあります。

 

 まあ、もう少し「下の」「別の」学校でも良いではありませんか。偏差値が数字の上で「低い」と出ているだけで、学校どうしの間には、上下関係も何もないのが実情です。開成(偏差値70)だから巣鴨中(偏差値58)よりすべての面で優れているわけでも、階級的に身分が上なわけでもありません。どちらからでも、平等に東大に行けます。

 

 変なご近所の見栄えや、友人の評判など「体裁」だけを気にして、聞こえの良い名門校ばかり目指すのであれば、本当にそれでよいのか、一考しましょう。子供のためにはならないかもしれません。

 

 そして、「ま、絶対ってほどでもないな」と思えたとき(脱力)、余計な力みが心の芯から抜け、本当のその子の実力が出てきます。もちろん、その状態の方が受かりやすいに決まっています。

 

 

②しんどさから逃げれる、と思っているからしんどい

 ……人間、しんどいことからは逃げたいものです。それは人情として僕もよくわかります。が、本当に追い込まれた人間は、絶対に逃げられない経験をします。そこから、窮鼠猫を嚙むの心意気で、自分の全存在を勝負事にかけられたとき、意外と困難が簡単に去っていく経験をします。

 

 つまり、腹をくくって、しんどさもすべて正面切って受け入れ逃げないことを誓った瞬間、しんどさが激減するという現象が人間の人生にはあるようです。

 

 僕は受験のときはもちろんのこと、その後の20代の極貧時代(バンド駆け出し時代、独立失敗ののちの借金生活時代など)で何度かやらかしていて、「もうこれ以上は、くいっぱぐれる」という経験を何度か超えてきています。

 

 その時も、結局は中3から高1で経験した、勉強や学校生活の地獄から正面切って挑戦し、頑張って東大に行った経験がモノを言っています。乗り越える方法論が同じなのです。

 「絶対誰も恨まないし、文句も言わないし、感謝しきって努力だけはやれるだけやって見せる。それでだめなら野垂れ死ぬだけだ」と毎回、人生のヤバいところで開き直って決意しています。今回の甲冑バンドでも最初は同様でした(笑)

 

 不思議と毎回、最初はなんとかしんどさから逃げようとして失敗を重ねることになります(笑) で、もう逃げられないと悟った瞬間、ねずみが牙をむくのです。(最初から逃げずにやれよと、毎回思うのですがw)

 

 

 見ていますと、塾通いの子供たちは、まだ「逃げよう」としている子が大半です。ま、幼いのですから仕方のない部分もあります。そこをわかってもらうのが、受験の意義のひとつです。

 

 どうせ逃げられないし、いつか受験はやってくるし、それを避けたら避けたで低所得生活が待っているしで、逃げ場などないのです。

 その目の前の宿題から逃げてゲームをして、数年後の君が、良くなっているだろうか。その頃は、もっと大変になっていて、ゲームどころではないかもしれません。

 

 まずは、その毎日の課題を「どうせどの道にいってもしんどい」ことを自覚して、逃げられないと諦観し、はぁーあと脱力して渋々でよいから向かっていってほしく思います。自分のダサいところもすべて認められたとき、ダメな自分をしっかり自覚してその課題と向き合えた時、向かっていく気持ちになれたとき、 成績はあがっているでしょうし、しんどさも半減していることでしょう。

 

 少しでも早くそうなった子から、アガっていきます。アガらずに、大学生になっても社会人になっても、子供ができてもジジババになっても、逃げ続けている人もいらっしゃるようです。そうなりたいですかな?

 

 サピのアルファクラスには、小学生ながらに悟っているような子も多いです。これは、しんどさから「逃げる」段階は終わった子なのでしょう。

 本当に最強だし、面白い子たちです。サピックス・浜学園はぜひとも、このようなぶっちぎり格の子を産むために存続してほしく思います。

 

 

 堀江貴文さんやひろゆきさんのような方は、このような言い方だと鼻で笑ってくると思いますが、彼らも「自分の好きなことのためにはしんどいこともやる」というタイプなのです。そういう意味ではある種の悟りに達している部分もあるのだと思います。参考にする場合は、いろんな人間の見方をするのが面白いです。

 

 

 ということで、小5の方などは今が一番しんどいとは思いますが、しんどさから逃げず、なおかつストレスでつぶれないために、「どうせしんどいんだ(自覚)」→「やろう、やるか。はぁ(諦め)」とのある種「諦め」をもって挑んでみてほしく思います。それがが最大の突破口になります。できれば笑顔を維持してね。

 

 ま、やってみてくれたまえ。一度も挫折しない人間より、すでに挫折している時点でマシだぜ。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

 

おススメ読書タイトル100、問題集など https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12589194343.html

 

リブログ、リンク、引用等は基本自由です。もちろん、一報いただけると助かりますが、特におしらせいただかなくても大丈夫です。リブログしていただければ、「いいね」くらいはしに行きますw

 

スーパーコンサル2020、今年も受け付けております。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。もちろん、2度目3度目の方も歓迎です。ご希望の方は、下記記事を参照の上、メールをください。(読んでない方が多いです。一度はぜひお読みください)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12446458308.html

メールアドレス、hasetomo2009☆yahoo.co.jp(☆を@に変えてください)

 

また、小6から定期指導(月2または月4)をご希望の方は、早めにその旨お伝えください。できれば、新学年前に一度コンサルなどで課題点や学習計画などを相談したほうがうまくいきやすいです。家庭教師の方は下記をご参照ください。(2020年現在、毎週の指導は厳しい状況です)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12514934840.html

 

足軽割引き(僕のバンドのライブに来てくれた方やバンド関係者の優遇)を行っています。一度でもライブに来ていただければ、誰でも関係者になれます(笑) 下記記事をご参照ください。

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12528522329.html

 

 

<メールについて>

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

できれば相談内容などは400字程度でお願いいたします(厳密ではないですw)1件のメールに、1時間近くかけて返信することも多いので、そのあたりをご配慮ください。

 

5年生以下や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、茨城、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

<追記>

この度、僕がベース軍師として加入している戦国バトルメタルバンド『Allegiance Reign』の初MVが公開されました。小田原城全面協力の元、色々な方々の助けもあって、素晴らしいものが撮れましたので、是非ご覧になってください。僕は烏帽子かぶってるヤツです。

◆MV
https://youtu.be/tI4YvWd8sz0

 

また、初のフルアルバム『EiEiO』が発売となりました。ブログでお世話になってっし、応援してやるか、という方は是非お願いいたします。この売上で、今後の僕らの流れも変わりますm(__)m
今回はレーベルにバックアップしていただき、アマゾンでも買えますので、よろしくお願いいたします。

下記My Pickをご参照ください。
 

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