子供を伸ばすオススメ読書100タイトル vol.4 ファンタジー小説編(過去記事再編版) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 休日にこの記事をレギュラー記事とは別個で充実させていきたいと思います。今日はファンタジー小説編です。主に小学生向けになると思います。さすがにちょっと中学生以上だと恥ずかしいかも?(まあ僕はハリポタとか普通におっさんになってから読んでますが)

 いろんな塾のお勧め図書などをみていますと、「それ、先生自身がしっかり読んで自信をもってすすめているのか?」という疑問が湧いてきます。ほとんどが過去にどこかの学校で主題された、「受験にでそうな本」、いわゆる受験書籍に過ぎません。
 そもそもが、受験のために読書をさせる時点で、もうその子は大きく伸びることはないと、僕は経験則から断言できてしまいます。

 僕もいつくかそのような本は読んでいますが、子供の知能や認識を有効に伸ばすような本、新たな刺激、向学心に向かう刺激ある本が受験書籍にあるかというと、そんなにないと思っています。やはり、問題を作成する上で作成しやすい、というポイントで取り上げられたに過ぎないでしょう。

 やはり心ある大人が、自分の責任の元に、子供にどうなってほしいかの願いとビジョンを込めて、オススメしたいものです。


<子供を伸ばすオススメ100冊 ファンタジー小説編>

16、マジックツリーハウスシリーズ 文章レベル★

 

 


小学校低学年の子にすっとすすめられて、イマジネーションの広がりがあるモノ、というとこのあたりになります。僕はちょびっとしか読んでいませんが、まあ良いかなと思います。『ヒックとドラゴン」「デルトラクエスト」などでももちろん構いません。

ただ、これはやはり「第一歩」として与えるべきで、30巻以上ある全巻を読む必要はありません。これを数冊読んで、ちょっとレベル高めの本に進んでいく、というのが良いです。マジック・ツリーハウスは、ハリーポッターと似た世界観もあって、長期的な展望でオススメしやすいのです。

いわゆる冒険もののファンタジー小説ですが、素直で面白いです。速い子ですと、1日で1冊は軽く読めてしまいます。家にずっと置いておくようなものでもありませんので(さっさと難しめのものに手を出してもらいたい)、地域の図書館などで借りてきて読むのが良いでしょう。


17、ハリーポッターシリーズ JKローリング 文章レベル★★

 

これは押しも押されぬ鉄板図書です。映画などから興味を持ってもらってもいいし、USJなどに行く口実として読ませてもいいし、とにかくいろんな読ませ方(入り口)が出来ます。


内容に関しては僕が言うまでもないでしょうが、伝説の魔法使いの子供ではあるけれども、家などで不遇の待遇を受けている冴えない少年ハリーの成長物語となっています。最期はクィディッチでイングランド代表になったり、恋人が出来たり、かなり成長します(笑)

やはり親と子の描写や、シリウスやハグリッドとの親愛の情、ハーマイオニーやウィーズリー一家との友情、などの描写が丁寧で、温かいものを感じ、良いです。冒険ものではありますが、男女問わず楽しめます。途中からミステリー要素も出てきて、中々読ませます。

僕は映画は見ていないのですが、上記の文庫版では嫌なやつが出てきたり、癖のある先生や、温かいダンブルドア校長など、種々様々な人物がたくさんでてきて、国語の要素は全て含まれています。また、それらの人物を整理して読むだけでもかなりの感性の伸びをもたらすと思います。

また、僕のジンクスとして、ハリーポッターシリーズを小4から小5くらいまでに全巻読んだ子は、必ず中学受験がうまくいっています。(今んとこね)その理由も自分で読んでみてわかったようには思います。

最近では子供の手にもおさまりやすい文庫版が出たので、特に静山社の上記のシリーズが文字も大きく読みやすいのでオススメしておきます。

18、十五少年漂流記 ジュール・ベルヌ 文章レベル★★☆

 

 

冒険ものといえば、フランスの巨匠、ジュール・ベルヌ。SFの祖とも言える人なのですが、冒険モノもわくわくさせるものがあります。

これは、最高年齢14歳の子供たちが家族旅行の前日に船で遊んでいると、いつの間にやら錨がとれてて流され、無人島についてしまうというサバイバルストーリーとなっています。大人がいない中で、8から13,4歳の子供たちが自分たちで住む場所を確保したり、油をとったり食糧を確保したりと冒険します。意見の対立から2つにわかれてしまったり、怪しい船が島に上陸してきて、そいつらとの戦いもあります。

15人の少年たちそれぞれが自分の家庭のトラウマや、隠し事なんかもあって、スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」にも似た心情描写もあります。本も薄いし、ハリーポッターから次に行くときはかなりオススメです。初めてのちっちゃい字の活字本としても良いでしょう。

この「大人がいない中で子供だけでピンチを切り抜ける」というスタイルはガンダムのファーストシリーズにも見られ、富野由悠季さんもこの小説を参考にしたと言われています。

ヴェルヌは「80日世界一周」や「地底旅行」「海底2万マイル」など、SF要素のある冒険小説を多く書いています。どれもかなり面白いので、気にったらここから掘り下げていくのも良いでしょう。めんどくさければ、アニメ「ふしぎの海のナディア」から見てもいいです。

19、ぼくらの七日間戦争 宗田理 文章レベル★

 

 

初めてのガッツリした読書、そして継続性がつくもの、ということでこれをすすめることも多いです。宗田理さんは御年87歳を数える巨匠ですが、ぼくらのシリーズは宗田さんが60近い年になって始まった大ヒットシリーズで、90歳を超えて名作を生み出し続けた敬愛する映画監督ケン・ローチにも似た、みずみずしい若者像を描き出します。

内容は、主人公たちが、工場に秘密基地のようなものを作っていて、抑圧する親や学校などに反抗する、という70年代の学生運動にも似た感じのストーリーです。誘拐された友人を救うのに奮闘したり、教師と対決したり、子供にとっては面白いけどアリそうな内容となっています。

このシリーズを読んだ子は、大抵続きもどんどん読んでいくようになり、読書の継続性につながりやすいです。また、まとまった量を読むには文の質、量ともに申し分ないです。

 ただ、中学受験をする小6だと、もうちょっと物足りないかな、という内容ではあります。

20、時をかける少女 筒井康隆 文章レベル★☆

 

 

ちょいちょいSF作家のものが入ってきますね(笑) やはりSFは「こんなことがあったら面白いな」という発想の原点みたいなものですので、イマジネーションが膨らみます。

時をかける少女は、映画化などもされていて、後日談がアニメにもなっていますが、やはりこの小説が一番面白いかなと思います。まあ、薄いので1日でさくっと読めるのもいいですね。

内容は典型的なタイムリープもの、となっています。タイムリープとタイムスリップの違いをしっかり理解しながら読んでいきましょう(笑) タイムスリップはドラえもんのタイムマシンの感じで過去の自分に出会えますが、タイムリープは過去の自分が今の自分に置き換わってしまうので、そのようなことはありえません。

タイムリープができるようになった主人公の少女は、事故を防いだり、火事を予言したりします。なぜそんなことがようになったのかを探るうちに、友人が未来人であったことを知り、その友人との淡い恋物語などもありつつ、その友人が未来に帰れるように頑張るという話になっています。

読みやすい文体で、小学生でも普通に読めます。SFと言うよりはファンタジーというべきであり、僕は筒井康隆さんはSFというよりは、ファンタジー作家という位置づけで理解しています。家族の心情を多角的に描いた「家族八景」なども面白いです。


 気になった本はどんどん読んでみてくださいね。逆に皆さんからのオススメがあれば、教えていただきたく思います。

いつも読んでくださってありがとうございます。


このオススメ100タイトルの判断基準は、子供の「視野を広げ」「思考力を深め」「エログロナンセンスの少ないもの」といった感じになっています。ご活用いただければ幸いです。




お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。


5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。

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