子供を伸ばすオススメ読書100タイトル vol.5 人物伝記編①(過去記事再編版) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 僕は一時期、他人の自伝や一生が書かれた本を読むことにハマっていました。
 
 きっかけは、子供のころに集英社の漫画伝記シリーズを読んだことがきっかけで、他人の人生を垣間見ると「自分はこう生きよう」と、自然に思えました。
 特に少年院から大リーグのスターになったベーブルースや、耳に障害を抱えながらも大発明家になったエジソン、勉強をしまくってアフリカ医療につくしたシュバイツァーなど、今でもよく覚えている人物は多いです。

 ということで、今日あげる本とは別に、集英社や学研の「伝記まんがシリーズ」もおススメしておきます。

 二度目は、星座別の行動パターンを探るべく、各星座の偉人の本を読み漁っていた時です。各星座数人ずつ、出版されているものをどんどん読んでいきました。もちろん、星座別の共通行動のようなものもみられましたが、やはり「オレはこうしてやろう」「俺の生き方は正しい」と思えました。
 比較することのマイナス面がよく言われる時代ですが、このような意味での比較は非常にプラスになったと感じます。

 やはりお子さんが勉強に文句ばかり言っているご家庭の本棚には、人物系の本が少ないと感じます。他人の人生を知らないから、自分の生き方に考えが及びません。結果、現実社会に対して幻想しか持てなくなり、勉強は単純にいやなものとなります。

 やはり漫画やフィクションではなく、実際に生きた人間の話は現代の子供たちには届きやすいものがあります。

 とりあえず、おまけとして、描かれている人物の星座もあげときましょうかね(笑)


<子供を伸ばすおススメ読書100タイトル 人物編①>


21、山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた (おとめ座)

文章レベル★★

 

 


言わずと知れた日本生物学会期待の星、山中伸弥さんです。やはり、子供たちには一番に知っておいてほしい人物です。とくに医学系に進みたい子などは。

この本からは、山中さんの挫折やポリシー、iPS細胞研究の実態などをかなり生々しく知ることができます。山中伸弥さんはあの通り、真面目そうには見えますが、気さくなところがあり、関西人的な明るい感じがします。
優秀な人物は必ず気さくであり、相手をリラックスさせる感覚を持つ、と僕は断言することも出来ます。堅苦しい真面目一徹の人間はある意味ダメなのです。

それに加えて、西洋人には不可能な勤勉さがあります。他人の3倍のハードワークをする、とご自分でも述べられているように、やはり何かを成すにはそれくらいの感覚が必要なのだとわかります。加えて、それを可能にする体力づくり、かなりの朝型の生活など、子供の見本になる部分が多いです。

最先端の医学研究などは、やはりどこの国でも同じようなところまで技術水準が到達していて、ほんとに競争が激しいです。2番めに論文や結果を出してもなんにもなりません。そこでの僅差でのiPS細胞の発表の過程や、なぜiが小文字になっているのか、など山中さんの工夫を知っておくのも勉強になります。

やはりポピュラリティが大事な部分があるのです。山中伸弥さんの本はたくさんありますが、この本が良いと思いますが、他のものでも良いです。


22、大村智物語ーノーベル賞への歩み(蟹座) 文章レベル★★

 

 



山中伸弥さんの本や、この大村智さんの本は、実は家庭教師先のご家庭から借りたものです。割りとこの手の本はどこの家庭にいってもあったりして、ちょくちょく借りて読んでいます。僕が読むことで生徒さんにも自信を持って薦められるし、意味のなさそうな本(読んでも良い影響を与えそうにない)ならば「ま、他のから読んどこう」と遠回しに避けるように持っていくこともできます(笑)

大村智さんはイベルメクチンという特効薬で何億という人々を救った医学研究者です。アフリカで罹患すると失明する奇病のワクチンを、地道な研究の後、土中の中から見つけた成分を応用して作ってしまいます。まさに自然の力を借りるという日本人的な発想です。

このワクチンのおかげで、失明して経済的にも困窮していたアフリカの村のいくつもが救われて行きます。科学の力を正しく使う、とはこのようなことを言うのでしょう。

大村さんですごい点は、病院などの経営者としての手腕も優れている点です。守り星座の蟹座の影響か(笑)、潰れかけの病院の経営なども自身の努力で建て直されています。単なる好きが高じてだけの研究者とは根本的に違う部分があり、尊敬できます。やはり次代の研究者は、視野が広くあるべきでしょう。

 僕はノーベル賞研究者の本はほとんど一通り読んでいます。が、やはりその中でもこの二人がダントツでオススメです。

23、イーロン・マスク 未来を創る男(蟹座) 文章レベル★★☆

 

 



第2のスティーブ・ジョブズとして名高いイーロン・マスクさんです。と言われる割に、日本では注目度が低いように思います。ちょっとぶっ飛びすぎだからかな?

この人物のすごいところは、「企業の力で世界を救おう」としている点です。夢物語でなく、ほんとに、ハリウッド映画のヒーローのように、「商売を正しく人類の救済に使う」というぶっ飛んだ思想で、それを強力に実行に移しています。

人類を救うには、電気自動車が流行らなければダメだと言い、スポーツカータイプの電気自動車を作ります。それも一回の充電で長く走れかつ、かっこ良くないとダメだと言います。そうしてできたテスラモーターズの車は本当にかっこいいです。もちろん、その前に太陽電池事業も推し進めています。最近では、あのトヨタと提携が始まり、僕も楽しみに思っています。

また、地球の環境を考えると、火星も住めるようにしておくべきという思想から、火星移住計画も本気で考えて、現在、第1陣の募集が始まっています。宇宙事業の方でもすでに人工衛星打ち上げを従来の10分の1の価格で実現し、NASAの下請けをしていたり、まあ、多岐にわたってとにかく面白い人物です。ビジョンの構築の仕方に学ぶところは大きいでしょう。

彼はアメリカに入国するため(南アフリカ生まれ)にカナダに留学したり、かなり現実社会との折り合いをつけるのに苦労しています。大学を2日でやめたり、「ほんとに学ぶとはどういうことか」を感じることができます。

色んな意味で癖の強いスティーブ・ジョブズさんよりは、今はイーロン・マスクさんを学ぶほうが子供たちには良いかと思います。この他にも関連書籍はたくさんありますので、どれでも良いです。


24、富野に訊け 富野由悠季(さそり座) 文章レベル★★

 

 



言わずと知れたガンダムシリーズの生みの親ですね。富野由悠季さんで僕が好きなのは、昭和的な道徳観を持ち、なおかつ、今も若者に対する作品を作り続けている点です。

この本は若者のよくある質問に、富野さんが答えていくという形をとっています。「クリエイターになるには?」というような質問から、「読書ができないんですが、したほうがいいんですか?」など、若者の青春のお悩みごとまでいろいろあります。それを富野さんの人生も交えながら、真摯に答えてくれていて面白いです。

富野さんの特徴はとにかく、「ばっさり」と切ります。甘さがないのです。やはりクリエイターの世界で生きている人間特有の、厳しいものの見方をわかりやすく述べてくれています。現代教育で失われたものが富野さんには色濃く残っています。

そのばっさり具合は、僕からみれば痛快ですし、子供たちにとっても活きることになると思います。これくらいばっさり言われなきゃ世間の厳しさは伝わらないだろうな、と思うのです。富野さん自身も映画を撮りたかったのにある種挫折をしてガンダムを撮っています。そのような挫折のある人間に接しておくべきだと思います。

ちなみに、読書に興味がない子に対しては、読書によって論理性が身につくのが良いとした上で、「君にだって興味のあることはあるはず。それを追求しないのはたんなる怠けなのです」のようなことを言っています。

ま、これを機にガンダムみるもよし、アニメ好きの子に薦めるもよしです。


25、エリック・クラプトン自伝(牡羊座) 文章レベル★★☆

 



すいません、ミュージシャン面が出てしまいました。ただ、これは自信をもって薦められます。

エリック・クラプトンといえば、もうギターやブルーズ、ロックの世界では神のような存在です。どんなプロに会いましても、クラプトンを認めていない人はいません。これがいかにすごいことか。

その人生は壮絶の一言につきます。あっという間にスターダムをのぼりつめてしまったクラプトンは、アルコールに走り、その後、クスリにもどんどん手を出し、ダメ人間の象徴みたいな人間になります。ラリって交通事故(しかもフェラーリ)、略奪愛、不倫……クズですね(笑)しくじりまくってます。

何度目かの結婚の時、彼にも子供が生まれました。ある日、その子供の面倒を見ていたのですが、クラプトンは子供の横でクスリをやってしまいます。そして、ラリっているうちに子供がマンション(しかも53階!)のベランダから落ちてしまうという悲劇が起こります。

嘆き悲しんだクラプトンは、ある種そこで目覚めます。そこから、クラプトンの蘇生人生が始まります。(とりあえず、ここで名曲、ティアーズ・イン・ヘヴンが生まれる)

彼のどうしようもないクズ人生から、なぜ蘇生できたのか。それは、ギターをどんな時も手放さなかったからなのでした。どんなにアル中でもヘロインでラリっていても、ギターは弾き続けていたのです。根幹があったのでした。

その人間としての弱さや孤独愛情まで感じられるのがこの本になっています。薬物の怖さや人間のだらしなさ、弱さを知る、考える、という意味でも子供たちには良いかもしれません。

今では、アルコールやドラッグ中毒の人たちのための更生施設を自分で作っています。その経営のためにお金がかかるらしく、ちょくちょく日本にもライブにやってきます。幸か不幸か、そのせいで70を超えた彼はまだギターを弾かなければいけないのです。でもそれはファンにとっては嬉しいことです。

大ヒットアルバム、「461オーシャンブルーバード」(大ヒットナンバーI Shot the Sheriffが入ってる)なども良いですが、やはり、人生の後半になってからのギターの音が最高にいいです。僕は彼のライブに何度も通っています。

日本でもクスリで失敗する有名人が多いですが、やはり「根幹」を手放してはいけないのだな、と思います。近頃話題だったあの彼も野球を手放したあたりからおかしくなったのでしょう。ということは、野球に帰ってくれば蘇生する可能性はあるわけです。(日本じゃ許してくれないか)

個人的にはローリング・ストーンズのギタリスト「キース・リチャーズ」の自伝もオススメではあります。彼も破天荒に見えて、その実、まったく違うのです。(大卒だしね)

UKロックの偉人たちは、ほとんどが大学卒で、知性インスピレーションの両方を感じ、素晴らしいなと思うことが多いです。エリック・クラプトンも一応、大学には行っています。(ロンドンにいくための口実だったようにも思えるが)クイーンのフレディやピンクフロイドのロジャーウォーターズだって大学でしっかり(かどうかは自信ない)勉強もしています。

ロック=はみ出し者の音楽、という印象は日本だけのものなのかもしれません。知性もしっかりと鍛えられた方が多いです。

 くれぐれも勉強からの逃げで「ミュージシャンになる」とか言わないように(笑)両方やればいいのです。内的世界を表現するには、知性も必ず必要になります。


 今日は読みやすい本がおおくなりましたね。よかったよかった。
 いつも読んでくださってありがとうございます。

このオススメ100タイトルの判断基準は、子供の「視野を広げ」「思考力を深め」「エログロナンセンスの少ないもの」といった感じになっています。ご活用いただければ幸いです。




お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。


5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。

教え子の医学部留学生がブログをはじめました。医学部にご興味のある方はどうぞご覧になってください。医学部生のきつさや海外生活なんかの赤裸々なところがわかるかもですよ、むふふ。
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